2011年3月22日火曜日

M小学校原理主義者の登場③

「あのときお受験なんてしないって言ったじゃないっ! しょせんあなたもそんな人なのね?」
ファイティングポーズを崩さない曽我部さん(仮名)。

「言っておくけど、M小学校はすごくいいわよ。給食だって“全国おいしい給食ベスト10”の中に入ってるんだから! 何よ、この前の“給食試食会A”に行かなかったの? だめじゃないの!」
あの~、“給食試食会”って平日の昼にあって、働いてるとそんな時間無理なんですけどぉ~。

これでもかこれでもかとM小学校のポジティブなところを列挙し始める曽我部さん。ここまで頑なにM小学校バンザイって人は初めてだ。校長先生ですら、きっとここまで入れ込んでないと思うぞ。

それに比較して、陽太(仮名)が行っている私立のG小やそのほか国立もメタクソである。特に曽我部さんの舌鋒の矛先になったのは、泰子(仮名)のところのO女大附属小と我らが憧れのT大附属T小である。
つーか、両校とも負けず劣らずの超人気校じゃんっ!

曽我部さん曰く、「O女はまともな宿題すら出さないので行ったらバカになる」だの「O女に行っても大した人生は待っていない」だの「T大附属T小は人を蹴落とすことしか知らない冷血漢の行くところ」だの「T大附属T小に行ってノイローゼになった人が何人もいる」だの、出るわ出るわ、両校の悪口が。
しかも合間合間にどの有名校にも必ず彼女のイトコやら親戚やらが通っていたらしいのだ。
もう、お受験反対と言いたいだけなのか、身内自慢がしたいのか、どっちやねんっ!
あとね、いい小学校に行ったらその後は安泰だなんて、誰も思っちゃいないからねっ!

「これだけ言えばあなただって、どれだけ小学校受験がくだらないものかってわかるでしょ? Aちゃん(←うちの娘)だってM小学校でラッキーだったのよ。だからLくん(←うちの息子)にもお受験させるだなんて無駄なことさせないで、素直にM小学校に決めればいいのよ。第一、国立とか行かせて、あなたは子どもをどんなふうに育てたいわけ?」
と口撃を緩めない曽我部さん。辛うじて反撃を試みるもすべて撃沈。というよりハナから戦意喪失している私。
だって相手の言うことを聞く気もなさそうだし、そもそもそこまで人んちの教育方針というか、そういったことにあれこれ干渉される筋合いはまったくないからだ。
しかもここまでお受験を否定する本人は幼稚園、小学校と人一倍お受験をやらせてるんだぜぇ~。

実際、何度かいかにもお受験の面接の帰りですといういでたちをした曽我部さん一家を見かけている。
仕方なくお受験につきあってますといった感じのダンナさんや苗子ちゃん(仮名)に、あれこれ口やかましく指図しているお受験スーツ姿の曽我部さんを見ているだけあって、説得力ないよって感じ。
これだけ足蹴に有名小学校のことを貶すのも、どう考えても負け犬の遠吠え(←別の意味でな)にしか聞こえないし、ここまでM小学校を原理主義者的に絶対視するのも、そこまでしないと自分自身が納得させられないからだと思う。
そう考えるとなんだかかわいそうだぜ、曽我部さん。

けどね、そこまであーだこーだと言われるんだったら、息子のお受験にバッチリ成功して、「T大附属T小に行っても、人を蹴落とすことばかり考える冷血漢にはなってほしくないわ♪」などと思いっきりイヤミを返してやりたいと思う悟りからは程遠い私であった。
ふんっ! こうなったら絶対に見返してやるからね!

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