HANAちゃんがうちにやってきた。約束していたブログを開設してもらうためだ。
「ブログの内容、決まりました?」
「うん。あれからいろいろと考えたんやけど、いっそのこと、銀座の先生のこと書こうかなって思って」
「というと?」
「先生に言われたことが本当に実現するかどうかに絞って日々のあれこれを書いてみようかなと思うんやけど、どう思う?」
「ええと思いますよ。ほんまにそうなるかどうかってワクワクするし、前に私が言ってた“作家への道”もそこに含まれるわけですよね?」
「そうそう」
「内容はおもろいと思うから、あとはどこでブログを開設するかですよね」
「HANAちゃんはどこがオススメ?」
「そうやなあ~、芸能人なんかはよくアメーバーブログ略してアメブロでやってますけどね。ちょっと覗いてみますか」
HANAちゃんがPCのキーボードに「アメブロ」と入力する。
いろいろと覗いてみると確かに芸能人のブログが多かった。
「いらんかったらすぐに消せますから、とりあえずここにブログを開設してみますか」
HANAちゃんがブログの雛形を作ってくれるが、どうもアメブロはバナー広告がチカチカと入ってきていて、画面がうるさい。
あとどうやら直接入力しかできないらしく、いったんワードで作成してから貼り付くという方法は取れなさそうだったので、アメブロは私のブログには向いていなさそうだった。
更新するたびにHANAちゃんに来てもらうわけにもいかないので、自分でも簡単にできて、ワードで作った文章を貼り付けられそうなところがベストだ。
ひとつそんなブログが思い当たらないわけでもなかった。
前の会社の先輩が始めたブログがあって、それは文字だけのシンプルなブログで、私は毎日チェックしていた。
ああいう感じ(内容はまったく違うが)でできればいいのかなと思っていたのが、Googleのブログだったのだ。
さっそくGoogleのブログを検索してみると、HANAちゃんがさくさくと形を整えてくれて、やってみるとワードからの文章もコピペできるではないか!
「HANAちゃん、ここがいいわ。ここでしばらくブログ続けてみるわ」
「私、毎日チェックしますから、ちゃんと書いてくださいね。タイトルとかどうしますか?」
「そうやなあ。“明るい未来へゴー!”は?」
「ええんちゃいますか」
「ほな、そうするわ。英語ではなんていうんかいな。ええっとこんな感じ?」
「オー、ノー! こんな英語はありません。ちゃんとネイティブ・チェックしてください!」
そこへすかさずチェックを入れる夫。英文を見るとチェックせずにはいられない歩く校正者の面目躍如である。
こうしてこのブログがスタートしたのである。
2009年9月30日水曜日
泰子(仮名)の告白
「実はさあ、私もあさって先生のところに予約入れてるんだよね」
私が安い子ども時代の思い出に浸っていると、そう突然切り出す泰子。
互いの家が3軒先の建物という、歩いて数十秒の場所であるのにもかかわらず、ついつい長電話しがちな私たち。
「マジで? だって泰子ちゃん、めでたく離婚も成立(前回行ったのはその話がメイン)したし、娘はめでたくO女に入ったし、他に何聞くことがあるの?」
「ねえ、あの銀座の先生って本当に当たるのかな?」
「ええ? 泰子ちゃん、すごく当たってるすごーい!って前言ってたじゃん。それにO女の制服も当たってたし。あと泰子ちゃんも私に劣らず相当友だち紹介しまくってるでしょ」
そうなのだ。音大出身の泰子は裕福な友だちが多いのと、みんなロクな結婚生活を送っていないので、すぐに銀座の先生の話に食いついてくるらしい。
それに加えて、前に娘を通わせていた私立の幼稚園時代のママ友はみんなお受験に熱心らしく、受験結果を占ってもらうために銀座の先生を紹介してもらいたがるのだとか。
占いといえばずっと恋愛だとか、結婚だとかを診てもらうものだとばかり思っていたけど、受験に強い占い師というのもなんだかいまどきな感じだ。
まあ先生のほうはそんなつもりもないんだろうけど。
「真美ちゃん(仮名)がね、チックになったっていうか、顔面がピクピクしていて変なんだよね」
おい! だったら占いじゃなくて、まず行くべきところは病院だろうかぁ~!
