2011年4月30日土曜日

息子のバレエ観劇デビュー

 子どもたちが習っているバレエの先生方の定期公演が年2回ある。1回目は夏で2回目は12月におこなわれる恒例の「くるみ割り人形」。
 実は大人になるまで生のバレエを観たことがなかった私。初めて見たバレエが先生方のやった「眠りの森の美女」。いわゆる3大バレエといわれるもののひとつである。
 ここのバレエ団は舞台下にオーケストラが控えており、生のオーケストラを堪能する楽しみも味わえる。
 初めてバレエを観たときに買ったチケット代はC席3000円なり。
バレリーナたちは遥か遠くにしか見えなかったけど、ゴージャスな舞台芸術と美しいバレリーナたち、華麗な踊り、そして迫力満点の生のオーケストラまで見られて3000円とは、なんとコストパフォーマンスがいい(←観客側からすれば)芸術なんだといたく感動して以来、毎年バレエを見ている。

バレエのお供は娘。例の「眠りの~」を観たとき、娘はわずか3歳。
そしていつもつれだっていくのは、お受験エキスパートにして子どもたちのピアノの先生でもある泰子(仮名)と真美ちゃん親子だ。
娘たちは3歳のときからわりと静かに最後までバレエを観ることができるので、毎回いっしょに来ている。
先生たちも毎回それなりの役(←もちろんプリマじゃないけど、「くるみ割り人形」なら「アラビアの踊り」とか、「シンデレラ」なら「仙女」とかといった3番手4番手ぐらいの感じ)で出てくるので、見ごたえもたっぷり。

泰子も他のママ友も子どものころからバレエを見慣れているらしく、こういったところにいちいちコンプレックスを刺激されてしまう。
この格差社会で子どもたちに文化的格差だけは味わせまいと、せっせとバレエを見せたりクラッシックを聞かせたり、ちょっとハイソなことをしてみせる田舎者の私である。

 そして今回は息子もバレエに連れて行くことにした。今回の舞台は「コッペリア」。人形作りのコッペリウスが作り出したからくり人形コッペリアを巡る騒動を描いた軽いタッチのコメディである。
 息子をバレエに誘うと初めはいやがったが、何度も声をかけているうちに、「僕も行くぅ!」と言い出したためにすかさず息子の分のチケットをゲットしたのであった。
 その旨を先生に告げると、
 「そうですかぁ。Lくん(息子)も来るんですね。はあ~」
となぜかあまりうれしそうではない様子。なんでだ?

 そして当日。
 子どもたちにお出かけ用の洋服を着せて、いざ出発!
 バレエは座席への出入りが、他の演目に比べると厳しく制限されている。
 まず舞台が始まってしまうと、途中で出たり入ったりすることができない。
 だから子どもが騒いでしまうとアウトである。静かにさせようと外に出ると、次の幕間に入るまで再入場できないのだ。

会場はほぼ満員御礼の入り状態。今回はちょっぴり奮発してA席ひとり7000千円なりである。3人分なので2万1千円といい値段だ。情操教育はお金がかかるのう(涙)。
ちなみに夫はバレエに対する興味0なので、毎回パス。
 そして幕が開く。
隣にいる真美ちゃんは足を揃えてきちんと座っていて、実にいいところのお嬢さんらしい振る舞いだ。さすがはO女大附属!  お受験に成功する子ってやっぱり違う。
 うちの娘は静かにはしているのだが、どうも長時間きちんと座っていることができないらしく、両膝が開いていたり、体が曲がっていたり、しつけが行き届いていない感じ(←まあ私のせいだが)。
 
息子に至っては公演中叫び出しそうになるのを、口を塞いで押さえつけているような有様。
 立ったり座ったりペラペラしゃべったり、お腹がすいただのノドが乾いただのぶーたれるのをなんとかなだめ、いまひとつバレエの世界に没頭できない。
 挙句は娘も息子も途中で大爆睡!
 なんたること! 2万1千円、返せっ! の世界である。

 そして後日、バレエの先生から言われたこと。
 「いやあ~。当日、Lくんが見に来るっていうんで、超緊張しましたよ。客席で何やられるんだろなんて思っちゃって。自分の出番どころじゃなかったですよぉ!」
 ご自身の出番や踊りの出来より、客席で息子が何をしでかすのかと、バレリーナに心配されてしまう我がバカ息子。

 ほんと、マジで2万1千円返せよ。と思う今日この頃であった。

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