今から6年以上前のこと。娘を出産してから育児休暇を取得していた私は、初めての専業主婦ライフを送っていた。
元来家にじっとしていられなくて寂しがりやの私は、ガンガンママ友を作った。住んでいる場所が都心のオフィス街のため人もあまり近所には住んでいないし、子どももいないと思っていたら(←実際、家に来た保健所の人から“この辺りはちょうど子どものいないところなんですよぉ”と言われた)、うちから3軒隣の超高層タワーマンションに、娘と同じぐらいの年頃の子どもたちがわんさかいた。
そこでイッキにママ友が増えたわけだが、彼女たちはみんな専業主婦でちょいセレブ(←本物のセレブはうちの近所なんかにゃ住んでないっ!)だった。
そのため誰かの家でお茶をすると必ずウェッジ・ウッドかミントンあたりのティーカップに丁寧に淹れられたコーヒーか紅茶に、“これいただきものなんだけどぉ~”と言いつつしっかり近所のデパートで買ってきたばかりなのが丸わかりのトップスだのユーハイム・ディー・マイスターなどのケーキを食べ(←酒飲みには辛い!)、子どもたち(←そのころはまだ赤ちゃん)をその辺で遊ばせつつ、話題の中心は常に“ねえ~、幼稚園どうするぅ?”または“小学校はどうするぅ?”だったのだ。
田舎者の私に幼稚園受験だの小学校受験だのの知識や経験があるわけはなく、幼稚園受験に至っては共働きの我が家は100%保育園しか選択肢がないので、まったく関心も興味も持てない話題だった。
そもそも私は銀座の先生改め今は麻布の先生になった先生(←ややこしいな)から、国立受験のことを言われるまで、まったくお受験のことなど考えたこともなく、保育園のあとは無条件に家から数十秒のM小学校に入れる以外ノーアイディア状態だったのだ。
そんなある日、何人かで矢崎さん(仮名)宅に集まった。ちなみに矢崎さん宅はその超高層マンションの最上階で、そのマンションの中で一番広い住居面積を誇り、お値段も最高級の億ションで同じマンションの住人たちからの羨望を集めていた(と思う)。いわばちょいセレブ主婦軍団の中におけるヒエラルキー(←つまんねぇっ!)の頂点に矢崎さんは君臨していたのだ(←オーバー)。
ご主人が急成長中のベンチャー系企業の社長でいわゆる社長夫人の矢崎さんなのだが、本人は至って普通な素朴な人で、ご主人が自分へのごほうびのつもりでシャトー・マルゴーだのロマノ・コンティーだのわかりやすい超高級ワインをコレクションなんかしたりすると、
「そんなお金があるなら、恵まれない人に寄付したらんかいっ!」
と言って返品させたりするのだという(←だったらうちにくれ!)。
この日もさんざんみんながお受験話で盛り上がる中、私と矢崎さんは話の輪に加われないでいた。
「ねえ、美央さん、みんなが帰ったあともちょっと残っててよ」
とそっと耳元で囁く矢崎さん。
なぜかそれをめざとく聞きつけ、みんなが帰ったあとも残っていた曽我部さん(仮名)。
そして3人だけになったときに、
「みんな受験受験ってすごいねえ~。こんなに近くに小学校(←このマンションからM小学校は真正面)があるんだから、そこでいいのにね。それに私、地方出身だから全然そういうのわかんないんだぁ~」
と首をすくめる矢崎さん。
「私だって田舎者だからわかんないよ。ただ将来履歴書に幼稚園とか小学校を書く欄なんてないわけだから、最終的には大学になるんだろうけど、今は大企業だって潰れる時代だし、昔みたいにいい大学に行ったらいい会社に入れてっていう保証もないしね」
「そうそう、子どもなら泥んこになって遊べだよ」
「あと日本のいい大学をそこまでお金をかけて出たって、東大ですら世界の大学ランキングの100番目ぐらいなんだし、だったら世界の大学をめざしたほうがいいよね」
「確かに」
「まったく子どもにそんなにお金かけるぐらいなら、その前に親だっちゅうねん」
「そうそう。親が楽しそうにしてるのが一番の教育だよ」
私と矢崎さんはお互い同志を得たような気になり、大いに溜飲を下げる。
「私はふたりと違ってこの近くの出身で実は小学校から短大までずっと私立だったから、みんなの言うお受験の世界はよく知っているけど、でも音羽のお受験殺人事件でもそうだったように、私に言わせればはっきり言ってお受験って騒いでるのって地方出身者ばかりなのよねぇ~。または子どもの小学校受験で階級上昇を狙うようなギラギラした人が多いから、昔から住んでいる地元の人たちにとっては何を地方の人たちが頑張っちゃってるの?って鼻白んでるのが現実なのよ。だから今日みたいな話題になっても私的には矢崎さんとか美央さんの感覚に近いっていうか、あっ、私はこっちのグループの方が居心地いいやって思っちゃったんだよね」
とまったく上から目線なんだか、仲間に入れてほしいんだか、よくわからないコメントをする曽我部さん。
それに私も矢崎さんも別にグループを作る気はないんだけどなあ~。
「っていうことはふたりともお受験はさせないってことね?」
むしろ釘を刺しているかの如き曽我部さん。
「そんなめんどくさいことするわけないっちゅうーの! ずっと公立で上等だよ」
即答する矢崎さん。
「うちも。だってお受験どころかいつまで日本に住んでるかわからないし」
「そうか~、美央さんちはそういう問題もあるもんね」
「むしろインターナショナルスクールに入れたいぐらいだけど、高いからうちは無理っ!」
「日本の初等教育は世界と比べてもいいみたいよ。それ以降はどんどん海外の学校の方が良くなるけど、小学校のうちは日本の方がいいんじゃないかな」
「だったらなおさらお受験は必要じゃないね」
「そうそう」
***********************************************
以上が曽我部さんの言う「矢崎さんの家で話した」話である。
思い出した、思い出した。確かにしましたよ。こういう話。
実際、矢崎さんはそれ以降、まったくお受験に関わった形跡はなく、今M小学校で矢崎さんの息子とうちの娘は同じクラスになっている。
チラッと以前矢崎さんに国立受験の話をしたら、
「よくそんなめんどくさいことできるねえ~。私には無理っ!」
とまったく関心なさそうだった。
でもね、曽我部さんがなんで今、そんな話を蒸し返すわけ?