泰子の別れたダンナであるテツ(仮名)瓜二つの真美ちゃんの顔を思い浮かべる。ついこの間会ったばかりだけど、何も異変は感じなかった。
「普通の人はわからないぐらいほんのちょっとなんだよ。だって幼稚園の先生も気づかなかったからね。一応病院にも行ってるけど、原因はわからないから様子見するしかないってお医者さんは言うんだよね」
「だったら様子見するしかないよね?」
「それじゃあだめだよ。私もう心配でおかしくなりそうなんだから」
泰子は不思議な人で普通の人が気にすべきところにはほとんど無頓着で、別れたテツに「お前、マジで殺す」と脅されても顔色ひとつ変えずにデンと構えていたり、お父さんが末期がんに罹ってあわやというときにも、「だいじょうぶだいじょうぶ」と余裕で構えてたり(←本当に泰子のお父さんは奇跡の復帰を遂げた!)するわりには、こと真美ちゃんに関してはめちゃくちゃ神経質なのだ。
だから真美ちゃんにとって良かれとあれこれ習い事をさせたり、お金もめいいっぱいかけて気を遣っているのだろう。
「それにしても銀座の先生、予約取るのに2ヶ月ぐらい待たされたでしょ」
「ええ~!、こっちは緊急なんだからそんなに待てるわけないじゃん。急を要することなので早急にお願いしますって言い切ったら、昼の早い時間だったらじゃあいいですよって10日で取れたよ」
「なんだ、そりゃあ~。ゴネたもん勝ちかあ~?」
「それにうち、今年引っ越したいんだよね」
「なぬ? それは初耳!」
泰子の実家は橋を渡ればもう東京という限りなく東京に近い埼玉にある。なので埼玉といっても東京のマンションまで車で20分ほどの距離で、実家でもピアノのレッスンを行っている泰子は日々実家とマンションの行き来をしている。
東京のマンションも賃貸ではないし、学校にも便利なところだ。引越しする理由が見つからない。
「真美ちゃんがね、おじいちゃんおばあちゃんと暮らしたいって言っていて、O女は23区からしか小学校は通えないから、うちの実家だとNGなんだよね。けど中学は埼玉からでもOKになるから、小学校の6年間だけ限りなく埼玉に近い東京に住もうかと思って、そのための家を探しているんだけど、今年は引っ越していい年かどうかも聞くつもりなんだ」
「じゃあ東京のマンションと埼玉の実家はどうするの?」
「マンションは貸せばいいし、埼玉の実家はレッスンで使うからそのままだよ」
「じゃあ6年間のためだけに家を借りるの?」
「家なんて借りないよ。土地を買って家を建てるんだよ」
「なぬ~?」
お金持ちっているもんなんだなあ~。
娘がおじいちゃんおばあちゃんと住みたいって言ったからって、車で20分ほどの距離にお互い住んでいながらも、新たに家をポン!っと建ててしまうなんて、絶対に庶民には考えられないことだ。
「で、6年経ったらその家どうするの?」
「ええ~? そんなの誰かに貸せばいいじゃん。なんだったら美央さん、借りてくれる?」
「あ、いえ、結構です」
とりあえず占い結果を後日聞くということで長い長い電話を切ったのであった。
私が安い子ども時代の思い出に浸っていると、そう突然切り出す泰子。
互いの家が3軒先の建物という、歩いて数十秒の場所であるのにもかかわらず、ついつい長電話しがちな私たち。
「マジで? だって泰子ちゃん、めでたく離婚も成立(前回行ったのはその話がメイン)したし、娘はめでたくO女に入ったし、他に何聞くことがあるの?」
「ねえ、あの銀座の先生って本当に当たるのかな?」
「ええ? 泰子ちゃん、すごく当たってるすごーい!って前言ってたじゃん。それにO女の制服も当たってたし。あと泰子ちゃんも私に劣らず相当友だち紹介しまくってるでしょ」
そうなのだ。音大出身の泰子は裕福な友だちが多いのと、みんなロクな結婚生活を送っていないので、すぐに銀座の先生の話に食いついてくるらしい。
それに加えて、前に娘を通わせていた私立の幼稚園時代のママ友はみんなお受験に熱心らしく、受験結果を占ってもらうために銀座の先生を紹介してもらいたがるのだとか。
占いといえばずっと恋愛だとか、結婚だとかを診てもらうものだとばかり思っていたけど、受験に強い占い師というのもなんだかいまどきな感じだ。
まあ先生のほうはそんなつもりもないんだろうけど。
「真美ちゃん(仮名)がね、チックになったっていうか、顔面がピクピクしていて変なんだよね」
おい! だったら占いじゃなくて、まず行くべきところは病院だろうかぁ~!
泰子の別れたダンナであるテツ(仮名)瓜二つの真美ちゃんの顔を思い浮かべる。ついこの間会ったばかりだけど、何も異変は感じなかった。
「普通の人はわからないぐらいほんのちょっとなんだよ。だって幼稚園の先生も気づかなかったからね。一応病院にも行ってるけど、原因はわからないから様子見するしかないってお医者さんは言うんだよね」
「だったら様子見するしかないよね?」
「それじゃあだめだよ。私もう心配でおかしくなりそうなんだから」
泰子は不思議な人で普通の人が気にすべきところにはほとんど無頓着で、別れたテツに「お前、マジで殺す」と脅されても顔色ひとつ変えずにデンと構えていたり、お父さんが末期がんに罹ってあわやというときにも、「だいじょうぶだいじょうぶ」と余裕で構えてたり(←本当に泰子のお父さんは奇跡の復帰を遂げた!)するわりには、こと真美ちゃんに関してはめちゃくちゃ神経質なのだ。
だから真美ちゃんにとって良かれとあれこれ習い事をさせたり、お金もめいいっぱいかけて気を遣っているのだろう。
「それにしても銀座の先生、予約取るのに2ヶ月ぐらい待たされたでしょ」
