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2010年3月25日木曜日

特別寄稿 鹿鳴館30周年記念ライブに行ってきた!⑤

 ここで44マグナムの紹介をしよう。
 1977年(!)結成、83年にメジャーデビュー。当時、いわゆるジャパメタ(ジャパニーズ・へヴィー・メタル)ブームなるものがあり、ラウドネスとかアース・シェーカー、バウワウなどが代表格だった。
 ラウドネスやアース・シャーカーが関西出身ということも影響しているのか、さらに関西メタルといわれるジャンルが出現する。
 
そんな関西メタルの代表格にMARINOやRAJASなどと並んで44マグマムが君臨していて、全員金髪で化粧というきらびやかなルックスは後続のバンドに絶大な影響を与える。
実際、デランジェのサイファーやテツは44マグナムのローディーを務めていたし、このジャンル好きではなくても、44マグナムの名前は広く知られていた。

2002年に再結成するも本格始動には至らず、2007年(またしても!)に本格的な活動を宣言。
メンバーは従来のポール(vo)、ジミー(g)、ジョー(ds)に加えて、2009年にポールの息子(!)スティーヴィー(vo)と元ラクリマクリスティのSHUSE(b)を新メンバーに迎える。
なんと新メンバーたちと従来のメンバーたちは親子ほど(←って実際親子だけど)年が離れているのだ。

私は44マグナムのライブは見たことがなかったけど、何かのオムニバス盤で何曲か聴いたことがあり、アメリカンな感じの明るいハードロックという印象を持っていた。
去年、新メンバーが加入したときにアライちゃんが、「44マグナム再結成しましたよ」と彼らが表紙のロッキンf系の雑誌を見せてくれ、ポールとスティーヴィーがそっくりなのに、微笑ましく思った。
そんなこともあってこの日、一番のお楽しみは親子44マグナムを見ることだったのだ。

会場のファンも同様らしく、期待が高まる。アライちゃんも前に飛び出す準備をしている。
若いアライちゃんが44マグナムにハマっているのは、たぶんドラムの宮脇“ジョー”知史の影響だろう。ジョーはXのHIDEがやっていたhide with Spread Beaverのツアーメンバーだったし、今やZIGGYのメンバーでもあるから、モロ、アライちゃんの好きなバンドの影にジョーの存在ありなのだ。

そして真打ち登場!
おお~、ポールがオッサンになっている! 今までのバンドたちが全然年齢を感じさせなかったのに比べて、ポールはしっかりと年食っている。お腹も出ているぞ。
 そのことになぜかすご~く安心感を覚える。相変わらず金髪で中にはヒラヒラの白いブラウスを着ているんだけど、人間味溢れていていいじゃないか!
ジミーやジョーは体型を保っていて、相変わらずカッコよく、若者のスティヴィーやSHUSEと並んでも遜色ない。

雑誌ではポールと瓜二つと思ったスティーヴィーだけど、イマドキの若者らしく顔が小さく手足が長い。整った可愛い顔をしている。
インタビューで「俺もポールの影響を受けているから」云々などと、突っ込みどころ満載な受け答えをしているところもラブリーだ。

しかし父親といっしょにやるバンドって本人的にはどういう心境なんだろう。父親がやっていたバンドに息子が加入するっていう例はあるが(ツェッペリンのジェイソン・ボーナム)、ロックバンドを親子でやるのはかなり珍しいと思う。
スティーヴィーの懸命に追いつこうとしている様子が初々しい。
ポールは歌を通じて何かをスティーヴィーに伝えたいのだろうか? 
今後親子バンドで期待したいのは、charだわね。

そして特筆すべきはジョーのドラム。自己主張の強いテツのドラムを見た後ということもあり、この人のドラムはものすごく調和的だ。
サウンドの屋台骨を絶対的な安心感を持って支えている。ジョーのドラムによって、44マグナムというバンドは守られている。
しかもジョーが笑顔でうれしそうだ。ジョー加入後のZIGGYはまだ見たことがないが、これまで私が見てきたジョーのライブは全部サポートメンバーとしてのものばかりであったことから、職人的にきっちり仕事をする人という印象を持っていた。
けど今夜のジョーは違う。思いっきり自分のホームで楽しんで、自分自身のドラムを叩いている感じがする。
うふ、ジョーもこんなに素敵な人だっただなんて、なんで20代の頃には気がつかなかったのかしら。迂闊だったわ。