2011年2月28日月曜日
2011年2月25日金曜日
M小学校原理主義者の登場①
平日の昼下がり。久しぶりに学校公開日で出くわした近所のママ友曽我部さん(仮名)と、ランチに出かけた私。
場所は小学校から歩いてすぐのところにある人気のイタリアン。
本日のお薦めパスタを頬張りながら、おしゃべりを始める私たち。
「美央さん、ここ初めて? ここは結構パスタもおいしいし、デザートもいけるよ」
といかにも常連風な曽我部さん。
「あ、うん。そうだね」
なんて言ってると、
「あれ、こんな時間帯に珍しいですね!」と長身でイケメンなお店のスタッフが私に話しかけてきた。
「今日はどうされたんですか?」
「小学校の行事だったんです」
「あ、この近くの。そうですか。また可愛いお子さんたちもいっしょにいらしてくださいね。会員カードもご主人様のお名前でお作りしてありますから。フレンチのほうでもお待ちしています。ではごゆっくり」
そう爽やかに言い残して去って行く彼。
「あの人誰? ここのウェーター?」
と訝しげな曽我部さん。
「この店のオーナーだって」
「なんでオーナーなんて知ってるのよ?」
「夜、たま~にフレンチのほうに行くからだよ」
「ふんっ!」
そう、ここのオーナーは近くでフレンチもやっていて、そこは娘のお気に入りのレストランなのだ。T大附属T小の試験が終わった日にお祝いしたのもそのフレンチだった。しかも娘はここのオーナーのファンで、憧れちゃっているのだ。
引き続きパスタを頬張りながら、うちよりも1年先に入学していることもあり、M小学校のシステムなどをあれこれ教えてくれる曽我部さん。
誰にでも聞くことなので、何気なく「中学はどうするの?」と聞くと、当然中学受験をさせるに違いないと思っていた曽我部さんは、なんと「そのときになってみないとわからない」と言うではないか!
幼稚園受験も小学校受験も散々経験してきた人が、中学受験はさせないっていうことなんてあるんだろうか。
「美央さんのところはどうするのよ?」
なんとなく探るような目つきで私を見る曽我部さん。
「そうだねえ~。まだわからないけど、G大附属O中は国立なのに、インターナショナルスクールみたいなことをしてくれるからいいなあって思ってるんだけどね。小学校でも挑戦したんだけど、残念ながら抽選で落ちちゃったんだ」
と言うや否や、
「美央さん、お受験したのっ?」
と顔色を変えた曽我部さん。
「うん。国立は全部受けたよ。A(←娘)の場合、T大附属T小は一次抽選通ったけど、試験で落ちて、あとは全部抽選で×だったんだぁ~。L(←息子)も一応国立狙いだからW(←お受験塾)に行かせているよ」
「見損なったねっ!」
恐ろしい形相で睨みつけてくる曽我部さん。
ええっ!? なんで? なんでやねん!?
「国立なんて行かせてどうするつもり?」
ええっ!? あなただって国立受験させたんでしょ?
泰子(仮名)によると曽我部さんのところもT大附属T小は一次に通ったけど試験でダメだったって言ってたし、私立も何校も受験させたとのことだった。
「実はさ、占いでAもLもG大附属T小に行くって言われたんだ。(→ )それでね・・・」
「ふんっ! バカバカしい。占いってあれでしょ? 泰子さんのところがO女大附属の制服を着てるのが見えるって言われたところのことでしょ? あんなの信じてるの? おかしいよ」
そんなこと言ったって、泰子に「これはO女大付属小の制服だっ!」って断言したのは曽我部さんだったっていう話じゃんっ!
何なに? いったいどうしちゃったの? どうしてそんなに好戦的なの?
「どうして美央さんがお受験なんてさせるのよっ! あなたはそんな人じゃなかったでしょ? 昔、矢崎さん(仮名)の家で話したこと覚えてる?」
ええっ? 何よ、それ!? 覚えてねえ~っ!