「ええ~!、こっちは緊急なんだからそんなに待てるわけないじゃん。急を要することなので早急にお願いしますって言い切ったら、昼の早い時間だったらじゃあいいですよって10日で取れたよ」
「なんだ、そりゃあ~。ゴネたもん勝ちかあ~?」
「それにうち、今年引っ越したいんだよね」
「なぬ? それは初耳!」
泰子の実家は橋を渡ればもう東京という限りなく東京に近い埼玉にある。なので埼玉といっても東京のマンションまで車で20分ほどの距離で、実家でもピアノのレッスンを行っている泰子は日々実家とマンションの行き来をしている。
東京のマンションも賃貸ではないし、学校にも便利なところだ。引越しする理由が見つからない。
「真美ちゃんがね、おじいちゃんおばあちゃんと暮らしたいって言っていて、O女は23区からしか小学校は通えないから、うちの実家だとNGなんだよね。けど中学は埼玉からでもOKになるから、小学校の6年間だけ限りなく埼玉に近い東京に住もうかと思って、そのための家を探しているんだけど、今年は引っ越していい年かどうかも聞くつもりなんだ」
「じゃあ東京のマンションと埼玉の実家はどうするの?」
「マンションは貸せばいいし、埼玉の実家はレッスンで使うからそのままだよ」
「じゃあ6年間のためだけに家を借りるの?」
「家なんて借りないよ。土地を買って家を建てるんだよ」
「なぬ~?」
お金持ちっているもんなんだなあ~。
娘がおじいちゃんおばあちゃんと住みたいって言ったからって、車で20分ほどの距離にお互い住んでいながらも、新たに家をポン!っと建ててしまうなんて、絶対に庶民には考えられないことだ。
「で、6年経ったらその家どうするの?」
「ええ~? そんなの誰かに貸せばいいじゃん。なんだったら美央さん、借りてくれる?」
「あ、いえ、結構です」
とりあえず占い結果を後日聞くということで長い長い電話を切ったのであった。
2009年9月14日月曜日
泰子(仮名)のレクチャー③
泰子のレクチャーは続く。
「で、銀座の先生は国立、全部受けろって言ってるんだよね?」
「そうそう」
「日程はね、T小が一番早くて、T大附属T小が一番遅いんだよね」
「へえ~(感心のへえ~)」
「T小だけじゃなくて、全部受けるのなら、場慣れの意味もあるんだけど、T小が一番早いでしょ。しかもT大附属やO女は言っておくけど絶対に記念じゃ受かんないからね。T小は確かにありえるよ。行動観察だけだもん。けどね、生半可な勉強じゃあ、他の国立は無理だからね」
さすが気合が違うなあ~。
ここまで来ると、もしかしたら私って冷たいんじゃないかと思ってしまう。
だってそこまで子どものことに一生懸命なれないもん。
第一、娘の年だった頃の私ときたら、相当ボンヤリした子どもだったので、その頃の記憶がほとんどない。
なんとなく覚えていることといったら、テレビでは「ひみつのアッコちゃん」が好きだったこと。おばあちゃんちへよく泊まりにいったこと。おばあちゃんちに行ったら当時まだ大学生だったオカンの末弟のまっちゃんから「ブス」とよくからかわれていたこと。反撃すると「黙れブス!」と投げ飛ばされていたこと(涙)。それをおばあちゃんに「まっちゃんがブスって言うよ!」と言いつけると、「だいじょうぶ。あんたのお母さんの子どものころは本当に不細工やったから」とおばあちゃんは私を慈しむように抱きしめ、子ども心にどう解釈していいものか大いに戸惑ったこと。まっちゃんがおばあちゃんによく「オフクロ! 金くれよ」とお小遣いをせびっていて、そそくさとお小遣いをあげているおばあちゃんを見て、おばあちゃん甘いよ、大甘だよ!と義憤にかられて、おじいちゃんにチクリに行ったらおじいちゃんから、「お絵かきの紙は机にきちんと垂直になるように置きなさい」とかなりどうでもいいことで叱られたこと。そうだ、まだまっちゃんからお年玉をもたっていなかったと思い出して、「お年玉ちょうだいよ。大人なんだから」と催促すると、「お前にやる金はビタ一文なし!」とものすごい勢いで却下され、それ以降まっちゃんからお年玉をもらう正月は未だに訪れていないこと。
あとはイケイケだった父が私の幼稚園の担任の田中洋子先生(仮名)にフォーリン・ラブしてしまい、「おい、うちのお父さんが先生とデートしたいって言ってるって伝えてこいや」と無茶なことを6歳児に頼み、私も能天気にみんなの前で「先生! うちのお父さんが先生とデートしたいんやって! デートしたって」と言ったものだから、顔を真っ赤にした先生が「そんなこと困ります! 無理です!ってお父さんに伝えてちょうだい!」と激怒し、それをまたそのまま帰って伝えたら、「おんどりゃあ~、先生が根負けするまで何度でも言うんじゃ。簡単にあきらめるな。先生がうんって言うまで帰ってこんでよし!」と虐待すれすれのことを言っていたこと。
オヤジも鬼畜だったが、そういう本人も片っ端からいやがる男の子たちにキスしてまわり、「あいつ、キモい。キス魔」だと陰口を叩かれ、それでも断固として私のキスを拒む男の子には泥水を「さあさあ。これはおいしいコーヒー牛乳だからお飲み」と迫り、色白でぽっちゃりしていた山下くん(本名)に「飲むんだよ。この白ブタが!」と罵り飲ませかけたところで、田中先生に見つかりこってり怒られたこと。
発表会の「浦島太郎」ではこんぶの役(←ゆらゆら揺れてるだけ)だったこと。
家のトイレがまだ汲み取り式で臭かったこと。
そんなこんなの残念だとしかいいようのない思い出が走馬灯のように蘇ってくる。
ああ~、安い子ども時代だ。
それに比べればうちの娘は遥かに立派だ。
「青は藍より出でて藍より青し」とはまさにこのことか(←いや違う)。
「で、銀座の先生は国立、全部受けろって言ってるんだよね?」
