たいがいの国立小の願書は学校まで行って出すというのが基本だが、唯一の例外がT大附属T小学校で、一次書類に限っていえば郵送での受付になる。
期間は5日間。その他の特徴は他の国立小の一次書類が受験者の名前と住所電話番号を書けばいいぐらいなものなのに対して、T大附属T小学校は志望理由と学校までの通学経路まで書かなくてはいけない。
中でも時間を割かれたのが最寄り駅までの地図というもので、日ごろ地図を手書きすることはないので、何度も下書きを繰り返した。
まったくこんなのって合格してからでいいじゃんという気分になる。
志望理由については、学校説明会がないので1000円で買わされた学校案内を片手にひねり出すしかない。
なんとかそれらしきことを書いてやっとのことで一次書類を書き上げ、提出日の1日目で郵便局から送る。もちろん配達記録つきで、だ。
それとこれとは関係ないが、このごろ私を悩ませているものが咳だ。
私だけでなく娘もずっと咳をしていて、いきつけの近所の小児科で咳止めや抗生物質をもらって二人揃って飲んでいるのだがまったく効かない。
熱はないので風邪というわけでもなさそうだが、O女附属小でせっかくクジに通っても風邪を引いたり咳き込んだりする外部受験生はアウトだという(内部進学組はインフルエンザに罹っても這ってでも来いと言われてるらしいが)ので、親子できっちりO女の受験が始まるまでに治しておかないといけない。
実際娘も苦しそうだし、私も仕事に支障をきたす。
そこで医者を替えてみることにし、呼吸器を看板に出している個人クリニックに行ってみた。そこは珍しく土曜日の午後も診察をおこなっているところで、路地から一本奥に入った目立たない場所にあった。
しかし中に入ると患者がいっぱいいてみんな咳き込んでいるので、待っているだけでいろんなウィルスにやられそうな場所であった。
なんと3時間も待たされてようやく診察室に通されると、そこで待っていたのは満面の笑みを浮かべた許永中に無理やり黒髪のかつらを被せたかのような怪しいオッサンであった。
「おやおや、今日はどうされましたかな?」とにこやかに話しかけてくる許永中。
なんだか怖すぎる! しまった、別のところにしとけばよかったぜと怪しすぎる許永中を見て軽く後悔するが、こうなったら仕方ない。
症状を説明して、「もしかしたら肺結核とか、肺がんなんてことはないですよね?」と内心ものすごく心配していたことを打ち明けると、
「おほほほ。だいじょうぶですよ。肺結核とか肺がんになると痩せてきますから、あなたは全然痩せてないから心配ないですよ」
とすべての表情筋を総動員させて意識的に作っているかのような満面の笑みを浮かべながら、失礼なことを言う許永中。
悪かったよな。痩せてなくて!
「お嬢さんもだいじょうぶですよ。プリプリしてますから」
と私たち親子の乙女心を木っ端微塵にする許永中。
結局、二人揃って「マイコプラズマ」の疑いがあるということで、漢方薬をどっさり出される。
知らなかったんだけど、「マイコプラズマ」って大人はあまり罹らないものなのらしい。
また許永中の話によると私たちがかかりつけ医からもらっていた抗生物質は良すぎて、自分の免疫力までダメージを受けるのだという。
時間をかけて漢方で治すことというが、O女の一次抽選まで1ヶ月とちょっと。それまでに治してもらわないと困っちゃう。
結局週1で許永中のもとに通うことになり、毎日出された漢方を飲むことになったのだが、あまりの苦さまずさのために卒倒しそうになる。
大人の私ですらあまりのまずさに吐き出しそうになるのだから、まだ6歳の娘にとってはさぞ辛かろうと思いきや、なんだかんだで私よりちゃんと飲んでいる。
「マミィ。まずいお薬ほどちゃんと効くんだって。マミィも文句言わずに飲まなきゃだめよ」
と言いながら健気に薬を飲み干す我が娘。
いいぞ、その意気、その意気。
その気合でこのお受験を乗り切っておくれ!
2010年6月10日木曜日
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