曽我部さんが語り出したのはなんと6年以上も前の話であった。
場所は小学校から歩いてすぐのところにある人気のイタリアン。
本日のお薦めパスタを頬張りながら、おしゃべりを始める私たち。
「美央さん、ここ初めて? ここは結構パスタもおいしいし、デザートもいけるよ」
といかにも常連風な曽我部さん。
「あ、うん。そうだね」
なんて言ってると、
「あれ、こんな時間帯に珍しいですね!」と長身でイケメンなお店のスタッフが私に話しかけてきた。
「今日はどうされたんですか?」
「小学校の行事だったんです」
「あ、この近くの。そうですか。また可愛いお子さんたちもいっしょにいらしてくださいね。会員カードもご主人様のお名前でお作りしてありますから。フレンチのほうでもお待ちしています。ではごゆっくり」
そう爽やかに言い残して去って行く彼。
「あの人誰? ここのウェーター?」
と訝しげな曽我部さん。
「この店のオーナーだって」
「なんでオーナーなんて知ってるのよ?」
「夜、たま~にフレンチのほうに行くからだよ」
「ふんっ!」
そう、ここのオーナーは近くでフレンチもやっていて、そこは娘のお気に入りのレストランなのだ。T大附属T小の試験が終わった日にお祝いしたのもそのフレンチだった。しかも娘はここのオーナーのファンで、憧れちゃっているのだ。
引き続きパスタを頬張りながら、うちよりも1年先に入学していることもあり、M小学校のシステムなどをあれこれ教えてくれる曽我部さん。
誰にでも聞くことなので、何気なく「中学はどうするの?」と聞くと、当然中学受験をさせるに違いないと思っていた曽我部さんは、なんと「そのときになってみないとわからない」と言うではないか!
幼稚園受験も小学校受験も散々経験してきた人が、中学受験はさせないっていうことなんてあるんだろうか。
「美央さんのところはどうするのよ?」
なんとなく探るような目つきで私を見る曽我部さん。
「そうだねえ~。まだわからないけど、G大附属O中は国立なのに、インターナショナルスクールみたいなことをしてくれるからいいなあって思ってるんだけどね。小学校でも挑戦したんだけど、残念ながら抽選で落ちちゃったんだ」
と言うや否や、
「美央さん、お受験したのっ?」
と顔色を変えた曽我部さん。
「うん。国立は全部受けたよ。A(←娘)の場合、T大附属T小は一次抽選通ったけど、試験で落ちて、あとは全部抽選で×だったんだぁ~。L(←息子)も一応国立狙いだからW(←お受験塾)に行かせているよ」
「見損なったねっ!」
恐ろしい形相で睨みつけてくる曽我部さん。
ええっ!? なんで? なんでやねん!?
「国立なんて行かせてどうするつもり?」
ええっ!? あなただって国立受験させたんでしょ?
泰子(仮名)によると曽我部さんのところもT大附属T小は一次に通ったけど試験でダメだったって言ってたし、私立も何校も受験させたとのことだった。
「実はさ、占いでAもLもG大附属T小に行くって言われたんだ。(→ )それでね・・・」
「ふんっ! バカバカしい。占いってあれでしょ? 泰子さんのところがO女大附属の制服を着てるのが見えるって言われたところのことでしょ? あんなの信じてるの? おかしいよ」
そんなこと言ったって、泰子に「これはO女大付属小の制服だっ!」って断言したのは曽我部さんだったっていう話じゃんっ!
何なに? いったいどうしちゃったの? どうしてそんなに好戦的なの?
「どうして美央さんがお受験なんてさせるのよっ! あなたはそんな人じゃなかったでしょ? 昔、矢崎さん(仮名)の家で話したこと覚えてる?」
ええっ? 何よ、それ!? 覚えてねえ~っ!
曽我部さんが語り出したのはなんと6年以上も前の話であった。
2011年2月19日土曜日
M小学校学校公開週間
娘が近所の公立M小学校に通い始めて早2ヶ月あまり。
クラスの半数近くが同じ保育園出身のこともあり、結構楽しそうに通学している。
それにつけても学校が近いってありがたい。
M小学校は8時10分から20分が登校時間だけど、何せ8時10分に家を出ても余裕のよっちゃんなのだ。
これが国立小に行っていたら、間違いなく7時半には家を出ないといけないし、G大附属O小に至っては7時半前に家に出ないと間に合わないので、大変だっただろうなあ。しかも送迎しないといけないし。
学童も学校の裏にあるので、通学の安全面ではこれ以上のことはない。
確かに国立受験に失敗して落ち込んだこともあったけど、娘にとってはこれでよかったのかなとやっと思えるようになってきた。
そんな6月のある日、娘の学校公開週間のために朝から学校に行ってきた。
M小学校だけなのか、今日びの学校はそうなのかわからないけど、M小学校は年に何度か学校公開週間があって、丸々1週間1時間目から6時間目まで父兄や近所の人たちのために学校の出入りが自由になる。
前もって1年生から6年生までの時間割が1週間分渡されて、誰がどこの授業を見てもいいことになっている。
M小学校はオープンスペースになっているので、ブラブラといろんなクラスを見るのに適している。