「そうそう」
「日程はね、T小が一番早くて、T大附属T小が一番遅いんだよね」
「へえ~(感心のへえ~)」
「T小だけじゃなくて、全部受けるのなら、場慣れの意味もあるんだけど、T小が一番早いでしょ。しかもT大附属やO女は言っておくけど絶対に記念じゃ受かんないからね。T小は確かにありえるよ。行動観察だけだもん。けどね、生半可な勉強じゃあ、他の国立は無理だからね」
さすが気合が違うなあ~。
ここまで来ると、もしかしたら私って冷たいんじゃないかと思ってしまう。
だってそこまで子どものことに一生懸命なれないもん。
第一、娘の年だった頃の私ときたら、相当ボンヤリした子どもだったので、その頃の記憶がほとんどない。
なんとなく覚えていることといったら、テレビでは「ひみつのアッコちゃん」が好きだったこと。おばあちゃんちへよく泊まりにいったこと。おばあちゃんちに行ったら当時まだ大学生だったオカンの末弟のまっちゃんから「ブス」とよくからかわれていたこと。反撃すると「黙れブス!」と投げ飛ばされていたこと(涙)。それをおばあちゃんに「まっちゃんがブスって言うよ!」と言いつけると、「だいじょうぶ。あんたのお母さんの子どものころは本当に不細工やったから」とおばあちゃんは私を慈しむように抱きしめ、子ども心にどう解釈していいものか大いに戸惑ったこと。まっちゃんがおばあちゃんによく「オフクロ! 金くれよ」とお小遣いをせびっていて、そそくさとお小遣いをあげているおばあちゃんを見て、おばあちゃん甘いよ、大甘だよ!と義憤にかられて、おじいちゃんにチクリに行ったらおじいちゃんから、「お絵かきの紙は机にきちんと垂直になるように置きなさい」とかなりどうでもいいことで叱られたこと。そうだ、まだまっちゃんからお年玉をもたっていなかったと思い出して、「お年玉ちょうだいよ。大人なんだから」と催促すると、「お前にやる金はビタ一文なし!」とものすごい勢いで却下され、それ以降まっちゃんからお年玉をもらう正月は未だに訪れていないこと。
あとはイケイケだった父が私の幼稚園の担任の田中洋子先生(仮名)にフォーリン・ラブしてしまい、「おい、うちのお父さんが先生とデートしたいって言ってるって伝えてこいや」と無茶なことを6歳児に頼み、私も能天気にみんなの前で「先生! うちのお父さんが先生とデートしたいんやって! デートしたって」と言ったものだから、顔を真っ赤にした先生が「そんなこと困ります! 無理です!ってお父さんに伝えてちょうだい!」と激怒し、それをまたそのまま帰って伝えたら、「おんどりゃあ~、先生が根負けするまで何度でも言うんじゃ。簡単にあきらめるな。先生がうんって言うまで帰ってこんでよし!」と虐待すれすれのことを言っていたこと。
オヤジも鬼畜だったが、そういう本人も片っ端からいやがる男の子たちにキスしてまわり、「あいつ、キモい。キス魔」だと陰口を叩かれ、それでも断固として私のキスを拒む男の子には泥水を「さあさあ。これはおいしいコーヒー牛乳だからお飲み」と迫り、色白でぽっちゃりしていた山下くん(本名)に「飲むんだよ。この白ブタが!」と罵り飲ませかけたところで、田中先生に見つかりこってり怒られたこと。
発表会の「浦島太郎」ではこんぶの役(←ゆらゆら揺れてるだけ)だったこと。
家のトイレがまだ汲み取り式で臭かったこと。
そんなこんなの残念だとしかいいようのない思い出が走馬灯のように蘇ってくる。
ああ~、安い子ども時代だ。
それに比べればうちの娘は遥かに立派だ。
「青は藍より出でて藍より青し」とはまさにこのことか(←いや違う)。
2009年9月12日土曜日
泰子(仮名)のレクチャー②
「模擬って何よ?」
「本番前に模擬受けておいて、場慣れさせるんだってば」
すごいよなあ~。そんな子ども向けの模擬まであるなんて。私はなんて世間知らずだったんでしょう~。
ところがすっとこどい。小学校受験業界はそんな甘いものではなかった。
もうあれもいかが、これもいかが、と受験に翻弄される親から毟り取れるだけ毟り取ってやれということか、まるで蜘蛛の巣を張り巡らせたかの如き、仕掛けがいたるところに仕組まれているのだと、その後も思い知らされ続けることになるのだ。
無知な私を教育する喜びを覚えてしまったのか、泰子は惜しみなく、私に情報の雨あられを降らせてくる。
「あとね、夏季合宿もあるんだからね」
「合宿って何するの?」
「そんなの勉強に決まってるじゃん。これはだいたい20万ぐらい取るところが多いよね」
「そんなのにお金払う親なんているの?」
「(私の質問には無視)あと基本的なところで、月々の塾代ね。国立に限らずこのへんだったら、SG会、S会、R会、N学が大手で、だいたい週1回で7万ぐらいね。プラスいろいろオプションをつけて10万ぐらいはみておいたほうがいいね。あとは個人の塾とか小さいところで、個人だったら、ある程度有名な大学を出ているお母さんが自分の子どもの受験を成功させてそのノウハウを教えるっていうところもあるし、ペーパー専門だったり、あと受験用の体操教室もあるよ」
もうこの時点でアップアップな私。学校に入ってからがお金がかかるというのに、入る前にそんなにかけていったいどうなっちゃうのだ?
「受験用の体操教室って何よ?」
「うちの子も行ってたんだけどね、ほら、デングリ返りをさせるところとか、集団でちゃんと動けるかということを見られたりするから、そういうのを軍隊みたいに徹底的にやらせる教室がちゃんとあるんだよ。料金はちなみにうちが行っていたところは、月々2万7千円だったよ」
ああ、頭がどんどん真っ白になっていく。誰か私を現実に引き戻して~!!
