そこで突然ひらめいたのはみっちゃん(仮名)のところの陽太(仮名)だ。
皆さんは覚えておいでだろうか? 娘のお受験編のときにさんざん登場したみっちゃん&陽太親子を。
T大附属T小が第一志望だった陽太(というよりみっちゃん)は、受験した私立4校 もすべて合格。その中でも名門GS小に陽太が「塩むすび(←GS小は毎日お弁当持 参)だけで毎日我慢しますから、お願いですからGS小に行かせてください」と土下座して頼むので(←6歳にして行きたい小学校があるのが驚異的!)、T大附属大T小 の抽選もあきらめ、GS小に入学したのであった。
GS小は難関小学校として名を馳せており、生徒の親はほとんど医者だという。
「ペーパーが難しいところといえばGS小とか?」
「GS小ねえ。いいんじゃない? 記念だったら。ちなみにここ受ける子はみんな胎児のときから準備してるからね」
「胎児がお受験準備!?」
思わず突拍子もない声を上げる私。
「GS小はね、月齢によって試験にハンディはつけてくれないんだよ。だからどうしても4月とか5月生まれの子が有利になるから、GS小を目指す親は当然、子どもがそのころに生まれるように調整するんだから。そう考えると2月生まれのLくんは不利だけど、いいじゃん、練習なんだから」
うーん。厳しい。そういえば陽太は5月生まれだったよなあ。
「けどさ、練習っていっても、美央さんどうする? もしLくんがGS小なんか受かっちゃったりしたら」
「そんなとこ、まず受かるわけないじゃんっ!」
「わかんないよぉ~。でもどうする? まあGS小だったら普通考えちゃうよねえ~」
「うん。GS小だったら無理しちゃうかも」
「考えようだよね。どうせ中学受験するなら4年生ぐらいから塾代に10万以上使うんだから」
ふと息子がGS小の制服を着ている姿を思い浮かべてみる。
う~ん。なかなか似合ってるではないかっ! 両家のお坊ちゃん風だわ。GS小かあ~。
はっ! いかんいかん。すっかり泰子(仮名)に乗せられているではないかっ!
まったく、油断も隙もない。そんな悪魔の囁きに乗ってどうする? 私!
家に帰ってさっそく夫にGS小受験の話をする私。
「私立? ありえないっ! そんなお金なし!」
案の定、全力で反対する夫。
「だ・か・ら。単なる練習だって。どうせ受からないんだから」
「じゃあ、ますます意味ないっ! しかもカソリック!」
「いいじゃん。カソリックでもなんでも。あなただってどうせ無宗教なんだから」
「そういう問題じゃない!」
そうGS小はカソリックなのである。夫はプロテスタントの国からやってきて、両親はメソジスト信者(プロテスタントの分派)だそうだ。
子どものころはメソジスト教会の聖歌隊で賛美歌を歌っていたという夫だが、70年代にイギリスで吹き荒れたパンクの洗礼を受けた夫は、14歳のときロンドン郊外の町で13世紀ごろ建てられた木造の教会の敷地で突然、「神はいない」と天啓を受けたのだという。それ以来、無神論主義を貫き通す夫である。
私も特定の宗教を信じているわけではないので、夫と宗教観が一見似ているが、初めから「神はいない」と考える夫に対して、私は多くの日本人同様、神様はいないのではなく、たくさんいるのでそのときの都合に応じて使い分ければいいと考えている。その違いはとても大きい。
夫は神社に行ってもお寺に行っても絶対に拝まない。頭を下げない。何も信じな
いことにこだわっているのだ。
対する私はありがたそうなものなら何でも拝む。別に自分の信仰心など何に対しても減るもんでもなしと考えているからだ。
だから子どもの行く学校がカソリックであろうと、プロテスタントであろうと関係なし。 カソリック系の学校のほうがプロテスタント系より授業料が安めだと聞けば、じゃあカソリックにしようと思うほど節操がないのだ。
でもね、そんなこんなも受かってから言えって話ですよ。まったく。
2011年5月22日日曜日
悪魔の囁き
「ねえねえ、Lくん(←息子)、私立は受けないの?」
のっけから恐ろしいことを言ってのけるのは、近所のママ友・泰子(仮名)だ。
うちの子どもたちは泰子からピアノを習っているので、毎週レッスン日が終わった後に迎えに行っているのだが、そこでうだうだと井戸端会議をするのが習慣になっている。
娘をO女大附属に行かせているためか、泰子はお受験話が大好きで、無知な私にあれこれレクチャーするのが何よりも楽しいらしい。
「私立なんて受けないよ。そもそも授業料が高いから行かせられないし」
「でもさ、国立の場合、いざ抽選に通ったときに模擬以外でも試験の雰囲気に慣れておかないといけないから、練習のつもりでも受けたほうがいいんじゃない?運試しの国立志望の以外の人は私立も受けるもんだよ。1校でもいいから受けてみるべきじゃない?」
「受験料ってどれぐらいなの?」
と聞いた時点で、私立なんて受けないもんね~という意思が揺らいでる私。
「だいたい2万5千円から3万円が相場だね」
「高っ!」
「国立が破格なんだよっ」
そう。国立の場合、受験料は1次抽選が1000円、2次試験で2000円というのが相場なので、それと比べると私立は10倍以上の受験料がかかる計算になる。