私たちが子どものときは、「父兄参観」と言えば、何月何日の何時間目の授業(←たいてい5時間目!)と決まっていて、見られるのは自分の子どものクラスのみと決まっていたから、公開週間の間、都合がつく時間にいつ行ってもいいし、何を見てもいいというのは画期的だ。
在校生の父兄じゃなくても学校に入れるので、特に学校選択制を採用している我が区のお父さんお母さんは候補に考えている小学校をこういう機会に訪れて様子を見ることができる。
また在校生の父兄でも違う学年を見ることで、学校全体の様子もわかるし、何年か先の子どもの様子も想像できるのでいいシステムだと思う。
小学校も新しく建てられてから5年ぐらいしか経っていないので、中は清潔で明るく冷暖房完備でいい感じ。
教室での娘は優等生然として、「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニーみたいだ(←顔もちょっと似てるしね)。
他には仕事の関係上、違う学年の英語の授業を見たりして過ごしたらあっという間にお昼になった。
また午後から学校に戻ってくるつもりで校門を出たところで、バッタリと出くわしたのが曽我部さん(仮名)だった。
「あらっ、久しぶりじゃないの? 今日、会社じゃないの? だったらランチしようよ」
と声をかけられたので、学校から近くの人気のイタリアンに行くことに。
曽我部さんは近所のママ友で、苗子ちゃん(仮名)という小学校2年生の娘さんがM小学校に通っている。
ちなみに曽我部さんは、子どもたちのピアノの先生でお受験エキスパートの泰子(仮名)たちと同じマンションの住人だ。
彼女は私と同い年の専業主婦。幼稚園受験、小学校受験に相当明け暮れたが(←泰子情報)、残念ながら全滅し、不本意ながらM小学校に通わせているという噂だった。
泰子が銀座の先生に娘の真美ちゃんの幼稚園受験を診てもらったときに書いてもらった制服の絵を見て、
「これってO女大附属O小学校の制服よっ!」
と喝破したのが曽我部さんだった。
そんないきさつもあり、間接的に銀座の先生のことを知っている曽我部さん。お受験経験者だし、いろいろとお話できるかもと期待に胸を膨らませ、ランチに臨んだのであったが・・・。
クラスの半数近くが同じ保育園出身のこともあり、結構楽しそうに通学している。
それにつけても学校が近いってありがたい。
M小学校は8時10分から20分が登校時間だけど、何せ8時10分に家を出ても余裕のよっちゃんなのだ。
これが国立小に行っていたら、間違いなく7時半には家を出ないといけないし、G大附属O小に至っては7時半前に家に出ないと間に合わないので、大変だっただろうなあ。しかも送迎しないといけないし。
学童も学校の裏にあるので、通学の安全面ではこれ以上のことはない。
確かに国立受験に失敗して落ち込んだこともあったけど、娘にとってはこれでよかったのかなとやっと思えるようになってきた。
そんな6月のある日、娘の学校公開週間のために朝から学校に行ってきた。
M小学校だけなのか、今日びの学校はそうなのかわからないけど、M小学校は年に何度か学校公開週間があって、丸々1週間1時間目から6時間目まで父兄や近所の人たちのために学校の出入りが自由になる。
前もって1年生から6年生までの時間割が1週間分渡されて、誰がどこの授業を見てもいいことになっている。
M小学校はオープンスペースになっているので、ブラブラといろんなクラスを見るのに適している。
私たちが子どものときは、「父兄参観」と言えば、何月何日の何時間目の授業(←たいてい5時間目!)と決まっていて、見られるのは自分の子どものクラスのみと決まっていたから、公開週間の間、都合がつく時間にいつ行ってもいいし、何を見てもいいというのは画期的だ。
在校生の父兄じゃなくても学校に入れるので、特に学校選択制を採用している我が区のお父さんお母さんは候補に考えている小学校をこういう機会に訪れて様子を見ることができる。
また在校生の父兄でも違う学年を見ることで、学校全体の様子もわかるし、何年か先の子どもの様子も想像できるのでいいシステムだと思う。
小学校も新しく建てられてから5年ぐらいしか経っていないので、中は清潔で明るく冷暖房完備でいい感じ。
教室での娘は優等生然として、「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニーみたいだ(←顔もちょっと似てるしね)。
他には仕事の関係上、違う学年の英語の授業を見たりして過ごしたらあっという間にお昼になった。
また午後から学校に戻ってくるつもりで校門を出たところで、バッタリと出くわしたのが曽我部さん(仮名)だった。
「あらっ、久しぶりじゃないの? 今日、会社じゃないの? だったらランチしようよ」
と声をかけられたので、学校から近くの人気のイタリアンに行くことに。
曽我部さんは近所のママ友で、苗子ちゃん(仮名)という小学校2年生の娘さんがM小学校に通っている。