「まあT小だっていうんだったら、ペーパーはないから、ペーパー対策はしなくていいと思うけど、何度か模擬ぐらいは受けておいたほうがいいと思うよ」
「でもそのT小の倍率って吐き気がするぐらいの高倍率じゃん。T小に限らないけど、どこもほとんど宝くじ並なんだから、どう考えても子どもがふたりとも揃っていくなんて天文学的な確率しかないと思うんだけど」
「でもね、兄弟がいれば優先されるんだよ」
「なぬ? そうなの?」
「もちろん、くじは平等だからくじだけは通らないといけないけど、2次以降はね、よっぽどひどい子じゃなければ、上に兄弟がいればそっち優先だよ。Aちゃん(娘)は結構くじさえ通ればT小ならだいじょうぶそうな感じがするし、Lくん(息子)もそれでぐっと有利になるよ」
なるほどねえ~。どう考えても自由人の息子に受験させるというのは、日光サル軍団のサルにナイフとフォークを使ってフレンチのフルコースを食べさせる調教をするみたいなもんだ。いや、むしろ後者のほうが簡単だったりして。
「本番前に模擬受けておいて、場慣れさせるんだってば」
すごいよなあ~。そんな子ども向けの模擬まであるなんて。私はなんて世間知らずだったんでしょう~。
ところがすっとこどい。小学校受験業界はそんな甘いものではなかった。
もうあれもいかが、これもいかが、と受験に翻弄される親から毟り取れるだけ毟り取ってやれということか、まるで蜘蛛の巣を張り巡らせたかの如き、仕掛けがいたるところに仕組まれているのだと、その後も思い知らされ続けることになるのだ。
無知な私を教育する喜びを覚えてしまったのか、泰子は惜しみなく、私に情報の雨あられを降らせてくる。
「あとね、夏季合宿もあるんだからね」
「合宿って何するの?」
「そんなの勉強に決まってるじゃん。これはだいたい20万ぐらい取るところが多いよね」
「そんなのにお金払う親なんているの?」
「(私の質問には無視)あと基本的なところで、月々の塾代ね。国立に限らずこのへんだったら、SG会、S会、R会、N学が大手で、だいたい週1回で7万ぐらいね。プラスいろいろオプションをつけて10万ぐらいはみておいたほうがいいね。あとは個人の塾とか小さいところで、個人だったら、ある程度有名な大学を出ているお母さんが自分の子どもの受験を成功させてそのノウハウを教えるっていうところもあるし、ペーパー専門だったり、あと受験用の体操教室もあるよ」
もうこの時点でアップアップな私。学校に入ってからがお金がかかるというのに、入る前にそんなにかけていったいどうなっちゃうのだ?
「受験用の体操教室って何よ?」
「うちの子も行ってたんだけどね、ほら、デングリ返りをさせるところとか、集団でちゃんと動けるかということを見られたりするから、そういうのを軍隊みたいに徹底的にやらせる教室がちゃんとあるんだよ。料金はちなみにうちが行っていたところは、月々2万7千円だったよ」
ああ、頭がどんどん真っ白になっていく。誰か私を現実に引き戻して~!!
「まあT小だっていうんだったら、ペーパーはないから、ペーパー対策はしなくていいと思うけど、何度か模擬ぐらいは受けておいたほうがいいと思うよ」
「でもそのT小の倍率って吐き気がするぐらいの高倍率じゃん。T小に限らないけど、どこもほとんど宝くじ並なんだから、どう考えても子どもがふたりとも揃っていくなんて天文学的な確率しかないと思うんだけど」
「でもね、兄弟がいれば優先されるんだよ」
「なぬ? そうなの?」
「もちろん、くじは平等だからくじだけは通らないといけないけど、2次以降はね、よっぽどひどい子じゃなければ、上に兄弟がいればそっち優先だよ。Aちゃん(娘)は結構くじさえ通ればT小ならだいじょうぶそうな感じがするし、Lくん(息子)もそれでぐっと有利になるよ」
なるほどねえ~。どう考えても自由人の息子に受験させるというのは、日光サル軍団のサルにナイフとフォークを使ってフレンチのフルコースを食べさせる調教をするみたいなもんだ。いや、むしろ後者のほうが簡単だったりして。
2009年9月10日木曜日
泰子(仮名)のレクチャー①
泰子(仮名)から伝授された都内の国立小学校情報は以下の通り。
東京都には6校国立小学校があって、それぞれの学校の受験資格に必要な要件はまず該当する学校の通学地域に入っているかどうかというもの。
その通学地域は学校によって違う。たとえばO女は23区内在住が条件だが、K小は通学時間が40分以内という具合だ。
世の中のお受験家族というのは、まずこの通学地域に関して多大な努力を払うらしく、通学地域に合致するところに引っ越しをするのは王道中の王道、なにがしらの理由でそれもままならない場合は、ジジババのところが通学地域に入っている場合はそこに住民票だけ移すとか、ひどい場合には何も関係のない場所に住民票だけ移すという荒業も横行しているとのこと。
そこで学校側も最近の3カ月分の光熱費の請求書控えを出させたりして、実際にその世帯がその通学地域に住んでいるかどうかのチェックをするらしい。
もうそこまでの話だけでお腹がいっぱいになる私。
ちなみに6校の国立小学校のうち、我が家から通えるのはO女、T大付属T小、G大付属T小、G大付属O小の4校。
これはかなり恵まれた住環境だと受験の通学地域だけ考えた場合は言えよう。
もちろん、今のところに引っ越してきたのは単なる偶然なのだが、ジモティーを除いてこの近所に受験目的で引っ越してくる人も多いのだとか。
そして我が家から通える4校についての特徴は以下の通り。
O女・・・抽選でほとんど落とす。倍率は男子が40倍ぐらい! 女子が80倍ぐらい!!男子は中学以降は進学できないため、男子の人気は低め。
抽選→テスト(運動テスト、行動観察、面接)→抽選
校風はおっとりめ。大学まで比較的ストレートでいきやすい。基本的にO女大学以上の偏差値の大学進学をめざす。
T大付属T小・・・倍率は男子が29倍ぐらい、女子が28倍ぐらい。
抽選→テスト(ペーパーテスト、工作、運動、口頭試験)→抽選
校風はスパルタ。1㎞とか2㎞の遠泳とかさせるらしい。勉強についていけないと上には進学できない。ここの高校は東大合格者を1学年で80名とか出している超難関校。研究授業も多く、がっつり勉強をするには最適。おっとりした子やマイペースな子にはきついかも。ペーパーテストは難しく、きちんと受験勉強をした子じゃないと解けないらしい。
G大付属T小・・・うちの子たちが銀座の先生から行くと言われた小学校。倍率は男子70倍ぐらい!! 女子65倍ぐらい!!
