2009年12月3日木曜日

佑子さん(仮名)の報告

 保育園のお迎えでバッタリと佑子さんと鉢合わせる。
「あれ、ずいぶん早いね?っていうか、もう辞表出したんだったっけ?」
 SEの佑子さんはワンマン社長から突然賃金を下げられたことに怒り狂い、5月には辞表を出すと言っていたのだが、すでに6月も半ば。しかも会社帰りの様子だ。
「あれから行ってきたよ。銀座に。その話もあるんだけど、美央さん、今日予定は?」
「まあ特に何もないけど。じゃあうち来る? 夕食は何か出前でも取る?」
「いいねえ。じゃあお邪魔するよ」

ということで、佑子さんは子どもたちを引き連れて我が家へ。子どもたちは子どもたちで勝手に遊んでいる。
 缶ビールで乾杯しながら、佑子さんは本題に入る。
 話によると銀座の先生は初めに、会社の状態や社長の話を長々話し始めたらしく、佑子さんが、
「会社の話はもうどうせ辞めるんだから、どうなろうとどうでもいいんです」
と言っても、
「スパっとは辞められませんよ。長引きます」
と言われてしまったそうなのだ。

「冗談じゃないよ、スパっと辞めたいのにさあ」
「で、結局スパッと辞められたの?」
「労働局に駆け込んだんだけど、手続きが結構かかるらしく、会社にまだ行ってるのよ」
「じゃあ、先生の言ってること、当たってるじゃん」
「これに関しては微妙よね。ずっとかかるっていうようなこと言われたからね」
「他は何言われたの?」
「他は実家のこととか、ダンナのこととか」

 佑子さんは銀座の先生に言われたことを一通り教えてくれて、
「でもね、1回目の方が感動だったな。今回はちょっといまひとつな感じ。まあだからといって2万円損したとは思わないけど、何せ1回目のインパクトが強かったから。その分、2回目は感動が薄れてたってことかな」
と自分自身を納得させるかのように、ビールをぐいっとあおっていた。

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