ちなみに曽我部さんは、子どもたちのピアノの先生でお受験エキスパートの泰子(仮名)たちと同じマンションの住人だ。
彼女は私と同い年の専業主婦。幼稚園受験、小学校受験に相当明け暮れたが(←泰子情報)、残念ながら全滅し、不本意ながらM小学校に通わせているという噂だった。
泰子が銀座の先生に娘の真美ちゃんの幼稚園受験を診てもらったときに書いてもらった制服の絵を見て、
「これってO女大附属O小学校の制服よっ!」
と喝破したのが曽我部さんだった。
そんないきさつもあり、間接的に銀座の先生のことを知っている曽我部さん。お受験経験者だし、いろいろとお話できるかもと期待に胸を膨らませ、ランチに臨んだのであったが・・・。
2011年2月17日木曜日
W、無事合格
Wの体験レッスンから3日後、息子の入塾を認める書類が届いた。
「クマ歩き」が効いていたのか、なんとか基準には達していたようだ。
中には前期分の請求書が同封されていて、内訳は入会金が無料で、6月から9月までの3か月分の月謝¥26,000×3の¥78,000であった。
入会金が無料なのは娘が昨年T大附属T小の講習を受けていたので、兄弟割引が適用されたらしい。
¥78,000とは痛い出費であるが、SG会では1ヶ月にこれぐらいの金額を取るのだから、まだ良心的だと納得すべきなのか。
このお金が無駄金と化さないよう、息子よ、頑張っておくれ。
さて正式にWの会員となった私たち。翌週訪れると、さっそく息子のネームプレートが取り付けられた引き出しが用意されていた。
こういうのが用意されていると気持ちが引き締まるよね(←肝心な本人が何にも感じちゃいないが・・・)。
さて息子が授業を受けている間、保護者たちは別室にて我らが新田先生(仮名)の講習を受けるのである。
去年は直前講座のため、一次抽選に通って慌ててやってきたような親子(←私たちみたいなやつな)が会員以外でもたくさんいたため、近くの別のビルを借りて広い部屋で講習をやっていたけど、まだ5月だからか、Wの入っているビルのさして広くはないフロアーで講習はおこなわれた。
しかし目に付くのは父親の参加率の高さである! 保護者の半数は父母揃って参加しているし、父親だけが参加しているケースもある。
この頃のお父さんってお母さんだけに子育てや教育を任せっきりにしない人が増えてきてるんだなと、改めて実感。
うちの夫は家事の半分以上やってくれているし、もちろん子育てにも積極的に参加してくれているけど、言葉の壁があるせいか、保護者会の類のものや、送迎以外の習い事に関与するのを避ける傾向がある。
やってくれないこともないんだろうけど、こちらとしてもちゃんと理解しているのか不安になるので、だったら自分でやればいいやと思ってしまう。
つくづく思うのは、私たちが海外に住むハメになれば、逆に「きちんと100%話を理解していないといけない」場には夫にすべてお願いしないとしょうがないんだろうなあ。
まあこういうのはお互い様なのだ。
さて久々の新田先生。相変わらず低音の魅力で保護者たちを惹きつけてやまない。
この日のお話は「お話の記憶」対策と「クマ歩き」対策。
新田先生によるとお気に入りの本を繰り返し子どもの読んであげることで、
①言葉の力を育てる
②心を育てる
③追体験をさせてあげる
④登場人物の気持ちにさせてみる
という効能があるらしく、コツとして感情を込めすぎず子どもの真横にいて淡々と読むのがいいそうだ。
またクマ歩きは手押し車の要領で練習するといいらしく、日ごろの遊びを通してとにかく手足の力をつけることがポイントだとか。
こういうのって親が日ごろから子どもに向き合っていないと、なかなか身につけさせてあげられるものでもない。
常日頃、フルタイムで働いていることを理由に保育園に任せきりになっている我が家。
すまんよ。子どもたち。
新田先生の美声に聞き惚れながら、小さくうなだれる私であった。
「クマ歩き」が効いていたのか、なんとか基準には達していたようだ。
中には前期分の請求書が同封されていて、内訳は入会金が無料で、6月から9月までの3か月分の月謝¥26,000×3の¥78,000であった。
入会金が無料なのは娘が昨年T大附属T小の講習を受けていたので、兄弟割引が適用されたらしい。
¥78,000とは痛い出費であるが、SG会では1ヶ月にこれぐらいの金額を取るのだから、まだ良心的だと納得すべきなのか。
このお金が無駄金と化さないよう、息子よ、頑張っておくれ。
さて正式にWの会員となった私たち。翌週訪れると、さっそく息子のネームプレートが取り付けられた引き出しが用意されていた。
こういうのが用意されていると気持ちが引き締まるよね(←肝心な本人が何にも感じちゃいないが・・・)。
さて息子が授業を受けている間、保護者たちは別室にて我らが新田先生(仮名)の講習を受けるのである。
去年は直前講座のため、一次抽選に通って慌ててやってきたような親子(←私たちみたいなやつな)が会員以外でもたくさんいたため、近くの別のビルを借りて広い部屋で講習をやっていたけど、まだ5月だからか、Wの入っているビルのさして広くはないフロアーで講習はおこなわれた。