抽選→テスト(行動観察、工作、口頭試験)→抽選
校風は自由闊達。生徒の自主性を重んじるらしいので、勉強しない子はとことん落ちこぼれるらしい。中学にはほとんど進学できるが、ここの高校はいきなりレベルが高くなるので、高校まで行ける生徒はそれほどいないらしい。それでも人気はピカイチ、
抽選で結構残すらしく、ペーパーテストはない。行動観察では積極的に友だちと関わろうとする子が有利になるらしい。
G大付属O小・・・倍率は男子24倍ぐらい、女子23倍ぐらい。
抽選→テスト(ペーパーテスト、行動観察、運動、面接)→抽選
校風はG大付属の他校同様、自由闊達らしい。泰子はこの学校にはほとんど関心がなかったらしく、あまり情報はなし。
「だからさ、銀座の先生からT小って言われるっていうのは、何か説得力があるわけよ。行動観察だけだから、Aちゃん(←うちの娘)みたいな感じの子って通りやすいし、なんていったって、ペーパーがないから」
「そうかあ、一口に国立って言ってもいろいろあるんだねえ~(しみじみ)」
「いくら記念でいいって言われたからっていっても、当然模擬ぐらいは受けるでしょ?」
「模擬???」
もぎ。
カタカナではモギ。
ねえ、5歳とか6歳の子に模擬っていったいなんのこと?
東京都には6校国立小学校があって、それぞれの学校の受験資格に必要な要件はまず該当する学校の通学地域に入っているかどうかというもの。
その通学地域は学校によって違う。たとえばO女は23区内在住が条件だが、K小は通学時間が40分以内という具合だ。
世の中のお受験家族というのは、まずこの通学地域に関して多大な努力を払うらしく、通学地域に合致するところに引っ越しをするのは王道中の王道、なにがしらの理由でそれもままならない場合は、ジジババのところが通学地域に入っている場合はそこに住民票だけ移すとか、ひどい場合には何も関係のない場所に住民票だけ移すという荒業も横行しているとのこと。
そこで学校側も最近の3カ月分の光熱費の請求書控えを出させたりして、実際にその世帯がその通学地域に住んでいるかどうかのチェックをするらしい。
もうそこまでの話だけでお腹がいっぱいになる私。
ちなみに6校の国立小学校のうち、我が家から通えるのはO女、T大付属T小、G大付属T小、G大付属O小の4校。
これはかなり恵まれた住環境だと受験の通学地域だけ考えた場合は言えよう。
もちろん、今のところに引っ越してきたのは単なる偶然なのだが、ジモティーを除いてこの近所に受験目的で引っ越してくる人も多いのだとか。
そして我が家から通える4校についての特徴は以下の通り。
O女・・・抽選でほとんど落とす。倍率は男子が40倍ぐらい! 女子が80倍ぐらい!!男子は中学以降は進学できないため、男子の人気は低め。
抽選→テスト(運動テスト、行動観察、面接)→抽選
校風はおっとりめ。大学まで比較的ストレートでいきやすい。基本的にO女大学以上の偏差値の大学進学をめざす。
T大付属T小・・・倍率は男子が29倍ぐらい、女子が28倍ぐらい。
抽選→テスト(ペーパーテスト、工作、運動、口頭試験)→抽選
校風はスパルタ。1㎞とか2㎞の遠泳とかさせるらしい。勉強についていけないと上には進学できない。ここの高校は東大合格者を1学年で80名とか出している超難関校。研究授業も多く、がっつり勉強をするには最適。おっとりした子やマイペースな子にはきついかも。ペーパーテストは難しく、きちんと受験勉強をした子じゃないと解けないらしい。
G大付属T小・・・うちの子たちが銀座の先生から行くと言われた小学校。倍率は男子70倍ぐらい!! 女子65倍ぐらい!!