それを何校も受ける人がいるんだから、受験するだけで10万円ほどの出費になってしまう。
「う~ん。単なる練習でその値段か・・・」
「やっぱり場慣れは必要だからね。Lくんの場合はあくまでも練習なんだし、せっかくだからいいところ受けなよ。第一志望はT大附属T小でしょ? だったらペーパーが難しいところがいいよ。傾向が似ているところじゃないと練習の意味ないしね」
そう。このところの第一志望はT大附属T小である。前年に娘が2次試験を受けてさんざん期待を持たされて見事落とされた因縁の小学校である。
小学校お受験塾Wの国立コースはほぼT大附属T小に照準を合わせて作られているし、何よりもスパルタちっくなところが娘には厳しいと思ったけど、いつまでも赤ちゃん気分が抜けない息子にはピッタリだ。体育学校ちっくなところも実はスポーツが得意な息子にはいいかもしれない。
Wで毎週洗脳されていることもあって、ほぼT大附属T小の父兄の気分でいる私である。
「ペーパーが難しいところねえ~(ため息)」
「Lくん、かなり頭いいよ。ピアノの楽譜だって覚えるの早いし、リズムの計算とか速いし、才能あるよ。ピアノはバカだと弾けないから、美央さんさえちゃんと勉強させればいけるって! 問題は態度が悪いところだよ。態度さえちゃんとしてればね。まあ、こっちはしつけの問題だけどね」
う~ん。要は私次第なのね。なんというプレッシャー。
あとは国立志望の場合、最大のネックは抽選である。特にくじ運が誰よりも悪い私の場合、これは致命傷だ。抽選に通らなければ試験さえ受けられないのである。最悪な場合、受験予定の国立4校とも抽選で全滅してしまう可能性だってある。その場合、実力を試すこともなくお受験が強制終了されてしまう。なんのための毎週の塾通いなのか? その点、私立は抽選がないのでとりあえず試験を受ける
ことができる。
うーん、そう考えるとやっぱり受けておくべきなのか? でもどこを受ける?
のっけから恐ろしいことを言ってのけるのは、近所のママ友・泰子(仮名)だ。
うちの子どもたちは泰子からピアノを習っているので、毎週レッスン日が終わった後に迎えに行っているのだが、そこでうだうだと井戸端会議をするのが習慣になっている。
娘をO女大附属に行かせているためか、泰子はお受験話が大好きで、無知な私にあれこれレクチャーするのが何よりも楽しいらしい。
「私立なんて受けないよ。そもそも授業料が高いから行かせられないし」
「でもさ、国立の場合、いざ抽選に通ったときに模擬以外でも試験の雰囲気に慣れておかないといけないから、練習のつもりでも受けたほうがいいんじゃない?運試しの国立志望の以外の人は私立も受けるもんだよ。1校でもいいから受けてみるべきじゃない?」
「受験料ってどれぐらいなの?」
と聞いた時点で、私立なんて受けないもんね~という意思が揺らいでる私。
「だいたい2万5千円から3万円が相場だね」
「高っ!」
「国立が破格なんだよっ」
そう。国立の場合、受験料は1次抽選が1000円、2次試験で2000円というのが相場なので、それと比べると私立は10倍以上の受験料がかかる計算になる。
それを何校も受ける人がいるんだから、受験するだけで10万円ほどの出費になってしまう。
「う~ん。単なる練習でその値段か・・・」
「やっぱり場慣れは必要だからね。Lくんの場合はあくまでも練習なんだし、せっかくだからいいところ受けなよ。第一志望はT大附属T小でしょ? だったらペーパーが難しいところがいいよ。傾向が似ているところじゃないと練習の意味ないしね」
そう。このところの第一志望はT大附属T小である。前年に娘が2次試験を受けてさんざん期待を持たされて見事落とされた因縁の小学校である。
小学校お受験塾Wの国立コースはほぼT大附属T小に照準を合わせて作られているし、何よりもスパルタちっくなところが娘には厳しいと思ったけど、いつまでも赤ちゃん気分が抜けない息子にはピッタリだ。体育学校ちっくなところも実はスポーツが得意な息子にはいいかもしれない。
Wで毎週洗脳されていることもあって、ほぼT大附属T小の父兄の気分でいる私である。
「ペーパーが難しいところねえ~(ため息)」
「Lくん、かなり頭いいよ。ピアノの楽譜だって覚えるの早いし、リズムの計算とか速いし、才能あるよ。ピアノはバカだと弾けないから、美央さんさえちゃんと勉強させればいけるって! 問題は態度が悪いところだよ。態度さえちゃんとしてればね。まあ、こっちはしつけの問題だけどね」
う~ん。要は私次第なのね。なんというプレッシャー。
あとは国立志望の場合、最大のネックは抽選である。特にくじ運が誰よりも悪い私の場合、これは致命傷だ。抽選に通らなければ試験さえ受けられないのである。最悪な場合、受験予定の国立4校とも抽選で全滅してしまう可能性だってある。その場合、実力を試すこともなくお受験が強制終了されてしまう。なんのための毎週の塾通いなのか? その点、私立は抽選がないのでとりあえず試験を受ける
ことができる。
うーん、そう考えるとやっぱり受けておくべきなのか? でもどこを受ける?
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