2011年4月15日金曜日

まみちゃん

 まみちゃんがうちに泊まりにやってきた。
 まみちゃんとは私の高校時代からの友だちで、初めて会ったのは高校1年だった15歳のときからだから、もうかれこれ何十年の付き合いである。
 彼女は地元に住んでいるのだが東京が好きらしく、定期的にやってきてはうちに泊まっていく。
 
 この日も朝、地元から長距離バスに乗って彼女は東京からやってきた。
 私はといえば、前日大学の東京校友会絡みの飲み会があり、べろんべろんに酔っ払ってきて帰ってきたので、朝は絶不調でゲロゲロの二日酔い状態だ。
 こんな状態で朝から子どもたちのバレエに付き合わないといけないのかしらん。うげげ。
 ソファーでボロボロの状態で横たわる私に対して、長距離バスに揺られてきたというのにまったく化粧崩れもしていなければ、よれてもいないまみちゃん。
 ねえ、なんであなたはどこにも毛穴という毛穴がないの?
そんな陶器肌のまみちゃんが私をじっと見つめて言う。

 「あんた、相当疲れとるねえ~。泊めてもらうお礼にマッサージしたるわ。まずは顔をやったるで。温タオルってどこにある?」
 おお、マッサージ! わたしゃ、マッサージの類が何より大好き! もう大富豪になったら(←絶対なれないけど)、専属のマッサージ師を真っ先に雇うねっ!

 電子レンジで温めた3枚のタオルを駆使しつつ、何やらひんやりとしたローションで私の顔を撫で回すまみちゃん。
う~ん、極楽。毛穴から昨日のアルコールが染み出してきそう。ゲロゲロ。
 「あんた、パックとかやっとらんやろ。あごの辺とか角質がたまってザラザラしとるよ」
 きゃーっ! その通り! だって忙しいんだもの(←言い訳)。
 さすがはプロの腕。私はあまりの気持ちよさに意識は真っ白よ。

 ちなみにまみちゃんはそのころ自分のサロンを作ったばかり。
 高校を卒業してから超大手化粧品メーカーに就職したまみちゃんは美容部員として、薬局とかデパートに派遣されていた。
 今でもばっちりなお化粧はこのころからなのだ。年季が違う。

 20代前半で結婚し、その後も化粧品関係の仕事をしていたまみちゃんに30代初めに転機が訪れる。 
その転機とは離婚だった。
ひとり息子を抱え、大変な苦労をしたのにも関わらず、天職ともいえる美容関係の仕事を続けている彼女に生活疲れだとか、所帯やつれなどといったものが一切顔に表れていない。
偉い! えらすぎるぞ。

息子もすっかり大きくなったので、こうしてちょくちょく東京に遊びに来ているのだが、晴れて実家の敷地内に夢のサロンをオープンさせたわけだ。
そこでヘアメイクとかエステだとかをやっているのだが、施術をされる女性からしてみれば、やっぱりきれいな人にやってもらったほうがいいに決まっている。
そんなまみちゃんが始めたサロンでの奮闘記がこれ→http://ameblo.jp/libra-goddess16/

まみちゃんの未来に幸あれ。

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