抽選→テスト(行動観察、工作、口頭試験)→抽選
校風は自由闊達。生徒の自主性を重んじるらしいので、勉強しない子はとことん落ちこぼれるらしい。中学にはほとんど進学できるが、ここの高校はいきなりレベルが高くなるので、高校まで行ける生徒はそれほどいないらしい。それでも人気はピカイチ、
抽選で結構残すらしく、ペーパーテストはない。行動観察では積極的に友だちと関わろうとする子が有利になるらしい。
G大付属O小・・・倍率は男子24倍ぐらい、女子23倍ぐらい。
抽選→テスト(ペーパーテスト、行動観察、運動、面接)→抽選
校風はG大付属の他校同様、自由闊達らしい。泰子はこの学校にはほとんど関心がなかったらしく、あまり情報はなし。
「だからさ、銀座の先生からT小って言われるっていうのは、何か説得力があるわけよ。行動観察だけだから、Aちゃん(←うちの娘)みたいな感じの子って通りやすいし、なんていったって、ペーパーがないから」
「そうかあ、一口に国立って言ってもいろいろあるんだねえ~(しみじみ)」
「いくら記念でいいって言われたからっていっても、当然模擬ぐらいは受けるでしょ?」
「模擬???」
もぎ。
カタカナではモギ。
ねえ、5歳とか6歳の子に模擬っていったいなんのこと?
2009年9月7日月曜日
まずはお受験情報だ!
次の報告相手に選んだのは、近所のママ友にして私と娘のピアノの先生でもある泰子(仮名)。
彼女は娘の幼稚園受験を2年連続で経験し、2年目で超倍率の高い国立のO女受験を成功させた猛者だ。
その娘の制服姿を銀座の先生が予言したというのは以前、お伝えしたとおり。
彼女の受験に費やしたエネルギー、情熱、金銭ともに半端ではなく、その情報収集能力はぜひとも諜報機関等で活用していただきたいほどだ。
それに引き換え、田舎者で首都圏の教育事情に疎い私。
公立小学校しか選択肢がない田舎に比べて、東京には選択肢がありすぎる。
別に近所の公立小学校でもいいんだけど、思いがけず銀座の先生に「国立に行けるから受験しろ」と言われちゃったら、すっかりその気になってしまう。
どうしよう。このお受験モード。
いてもたってもいられず、まずは情報収集というわけで、その相手に最もふさわしいのが泰子だというわけだ。
泰子にはまず先生に言われた受験関係の話をする。
「へえ、T小かあ。いいんじゃない。T小。国立の中だとT小が一番試験も早いし、結果が出るのも早いよ」
「そうなんだ」
「T小だとペーパーもないしね」
「え? 同じ国立でも試験内容って違うの?」
「そりゃあそうだよ。求めている生徒像が違うんだから。言っておくけど、T小っていうのはかなり自由な校風で勉強なんて生徒に強制しないから、家でよっぽど勉強させる場合じゃないとやばいからね」
「やばいって何が? っていうか、学校によってカラーが違うの?」
「一口に国立っていってもそれぞれに校風も違うし、試験内容も違うし、あ、もしかして美央さん、国立ってずーっと大学までストレートに行けるって考えてない?」
「え? 違うの?」
「それも学校によって違うんだよ」
なんてややこしいんだ、国立小学校よ! 国立だったら一律にしろよ!
とついつい乱暴なことを考える私であった。
彼女は娘の幼稚園受験を2年連続で経験し、2年目で超倍率の高い国立のO女受験を成功させた猛者だ。
その娘の制服姿を銀座の先生が予言したというのは以前、お伝えしたとおり。
彼女の受験に費やしたエネルギー、情熱、金銭ともに半端ではなく、その情報収集能力はぜひとも諜報機関等で活用していただきたいほどだ。
それに引き換え、田舎者で首都圏の教育事情に疎い私。
公立小学校しか選択肢がない田舎に比べて、東京には選択肢がありすぎる。
別に近所の公立小学校でもいいんだけど、思いがけず銀座の先生に「国立に行けるから受験しろ」と言われちゃったら、すっかりその気になってしまう。
どうしよう。このお受験モード。
いてもたってもいられず、まずは情報収集というわけで、その相手に最もふさわしいのが泰子だというわけだ。
泰子にはまず先生に言われた受験関係の話をする。
「へえ、T小かあ。いいんじゃない。T小。国立の中だとT小が一番試験も早いし、結果が出るのも早いよ」
「そうなんだ」
「T小だとペーパーもないしね」
「え? 同じ国立でも試験内容って違うの?」
「そりゃあそうだよ。求めている生徒像が違うんだから。言っておくけど、T小っていうのはかなり自由な校風で勉強なんて生徒に強制しないから、家でよっぽど勉強させる場合じゃないとやばいからね」
「やばいって何が? っていうか、学校によってカラーが違うの?」
「一口に国立っていってもそれぞれに校風も違うし、試験内容も違うし、あ、もしかして美央さん、国立ってずーっと大学までストレートに行けるって考えてない?」
「え? 違うの?」
「それも学校によって違うんだよ」
なんてややこしいんだ、国立小学校よ! 国立だったら一律にしろよ!