しかし目に付くのは父親の参加率の高さである! 保護者の半数は父母揃って参加しているし、父親だけが参加しているケースもある。
この頃のお父さんってお母さんだけに子育てや教育を任せっきりにしない人が増えてきてるんだなと、改めて実感。
うちの夫は家事の半分以上やってくれているし、もちろん子育てにも積極的に参加してくれているけど、言葉の壁があるせいか、保護者会の類のものや、送迎以外の習い事に関与するのを避ける傾向がある。
やってくれないこともないんだろうけど、こちらとしてもちゃんと理解しているのか不安になるので、だったら自分でやればいいやと思ってしまう。
つくづく思うのは、私たちが海外に住むハメになれば、逆に「きちんと100%話を理解していないといけない」場には夫にすべてお願いしないとしょうがないんだろうなあ。
まあこういうのはお互い様なのだ。
さて久々の新田先生。相変わらず低音の魅力で保護者たちを惹きつけてやまない。
この日のお話は「お話の記憶」対策と「クマ歩き」対策。
新田先生によるとお気に入りの本を繰り返し子どもの読んであげることで、
①言葉の力を育てる
②心を育てる
③追体験をさせてあげる
④登場人物の気持ちにさせてみる
という効能があるらしく、コツとして感情を込めすぎず子どもの真横にいて淡々と読むのがいいそうだ。
またクマ歩きは手押し車の要領で練習するといいらしく、日ごろの遊びを通してとにかく手足の力をつけることがポイントだとか。
こういうのって親が日ごろから子どもに向き合っていないと、なかなか身につけさせてあげられるものでもない。
常日頃、フルタイムで働いていることを理由に保育園に任せきりになっている我が家。
すまんよ。子どもたち。
新田先生の美声に聞き惚れながら、小さくうなだれる私であった。
2011年2月16日水曜日
銀座の先生のお引越し
子どもたちが通っているバレエ教室でいっしょのママ友・里美さん(仮名)から驚きのメールが届いた。
里美さんによると、なんと銀座の先生が引っ越したのだと言う。引っ越し先は麻布で、里美さんは丁寧に新しい電話番号まで教えてくれた。
知らないうちに「銀座の先生」は「麻布の先生」になったのだ。
う~ん。なんだかちょっとヘンな感じ。
それ以前から私の元には「銀座の先生が病気になった!」という情報が、続々と寄せられていた。
数ある情報を分析すると、どうやら春先あたりから先生は体調を崩し、4月以降に予約を入れていた人たちは軒並み予約の取り消しをお願いされているのだ。
先生の身にいったい何が!?
しかし思うに、先生を訪れる人たちは大なり小なり悩みを抱えている人たちだ。私みたいに大した悩みもない人(←それでも1回目はすっごく悩んでたけど)も中にはいるだろうけど、2万円も払って見てもらおうなんて人たちの中には変な“気”を発している人もいるだろうし、背後にいろんな“悪いもの”を引き連れてやってくる人もいるだろう。
先生が1日何人ぐらい見るのかわからないけど、毎日不特定多数のマイナス・オーラを持つ人々(←勝手に断定)と接していれば、そりゃあ病気にでもなるっちゅうねんっ。
肝心な先生が鑑定できないなら、事務所として使われていたあの銀座の高級マンションはどうなるんだろうと思っていたところに、この移転話だ。
鑑定を再開したということは、先生の体調は戻ったのだろうか?
しかも場所も事務所の名前も変えてということは、先生自身心気一新してリセットしたということなのだろうか。
うーん、謎。
あれだけハズされて二度と行くまいと思っていても、やはり先生の動向がどうにも気になるのであった。
里美さんによると、なんと銀座の先生が引っ越したのだと言う。引っ越し先は麻布で、里美さんは丁寧に新しい電話番号まで教えてくれた。
知らないうちに「銀座の先生」は「麻布の先生」になったのだ。
う~ん。なんだかちょっとヘンな感じ。
それ以前から私の元には「銀座の先生が病気になった!」という情報が、続々と寄せられていた。
数ある情報を分析すると、どうやら春先あたりから先生は体調を崩し、4月以降に予約を入れていた人たちは軒並み予約の取り消しをお願いされているのだ。
先生の身にいったい何が!?
しかし思うに、先生を訪れる人たちは大なり小なり悩みを抱えている人たちだ。私みたいに大した悩みもない人(←それでも1回目はすっごく悩んでたけど)も中にはいるだろうけど、2万円も払って見てもらおうなんて人たちの中には変な“気”を発している人もいるだろうし、背後にいろんな“悪いもの”を引き連れてやってくる人もいるだろう。
先生が1日何人ぐらい見るのかわからないけど、毎日不特定多数のマイナス・オーラを持つ人々(←勝手に断定)と接していれば、そりゃあ病気にでもなるっちゅうねんっ。
肝心な先生が鑑定できないなら、事務所として使われていたあの銀座の高級マンションはどうなるんだろうと思っていたところに、この移転話だ。
鑑定を再開したということは、先生の体調は戻ったのだろうか?