ポールのMCも冴えていて、この人もつくづく関西人なんだと思う。大御所らしく鷹揚にデッド・エンドやデランジェも褒め称えるなど、気配りもバッチリだ。客の乗せ方も抜群に上手い。
「俺らは鹿鳴館が出来た30年前以上前から、バンドやっとったけど、お前らの中で生まれる前から鹿鳴館があったってヤツとかいるの?」
とポールが聞くと、あっちこっちで「ハーイ!」という声が聞こえる。アライちゃんも思いっきり返事をして手を挙げている。
 オジサンオバサン・ファンばかりかと思いきや、若いファンもしっかりとついているようだ。中には「私、23歳!」とか叫んでる女の子もいた。
 やるなあ~。

 けどライブ中盤で、「病気なんてイヤやな」とポールがポツリと漏らす。
 そうなのだ。ポールは若年性パーキンソン病に罹っているとカミングアウトしていて、病魔と闘っているのだ。
 いつの日か体が動かなくなる日が、声が出なくなる日が来るかもしれない。悪夢としか思えない残酷な現実にポールは立ち向かっているのだ。
 その恐怖はいかばかりか。
けどポールは歌い続ける。
オッサンになったポールはめっちゃカッコいい。
ポールが命がけでやってきた44マグナムというバンドを、いつの日か実の息子であるスティーヴィーに託すために、ポールは息子とステージに立つのだろう。

けど「デッド・エンドもデランジェも44マグナムもこれから歴史を作っていくんだから、まだまだ伝説にはならない」というポールの言葉に、彼の歌い続けるんだという強い意志を感じる。
そうだ。まだまだ44マグナムの歴史は続いていくのだ。
そして「こんなに人が集まるんだったら、鹿鳴館にも足を運ぼう。俺たちの次ぐらいにカッコいいバンドがいるかもしれないぜ。みんながバンドを育てるんだ」という言葉になんだかジーンとくる。

そして44マグナムもきっちり1時間で演奏を終えると、鹿鳴館の社長という人がステージに上がり、あいさつ。デッド・エンドやデランジェのメンバー、さらになぜか元ラルクアンシエルのドラマーSAKURAが出てきて、記念撮影。

その後はお楽しみの大セッション。曲は44マグナムの“ストリート・ロックンローラー”。
ゴージャスだ。だってポールとMORRIEとKYOちゃんがいっしょに歌ってるなんて、すごすぎ。
ジョーとテツの師弟ドラマー競演や、ジミーとサイファー(←カッコよすぎ!!)の師弟ギタリスト競演、クール・ジョーのリラックスしたベースなどみどころ聞きどころ満載だ。

会場にいたファンも楽しそうだ。ステージにいるメンバーたちは本当にいい感じで年を重ねている。
好きなことをやって生きていくのは難しいが、酸いも甘いも噛み分けたこの3バンドの未来に幸多かれ。

すっかりロック的なものから遠ざかっていた私だが、久々にライブを満喫できて、楽しかった♪
今度は鹿鳴館のほうに足を運んでみようかしら。
                      以上、ライブレポートおしまいっ!

特別寄稿 鹿鳴館30周年記念ライブに行ってきた!④

 お次の出番はデランジェだ。

 デランジェの紹介をここでしてみよう。
 スペルはD’ERANGER。バンド名の由来は「淫靡な誘惑」という意味のフランス語なんだそうだ。
1983年に結成。1990年に解散。2007年に解散時のメンバーで再結成。
 メンバーはKYO(vo)、CIPHER(サイファー・g)、SEELA(b) TETSU(ds)の4人。
 インディーズ時代にヒットを飛ばし、90年に満を持してメジャーデビューするものの、その年に突然解散。
 その後、KYOはDIE IN CRIESやBUG、サイファーとテツはBODYやCRAZE、SEELAはFIXなどのバンドで活躍し、まさかまさかの再結成である。
 
 こちらもデッド・エンド同様、90年に解散しているのでライブを実際に見たことはなかった。
 ただ音楽雑誌編集者時代にDIE IN CRIES とBODYは担当させてもらったので、そちらのライブは何度も見てるし、な・ん・と、自慢じゃないがKYOちゃんとは札幌でカニラーメンをいっしょに食べた仲なのである(←本人は絶対に忘れているだろうが)。
 どうだ、うらやましいか。