とついつい乱暴なことを考える私であった。
2009年9月3日木曜日
HANAちゃんとブログ
オカンに電話した後はHANAちゃんにも電話を入れる。
「今日行ってはるよなあと思ってずっと気になってたんですよ!!」
開口一番黄色い声のHANAちゃん。
順を追って言われたことを説明する私。
「へえ~。ええやないですかあ。いいことばっかり言われてるし。ええなあ、私も行きたいなあ」
「当たるといいよね」
「何ゆうてるんですか! 当たりますよ。だいじょうぶ」
相変わらず心強いことを言ってくれるHANAちゃん。
「なんやブログを始めるといいらしいわ」
「ブログですか。ええんちゃいますか。私も実はやってるんですよ」
「ええ? そうなん? 何関係?」
「まあ歌やっていることにまつわる日記的なものというのか。最近ブログの場所変えたんですけどね」
「ブログって簡単にできるもんなん?」
機械とかコンピューターに弱い私はブログとプロフの区別もいまひとつわかっていないし、どうもそういう新しいものには尻込みしてしまう。
「そんなん簡単ですよ。なんやったら私、いつでもご自宅にお邪魔してやりますよ」
おお~、なんと頼もしいのだ、HANAちゃんよ。
しかし問題はブログの中身だ。人のブログはちょくちょく読むことはあるが、有名人とかなら単なる日記みたいなものでも読みたいファンはいるだろうけど、何かしらのテーマがないと一般人の書くブログは厳しいよなあ。
写真とか画像をいっぱい取り込んでビジュアルに訴えるにしてもそんなテクニックもないし。
「たとえば国際結婚されてるわけだから、ダンナさんとの生活を綴るとか?」
「うーん、“ダーリンは外国人”パターンやね。ちょこちょこブログっていうのか、ホームページでも見かけるよね。けどダンナがトンパ教を信奉するナシ族だとか、温暖化によって消滅しそうなツバルの人とか、一夫多妻制の国からやってきた男で実は私は第4夫人だったとか、ドラマがないとつまんないよね。イギリス人と日本人のカップルなんてありふれてないか?」
「まあトンパ教に比べればそうですけどぉ~。それでも私は知りたいですけどね。それかお子さんたちの成長記録とか?」
「ええ~? 勘弁! そりゃあ自分の子は可愛いけど、そんなの自分だけそう思ってればいい話で、みんな見て! 私の子ども可愛いでしょ的なものって、私の美意識が許さんよ。よっぽどうちの子にドラマがあればいいけど、そんなのないしさ」
「そうかあ~。それやったら、“清永美央作家への道!”ちゅうのはどうですか?」
「それもなあ。室井佑月がメジャーになる前にSPA!でそんなような連載やっとったよ。確か村上龍の愛人になりたいみたいなことぬかしとったけど、で結局つかまえたのは高橋源一郎やろ。速攻で別れたけど」
「その口調は清永さん、室井佑月嫌いでしょ。もうわかりやすいなあ」
「その通り! ブログもなかなか書くネタともなるとないもんやねえ」
「単なる日記でも書いてあることがおもしろかったら私はそれでええと思いますけどねえ」
「そうやなあ~。まあボチボチ考えておくわ」
「私も近いうちにお邪魔してセッティングしますから」
こうしてHANAちゃんは快くブログ開設の手伝いを引き受けてくれることになったのだ。
「今日行ってはるよなあと思ってずっと気になってたんですよ!!」
開口一番黄色い声のHANAちゃん。
順を追って言われたことを説明する私。
「へえ~。ええやないですかあ。いいことばっかり言われてるし。ええなあ、私も行きたいなあ」
「当たるといいよね」
「何ゆうてるんですか! 当たりますよ。だいじょうぶ」
相変わらず心強いことを言ってくれるHANAちゃん。
「なんやブログを始めるといいらしいわ」
「ブログですか。ええんちゃいますか。私も実はやってるんですよ」
「ええ? そうなん? 何関係?」
「まあ歌やっていることにまつわる日記的なものというのか。最近ブログの場所変えたんですけどね」
「ブログって簡単にできるもんなん?」
機械とかコンピューターに弱い私はブログとプロフの区別もいまひとつわかっていないし、どうもそういう新しいものには尻込みしてしまう。
「そんなん簡単ですよ。なんやったら私、いつでもご自宅にお邪魔してやりますよ」
おお~、なんと頼もしいのだ、HANAちゃんよ。
しかし問題はブログの中身だ。人のブログはちょくちょく読むことはあるが、有名人とかなら単なる日記みたいなものでも読みたいファンはいるだろうけど、何かしらのテーマがないと一般人の書くブログは厳しいよなあ。
写真とか画像をいっぱい取り込んでビジュアルに訴えるにしてもそんなテクニックもないし。
「たとえば国際結婚されてるわけだから、ダンナさんとの生活を綴るとか?」
「うーん、“ダーリンは外国人”パターンやね。ちょこちょこブログっていうのか、ホームページでも見かけるよね。けどダンナがトンパ教を信奉するナシ族だとか、温暖化によって消滅しそうなツバルの人とか、一夫多妻制の国からやってきた男で実は私は第4夫人だったとか、ドラマがないとつまんないよね。イギリス人と日本人のカップルなんてありふれてないか?」
「まあトンパ教に比べればそうですけどぉ~。それでも私は知りたいですけどね。それかお子さんたちの成長記録とか?」
「ええ~? 勘弁! そりゃあ自分の子は可愛いけど、そんなの自分だけそう思ってればいい話で、みんな見て! 私の子ども可愛いでしょ的なものって、私の美意識が許さんよ。よっぽどうちの子にドラマがあればいいけど、そんなのないしさ」
「そうかあ~。それやったら、“清永美央作家への道!”ちゅうのはどうですか?」
「それもなあ。室井佑月がメジャーになる前にSPA!でそんなような連載やっとったよ。確か村上龍の愛人になりたいみたいなことぬかしとったけど、で結局つかまえたのは高橋源一郎やろ。速攻で別れたけど」
「その口調は清永さん、室井佑月嫌いでしょ。もうわかりやすいなあ」
「その通り! ブログもなかなか書くネタともなるとないもんやねえ」
「単なる日記でも書いてあることがおもしろかったら私はそれでええと思いますけどねえ」
「そうやなあ~。まあボチボチ考えておくわ」
「私も近いうちにお邪魔してセッティングしますから」
こうしてHANAちゃんは快くブログ開設の手伝いを引き受けてくれることになったのだ。
登録:
投稿 (Atom)