しかも場所も事務所の名前も変えてということは、先生自身心気一新してリセットしたということなのだろうか。
うーん、謎。
あれだけハズされて二度と行くまいと思っていても、やはり先生の動向がどうにも気になるのであった。
2011年2月1日火曜日
Wの体験レッスン
体験の日は親が見学できるということだったので1時間半の授業をつぶさに観察することにした。
ひとつのフロアーがパーテーションで3つに区切られ、息子は一番手前のグループに入れられた。10人ずつぐらいの子どもに先生がひとりつく。
同時に同じ内容で授業を進めているようだ。
この時間帯は合計30人ぐらいの子どもがいる計算になるのだが、男児率の高いことこのうえなし。
近所のS会は女児のほうが多いらしいけど、ここは圧倒的に男児ばかりだ。
ちなみに小学校受験世界では女児の受験率が男児を上回るらしい。女の子の親が小学校のうちに受験をしてあとはのんびりさせてあげたいと思うのに対して、男の子の親は「男なら中学受験で揉まれろ」と考える傾向が強いからだそうだ。
また小学校から女子校というのは結構な数があるのだけど、小学校から男子校というのはみっちゃん(仮名)いわく、全国で2校しかないらしい。
その2校とは1校が暁星小学校、もうひとつが立教小学校だ。
両校ともうちから近いのでなんとなく身近に感じていたのだが(←もちろん一方的になっ!)、完全なる先入観を持ってして、もっと男子校はたくさんあるものだと思ってた。
受験の男女差はたぶん学校数自体の差でもあるのだろう。
それなのにWの男児率の高さはT大附属T小の合格実績によるものだと思う。T大附属T小は体育会系のスパルタで有名だから、女の子よりもやっぱり男の子の親に人気があるのだ(←そうはいっても女の子の受験者数もすさましい数だけど)。
さて授業の始まりは図形問題から。すっかりおなじみの「回転図形」だの「鏡図形」だの「分割図形」である。
5月のクラスなのでまだまだ易しい内容になっている。1月ぐらいからボチボチ息子もやっているだけあって、ちゃんと解いている様子。
よしその調子でがんばれ~。
次は「お話の記憶」だの、「クマ歩き」だのおなじみのコースである。
見ていると「国立コース」イコール「T大付属T小対策」と言っても過言ではない。
事前に渡された書類に志望校を書く欄があり、第二志望までしか書く欄がなかったので、軽く迷った挙句、第一志望を「T大附属T小」、第二志望を銀座の先生から兄弟揃って行くとそもそも言われていた「G大附属T小」と書く。
「クマ歩き」のときに登場したのはタケ先生(仮名)という若い男の先生。この先生は娘の講習のときにも指導してくれた先生だ。
この先生、なんと体操でおなじみの「弘道お兄さん」に似ている。なので今後、「弘道」と呼ぶことにしよう(←ヒネリなし!)。
「クマ歩き」は3クラス合同で行われ、まずは気合の入ったあいさつから。
息子は当然のようにモジモジくねくねと腑抜けたこと、このうえなし。
その様子を3人の先生たちがひとりひとりの子どもたちを目視で評価し、評価表にさらさらと書き込んでいる。
あ~あ、うちの子、評価低いんだろうなあ~。
しかしである。
横一列でいっせいにクマ歩きを始めると、うちの息子の異様にスピーディーなこと!
息子のあまりの速さに他の子どもたちは呆気にとられている。
誰に似たのか、なぜか息子は運動神経が良く、足も速い。
先生方も「おお~、Lくん、すごいねえ!」と関心している。
なんどか「クマ歩き」をやるのだけど、常に息子の圧勝である。「クマ歩き」だけだったら、息子は確実にT大附属T小に受かるだろうなあ~。
「クマ歩き」が終わると、「弘道」が「じゃあ、今日一番頑張った人はLくんです。みんな拍手!」と息子をみんなの前に立たせ、褒めてくれる。
息子はちょっぴり困ったようなそれでいて誇らしいような照れ笑いを浮かべていた。
授業が一通り終わると、ひとりひとりに評価表が渡される。評価はAからGまでで、当然Aは「大変良い」である。
評価項目は多岐に渡っていて、「クマ歩きがきちんとできる」以外はB、C、D、Eと芳しくない評価もたくさんついている。
そういえば講習のとき、娘は最初から「ちぎり」以外は全部Aで、「ちぎり」も猛特訓したのち何回目かで「A」を取った。
あのときは誰だって評価は良くつけられると思っていたけど、実際息子の評価がいまひとつだったりすると、そうでもなかったんだなと思う。
これから息子もAをたくさん取れる日が来るのかしら?
そして帰り際、受付にはカリスマ講師・新田先生(仮名)がいて、にこやかに微笑みかけてきた。
半年振りの新田先生は当たり前だけどまったく変わっていなかった。相変わらず低音の魅力(ゥフランク永井)で惚れ惚れする美声だ。
しかし見た目はまったく冴えないおっさんなのが、またいい味を醸し出している。
「今日はいかがでしたか? それでは今日の入学考査の結果が出ましたら、またご連絡しますから」
とのこと。
え? 何、入学考査って? 聞いてないよ。そんなの。こういう塾って希望すれば全員入れるんじゃないの? だって商売でしょ?