 さてデランジェである。すごい。こちらもみんなほとんど変わっていない。
 KYOちゃんなんてなんだか髪の毛も増えていてデランジェ時代のように髪を金髪にして、むしろ若返ってるんですけど・・・。
 なんだかいい意味で小僧っぽくって、DIE IN CRIES時代よりいい感じ。

 そして特筆すべきはあなた。サイファーですよ。サイファー。本名・瀧川一郎。
 ちょっとこんなにカッコよかったっけ? マジで直球ど真ん中なんですけど!
 デッド・エンドのときは前に飛び出していったアライちゃんだけど、デランジェにはあまり燃えないらしく後ろでおとなしくしているのを尻目に、サイファーの顔見たさに、
「ちょっくら行ってくるわ」
と前方右寄りに移動する私。
 じっくりとサイファーの顔を拝まねば!

 そして演奏が始まる。デランジェってライブも見たことがなかったが、実は音を聞いたこともなくって、COLORやXなんかと並んで元祖ヴィジュアル系みたいな言われ方をしていたこともあって、すごいポップな音のイメージがあったんだけど、これが結構ソリッドなのである。
KYOちゃんも比べ物にならないぐらい昔より上手くなっている!
サイファーもテツも44マグナムのローディーをしていたという経歴の持ち主だけあって、テクニックは折り紙つきだ。

しかし相変わらずテツのドラムは自己主張が強く、おかずの多い派手なタイプと言うのか、音もでかいぞ。
この人のドラムスタイルは好き嫌いがハッキリ分かれるタイプだと思うが、好きな人にはたまらんタイプのドラマーだと思う。
ついつい聞いてしまうというのか、ついつい見てしまうというのか、とにかく強烈で“俺を見ろ”オーラーがビシバシ出ている。
このテツのパワーに並みのメンバーだったらすっかり食われてしまうんだろうけど、他のメンバーだって負けていない。
流れるようなサイファーの華麗なギター、テツのパワーをしっかり受け止めるSEELAのベース、エキセントリックだけど安定感のあるKYOちゃんの歌声。

うーん、デランジェ、いいじゃん。
サウンドもハードなだけじゃなくて、ニュー・ウェーヴもきっちり通っていることが窺える。ロックの初期衝動も感じさせてくれつつ、高い演奏力。
ある程度の年齢になればなんとなく丸くなり、渋さを追求し始めるバンドもいるけど、デランジェは尖っている。
尖っているけど安定している。
これってすごくないか? いい年の取り方、いいキャリアの積み重ね方をしていると思う。

それにしてもサイファーのカッコよさ。う、今さらサイファーに萌える羽目になるとは思ってもみなかったぜ。
あまりにタイプすぎて夢に見そう。
冷たいぐらい整っていて、ノーブルな雰囲気なのよ。しかも同い年。
これから「好きなタイプは?」と聞かれたら(←最近、誰からも聞かれないけどな)、日本人なら福山雅治と並んでサイファーだね(←キッパリ)。
うーん、いいわ。サイファー。しばらくマイブームになりそう。
そういえば昔、奥菜恵とサイファーって噂になったことがあったよなあ。
さぞかし、美男美女のカップルだったことだろう。
サイファーとあんなことやら、こんなことやら(←激しく妄想中)。
ちっ、うらやましいぜ。奥菜恵。

すっかりサイファーにやられてしまっているうちに、こちらも1時間でアンコールなしにきっちり終了。

さてトリは我らが44マグナムの登場だ。

特別寄稿 鹿鳴館30周年記念ライブに行ってきた!③

 さてトップバッターはデッド・エンドである。
 もうMORRIEのカッコよさといったら!
 COOL JOEも変わっていない! この人がシルヴァー・ドックスというバンドにいたときに何度かライブを見たことがあったんだけど、いるだけで周りがぱーっと明るくなるような華やかなベーシストだ。
 
 そしてMORRIE! 右側の右側あたりから髪を立たせながら流す髪型(←想像つくかな?)は健在で、胸元をはだけた衣装もオシャレに着こなし、時折チラチラと見える体の細いこと細いこと。
 MORRIEに限らず、みんな細い。うちの夫と同い年ぐらいだと思うけど、もう同じ人間(←人種は違うけどな)とは思えない。なんてみんなお腹がぺったんこなんでしょう。
 爪の垢でも煎じてお飲みよ。我が夫。

