2010年6月6日日曜日

お受験か、里帰りか?

 「そろそろチケット買いたいんだけど、出発日はいつにするの?」
 夏ごろから今年のクリスマスは里帰りしたいと言い張る夫。
 ハッキリいってそれどころじゃない。
 「う~ん」と言葉を濁し、やり過ごしてきたが11月も近くなるとだんだんこの手も使えなくなってくる。

 「G大系だったら11月末に結果が出てたんだけど、O女の最終結果が昨年度は12月11日、T大附属T小は12月22日になってるから、それまでは無理でしょ」
 「12月22日!? マスト・ビー・ジョーキング!! クリスマスぎりぎりだし、そのころはチケット高いよ! 少なくても12月18日以前に出発しないとね」
 「12月18日なんて、お受験以前に私の会社的に無理だよ!」
 「じゃあ、いつからにする?」
 「だ・か・ら、お受験が終わってからだって!」
 「だ・か・ら、それはいつわかる?」
 「だ・か・ら、抽選しだいだよ! T大附属は11月17日、O女は12月8日が抽選日だからそこでお受験が終わるか、その続きがあるかはわかんないよ。ただ一番日程的に引っ張るのはT大附属だから、11月17日次第かな」
 「抽選通りそうなの?」
 「そんなのわかんないよ。今のところ全敗だけど、T大附属は半分抽選で通るから」
 「ミーも美央もクジ運ないからね。わかった、じゃあ、ミーと子どもたちの分だけチケット先に買うから、美央は自分の分は自分で買って」

 あ~、めんどくさい。
 そもそも冬のイギリスなんて最悪じゃないか。寒いし、暗いし、雨ばっかり降ってるし、陰気だし、食べ物はまずい(←これは年中)し、イギリスなんて嫌いだ。
 しかも日ごろの生活費は夫のお金、貯金とレジャーと旅行は私のお金という役割分担になっている我が家のお財布事情からすると、里帰り費用は当然私の負担になる。
 前回だって年2回のボーナス分がきっちり飛んでいってしまった。

 「ねえ、イギリス以外どこも行かないの?」
 貧乏性の私はせっかくヨーロッパまで飛ぶならもう一箇所ぐらいどこか行きたいものだぜということで、毎回必ず別の国もセットして行くようにしている。
 前回はイギリスの他にスペインとオランダにいる友だちのところにも立ち寄った。

 「今回はお金がないからだめっ!」
 そう夫の会社が買収された折に、今まで払わずに済んでいた社会保険料も徴収されることになったため、手取りが減った我が家の財政。
 「お金がないなら、そもそもイギリスなんて帰らなきゃいいじゃん!」
 「ミーは3年も帰ってないんだよ。ひどすぎる。じゃあ美央はもしイギリスに住んでて3年も日本に帰れなかったらどう思う?」
 「実際イギリスに住んでないからわかんないよ。そもそも日本といっしょにしないでよっ。イギリスなんて寒いし、天気悪いし、食べ物まずいし、お風呂は使いづらいし、物価は高いし、最悪っ! せめて違う国とかに行けなきゃ、お金を出す身にしてみればモチベーションが上がらないっちゅうの!」
 「ひどいっ! イギリスの悪口を言うな。日本だって総理大臣はコロコロ変わるし、東京都知事は狂ってるし、外国嫌いの島国のくせに」
 「島国はイギリスもいっしょだろ。それに今回の話と東京都知事が狂っているというのはまったく異次元の話でしょ」
 「いや、同じだねっ!」
と話がどんどんわけのわからない方向にねじれていく私たち。

 「とにかくどっか連れてってくれないなら、イギリスなんて行かないからねっ!」
 「それを言うなら、そもそもお受験なんかしなくてもよかったんだ。近くに公立の小学校があるんだから」
 「今さらそんなこと言わないでよ!」

 ああ、お受験か、里帰りか。
 我が家は大揺れなのである。

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