「我が校ではやはり実績が大切ですので、やはり可能性の低いお子さまに関してはお申し込みを見合わせていただくことがあります。合格に至らなかったお子さまには、再度体験レッスンをお申し込みいただき、基準点にいたるまで考査を受けていただくか、また個別指導のコースをご用意していますので、そこで基準点になったら通常コースに移行という選択もできます」
うーん。そこはやっぱり商売か。今日の様子じゃ、基準点にいたってない可能性もあるよなあ~。「クマ歩き」を除いて。
塾通いにもハードルがあったのだ。
ひとつのフロアーがパーテーションで3つに区切られ、息子は一番手前のグループに入れられた。10人ずつぐらいの子どもに先生がひとりつく。
同時に同じ内容で授業を進めているようだ。
この時間帯は合計30人ぐらいの子どもがいる計算になるのだが、男児率の高いことこのうえなし。
近所のS会は女児のほうが多いらしいけど、ここは圧倒的に男児ばかりだ。
ちなみに小学校受験世界では女児の受験率が男児を上回るらしい。女の子の親が小学校のうちに受験をしてあとはのんびりさせてあげたいと思うのに対して、男の子の親は「男なら中学受験で揉まれろ」と考える傾向が強いからだそうだ。
また小学校から女子校というのは結構な数があるのだけど、小学校から男子校というのはみっちゃん(仮名)いわく、全国で2校しかないらしい。
その2校とは1校が暁星小学校、もうひとつが立教小学校だ。
両校ともうちから近いのでなんとなく身近に感じていたのだが(←もちろん一方的になっ!)、完全なる先入観を持ってして、もっと男子校はたくさんあるものだと思ってた。
受験の男女差はたぶん学校数自体の差でもあるのだろう。
それなのにWの男児率の高さはT大附属T小の合格実績によるものだと思う。T大附属T小は体育会系のスパルタで有名だから、女の子よりもやっぱり男の子の親に人気があるのだ(←そうはいっても女の子の受験者数もすさましい数だけど)。
さて授業の始まりは図形問題から。すっかりおなじみの「回転図形」だの「鏡図形」だの「分割図形」である。
5月のクラスなのでまだまだ易しい内容になっている。1月ぐらいからボチボチ息子もやっているだけあって、ちゃんと解いている様子。
よしその調子でがんばれ~。
次は「お話の記憶」だの、「クマ歩き」だのおなじみのコースである。
見ていると「国立コース」イコール「T大付属T小対策」と言っても過言ではない。
事前に渡された書類に志望校を書く欄があり、第二志望までしか書く欄がなかったので、軽く迷った挙句、第一志望を「T大附属T小」、第二志望を銀座の先生から兄弟揃って行くとそもそも言われていた「G大附属T小」と書く。
「クマ歩き」のときに登場したのはタケ先生(仮名)という若い男の先生。この先生は娘の講習のときにも指導してくれた先生だ。
この先生、なんと体操でおなじみの「弘道お兄さん」に似ている。なので今後、「弘道」と呼ぶことにしよう(←ヒネリなし!)。
「クマ歩き」は3クラス合同で行われ、まずは気合の入ったあいさつから。
息子は当然のようにモジモジくねくねと腑抜けたこと、このうえなし。
その様子を3人の先生たちがひとりひとりの子どもたちを目視で評価し、評価表にさらさらと書き込んでいる。
あ~あ、うちの子、評価低いんだろうなあ~。
しかしである。
横一列でいっせいにクマ歩きを始めると、うちの息子の異様にスピーディーなこと!
息子のあまりの速さに他の子どもたちは呆気にとられている。
誰に似たのか、なぜか息子は運動神経が良く、足も速い。
先生方も「おお~、Lくん、すごいねえ!」と関心している。
なんどか「クマ歩き」をやるのだけど、常に息子の圧勝である。「クマ歩き」だけだったら、息子は確実にT大附属T小に受かるだろうなあ~。
「クマ歩き」が終わると、「弘道」が「じゃあ、今日一番頑張った人はLくんです。みんな拍手!」と息子をみんなの前に立たせ、褒めてくれる。
息子はちょっぴり困ったようなそれでいて誇らしいような照れ笑いを浮かべていた。
授業が一通り終わると、ひとりひとりに評価表が渡される。評価はAからGまでで、当然Aは「大変良い」である。
評価項目は多岐に渡っていて、「クマ歩きがきちんとできる」以外はB、C、D、Eと芳しくない評価もたくさんついている。
そういえば講習のとき、娘は最初から「ちぎり」以外は全部Aで、「ちぎり」も猛特訓したのち何回目かで「A」を取った。
あのときは誰だって評価は良くつけられると思っていたけど、実際息子の評価がいまひとつだったりすると、そうでもなかったんだなと思う。
これから息子もAをたくさん取れる日が来るのかしら?
そして帰り際、受付にはカリスマ講師・新田先生(仮名)がいて、にこやかに微笑みかけてきた。
半年振りの新田先生は当たり前だけどまったく変わっていなかった。相変わらず低音の魅力(ゥフランク永井)で惚れ惚れする美声だ。
しかし見た目はまったく冴えないおっさんなのが、またいい味を醸し出している。
「今日はいかがでしたか? それでは今日の入学考査の結果が出ましたら、またご連絡しますから」
とのこと。
え? 何、入学考査って? 聞いてないよ。そんなの。こういう塾って希望すれば全員入れるんじゃないの? だって商売でしょ?
「我が校ではやはり実績が大切ですので、やはり可能性の低いお子さまに関してはお申し込みを見合わせていただくことがあります。合格に至らなかったお子さまには、再度体験レッスンをお申し込みいただき、基準点にいたるまで考査を受けていただくか、また個別指導のコースをご用意していますので、そこで基準点になったら通常コースに移行という選択もできます」
うーん。そこはやっぱり商売か。今日の様子じゃ、基準点にいたってない可能性もあるよなあ~。「クマ歩き」を除いて。
塾通いにもハードルがあったのだ。
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