 久しぶりのライブでどうやってのったらいいのかちょっと迷っていたけど、曲が始まってしまえば体は自然に動く。
 昔の曲なのか、再結成されたあとの曲なのかは不明だけど、改めて聴くとデッド・エンドって結構ポップなのね。
 なんだかもっとハードなものを想像していたのでちょっとびっくり。
 けどどの曲もやっぱりMORRIEの詞は「アイラブユー・ベイベー」的な要素は一切入っていない。
 そしてさすがに演奏も安定していて、キャリアを感じさせられる。

そして気になるドラマーはひとりだけ若そうで、いったい誰?って感じである。
 けどMCでその正体が「山崎 慶」という名前であることが明かされる。MORRIE いわく「息子でもおかしくない」年齢の若者だということだ。
けど重鎮たち相手にかなり奮闘している。将来楽しみだぞ。
ライブ後にネットでチェックしたらこの人現在、VENOMSTRIPというバンドに在籍していて10代のころからセッションとかしまくっていたらしく、若手テクニシャン・ドラマーとして有望視されているのだという。
それも納得のドラミングだ。お見事!

あと意外だったのがMORRIEのMCがオモロイこと。あんなに美形でカッコいいのにめっちゃ関西ノリだ。
ずっとMORRIEって作り物みたいにきれいだから、昔のアイドル並みにマジでトイレとか行かないのではと思っていたが(←思うなよっ)、「MORRIE!!」という黄色い声援に「はい」と真顔で答えてみたり、関西弁でジョークを言ってみたり、私的にはかなりツボを突かれた。
美形な上にオモロイ。無敵やないか! 

怒涛の如く飛ばしていき、きっちり1時間後にデッド・エンドの出番が修了。アンコールはなし。
おお~、ということは最後に大セッションか?

特別寄稿 鹿鳴館30周年記念ライブに行ってきた!②

 さて久々のライブである。後楽園の駅に着いてJCBホールに向かうが、なんと道に迷う。
 アライちゃんに電話をし、ナビゲートしてもらってようやく到着。
 ライブ会場に近づくにつれ、結構年食った(=同世代の)ファンがチラホラ見える。
 ロッカーに荷物を預け、身軽になった私たちは早速会場に。

 ステージ上にはすでに機材はセットされていて、ローディーたちが何やら微調整している。
 「トップバッターってデランジェですかねぇ?」
とアライちゃん。
 「そうだね~。普通に考えるとデランジェ→デット・エンド→44マグナムでしょ」
 「確かにあのマイクスタンドの位置とか、ローディーのメンツを考えるとデランジェっぽいんだなあ。あのドラムセットの組み方はデッドエンドじゃないし」
とマニアックな観点から出演順を推測するアライちゃん。どんだけライブ行ってるんだ!?
 けどずっとかかっているSEはなんとなくデランジェのものというより、デッド・エンドっぽい。U2が流れたときには、トップバッターは絶対にデッド・エンドだと確信した。
 するとバッグには「Dead End」の文字が!
 
 やった~、当たったじゃん!

 ここでバンドの解説を駆け足でしよう。

 まずはデッド・エンド。84年(!)に結成。90年に解散。2009年にまさかの再結成。
 メンバーはMORRIE(モーリー、vo)、YOU(g)、CRAZY COOL JOE(b)、MINATO(ds)の4人。
 ハードロックを基調としながらもMORRIEの強烈なカリスマ性、独特な詞の世界、それを支えるJOEとMINATOのリズム隊、当時関西一といわれたYOUのギターとのコンビネーションが当時衝撃をもって受け入れられ、瞬く間に数々のインディーズ記録を塗り替える。

 実際80年代のこの人たちのいでたちは他のバンドと比べても異質で、なんだかとってもおしゃれだったのだ。
 私がデッド・エンドを知ったのは「BURRN JAPAN」の表紙を飾っていたMORRIEがめちゃくちゃカッコよく、高校生のときに好きだったDEAD OR ALIVEのピート・バーンズになんだか似てるよなあ~。バンド名もDEAD ENDだし、なんて思って同誌をジャケ写買いならぬ表紙買いしたのがきっかけだった。
 インタビューなんか読んでもなんだかMORRIEって知的で美意識に溢れていて、元々好きだったイギリスのニューロマ(←ニューロマンティックの略)系なんかにも通じるところがあって、すっかり気になる存在に。

 しかし! そのわりにはデッド・エンドのライブって見たことがなかったのだ。
80年代に近所の貸しレコード屋(!)で借りたレコードをカセットテープ(!)にダビングして、時々聞いてたけど、私が邦楽雑誌の仕事を始めたときにはもうデッド・エンドは解散して存在していなかった。

けどその後もMORRIEの影響を受けたヴォーカリスト、デッド・エンドのフォロアー的なバンドが続出して、いかにデッド・エンドが与えたインパクトがデカかったのか、後続のバンドを通して目の辺りにすることになる。

 そのデッド・エンドのまさかの再結成である。
 しかしdsのMINATOは不参加を表明しているらしく、いったいドラマーをどうするんだ?というのが、ファンにとって目下の最大の懸案事項で、2009年のツアーは元LUNA SEAの真矢がゲスト参加したらしい。
 さあ、今夜のドラマーはいったい誰?

 「SAKURA(元ラルクアンシエルのドラマー)が参加するのではという説もありますよ」
とアライちゃん。確かにそれもありえそうだ。

 そのアライちゃん。スクリーン上に「Dead End」の文字が浮かぶや否やステージ前方に向かって飛び出していく。
 さすが若いぜ、アライちゃん!

特別寄稿 鹿鳴館30周年記念ライブに行ってきた!①

 目黒の鹿鳴館というライブハウスがある。そこはハードロックバンドにとっての殿堂の場所で、ここから数々のバンドが育っていった。
 鹿鳴館出身のバンドで最も有名なのはX JAPANだろう。
 私もここには何度となく通い、もう「目黒といえば鹿鳴館」というのは「目黒といえばサンマ」とか「目黒といえば寄生虫館」という以上に、自明のことであった。

 その30周年記念イベント・ライブが水道橋のJCBホールで2日続けてあり、その2日目に「デッド・エンド」「デランジェ」「44マグナム」の3バンドが出ると教えてくれたのは、社内の友だち・アライちゃんだった。

 アライちゃんは違う部署の派遣さんでフロアーも違うので、普通は接点がなかなかない間柄のはずだが、ひょんなことからアライちゃんがロック好きだということがわかって仲良くなった。
 彼女はまだ26歳で私より16歳(!)も年下なのだが、彼女の好きなバンドはその世代にはまったく似つかわしくなく、かなりアラフォー的な、というよりメンバーもみんな40歳以上といったバンドばかりなのだ。
 しかもアライちゃんの好きなバンドは昔私が音楽雑誌の編集をしていたときに仕事をしたバンドが多く、どれも一般的に知名度のあるバンドとはいえないので、アライちゃんにしてみれば、ようやく社内でできた“話のわかる人”というのが、私だったわけだ。

 小学生(!)だったときにXにハマり、それ以来ヴィジュアル系といわれるバンドにどっぷり浸かったアライちゃんは、好きなバンドが影響を受けたバンドにも視野を広げていくうちに、好きなバンドの年齢層がどんどん上がってしまい、気づいたら同世代の友だちがいなくなっていたという気合いの入ったバンギャル(←バンドギャルの略)だ。

 そのアライちゃんに誘われて行ったのが、上記のイベントだったわけだ。
 ライブ三昧のアライちゃんとは違い、こっちとくりゃあ、2児の母である。いったい何年ぶりだったんだ、ライブ!?ってなやつである。
 友だちのバンドとか黒百合姉妹のライブ以外で行った最後のライブっていつだったっけ?
 あれをライブとカウントしていいのなら、家族で行った「おかあさんといっしょ」ファミリーコンサートがそれに当たるのかもというぐらい疎遠になっている。

 しかし! 44マグナムとデランジェとデット・エンドをいっぺんに見られるのである。
一度に3度おいしいとはこのことだ。
 普通、ないよ。こんな組み合わせ。
 うふ、時間のない主婦(←働いてるけど)の私にはぴったり。

 いやーん、いったい何着てこうかしら?

 アライちゃんはきっと若者らしくロックTにアーティストグッズで身を固めて気合いを入れてくるだろうけど、あいにくロックTとか持ってないし。ちょっとそういうのは自分のノリじゃないし、かといって私たち世代のライブハウスに行く格好は、いわゆるミュージシャンの女系で、そういうのもアライちゃんから「やっぱこいつはババアだせ」的に思われても悲しいし、散々迷ってダークグレーのワンピース(←体型隠れるヤツな)とブーツ、メタリックなアクセサリー、髪の毛は巻いてみましたという腰の引けた格好で出かけたのであった。
 しかも直前は娘の塾の体験レッスンに行っていたので、教育ママゴン臭を消すために愛用のシャネル5番を大量に振りかけたら、夫から「臭い」と言われ、へこむ。

 ぎゃふん!