2010年8月31日火曜日

最後の追い込みなのだ

 一次抽選をことごとくハズし、あとは最難関T大附属T小の2次試験を残すのみとなった私たち親子。
 銀座の先生は姉弟揃ってG大附属T小に行くと言っていたが、すでにこの時点でハズしている。
 泰子(仮名)なんかは銀座の先生のところに3回も行っていて実際に娘の真美ちゃん(仮名)のO女大附属合格を当てられているので、
 「T大附属T小は間違いないはずだよ。学校名を先生は間違えただけなんだから、絶対に受かるはずだよ」
とずっと励ましてくれている。
 私もどこかでそれを信じている。
 先生は「記念でOK」だなんて言ってたけど、T大附属T小は記念なんかでは絶対に受からない小学校だ。

 それゆえ日に日にヒステリックに娘を追い立てる私。フルタイムで働いているのでどうしても勉強を始める時間自体遅くなってしまう。
 仕事をしながらも早く帰って娘と勉強したいと常に思う。この時期飲みの誘いなどは論外で、私は外で飲んでいる場合ではなく、早く帰ってお受験対策をせねばならぬのだ。

 ヒステリックに叱りつければ叱りつけるほど、萎縮する娘。その様子を見て「いいかげんにしろ!」と怒鳴る夫。
 その夫に対して「邪魔しないでよ!」と怒鳴り返す私。
 その様子を見て心を痛めているらしい娘。
 もうずっとそんな調子で我が家の疲労はピークに達し、常にギスギスした空気に包まれている。
 そんな中でも唯一我関せずと知らん顔をしているのが、マイペースが信条の息子だけだ。

 娘に解けない問題が出るたびに、どうしてできないんだとくやしくも腹立たしくも焦りも感じ、つい手が出てしまったり、悲しくなって親子で泣いたり。
 もちろんあざができるほど強くは叩いたりするわけではないけど、手が出るたびにこれはもしかしていわゆる「虐待」なのではないかと我ながらぞっとする。

 「虐待」
 言葉にするのも恐ろしい。
 こんなのはしつけでも教育でもなんでもない。自分でもちゃんとわかっている。
 私は感情的に怒っているだけなのだ。
 どうしてこんなことになってしまったんだろう。
 オカンがよく私に言う。
 「A(←うちの娘)はあんたが子どものときより何億倍も優秀だよ」
と。
 もちろんわかっている。
 私の6歳のころ(←ほとんど記憶にない)、もしお受験勉強をさせられていたら絶対にもっとできなかったに違いないのは間違いないのだ。

 それでも娘ができないと、どうしてできないのか責めてしまう。
 毎日夫とのケンカに疲れて、娘にも叱り疲れて、何よりもそんな自分を持て余してしまう。
 何かが絶対に空回りしている。
 家族の平和な団欒をぶち壊してまでも、こんなに追い詰められなくてはいけないんだろうか。
 自分以外の他者を努力させるのは難しい。娘とはいえ自分とは別人格なのだから。
 お受験はつらい。よっぽど自分の受験のときのほうが楽だった。
 だってがんばるのは自分だけでよかったんだから。
 
 もうお受験はいやだ。
 もし娘が公立小学校しか行けなかったら、もう息子にはハナッからお受験はあきらめてもらおう。
 こんな思いをするのは二度とごめんだ。

 私に叱られて泣きながらでも、一生懸命ちぎりの練習をする娘。最初にちぎりの判定でCをもらってから必死の練習で今ではA判定をもらうまでに至っている。
 本来娘は努力家で賢い子なんだけど、私が短気を起こしてすぐに怒るからしょんぼりしている。
 私が母親でなければこの子はもっと伸びたのではないかとまた自己嫌悪に陥り、悲しくなる。

 もし銀座の先生から「絶対に国立小に受かる」なんて言われていなければ、私たちは今頃どうしていたんだろう?
 きっとこんなにバカみたいにあわててお受験準備をすることなく、のんびり構えていただろう。
 当たるも八卦、当たらぬも八卦っていうけど、盲目的に信じて娘と家族を巻き込んで毎日修羅場のような日々を過ごすはめになったのは、全部私のせいだ。

 T大附属T小の2次試験まであと1週間ほど。
 早くこんな日々から解放されたい。
 

2010年8月30日月曜日

O女大附属一次抽選!

そして当日、O女大附属へ。
 その日の朝の課内ミーティングで今週の予定を聞かれ、
 「今日のO女大附属小の抽選結果次第です」
と答えた私。課長の石山さん(仮名)は事情を知っているので、「そっか受かるといいよなあ」と相変わらず優しかったりする。
 持つべきものは話のわかる上司だ。

 さてO女大附属である。
構内は厳かな空気に満ちている。12月のキリリと冷えた澄んだ冬空のよう。
 「今日選ばれる方は純粋に運だけです。ただそれだけです」
と校長先生のお言葉。
 立会人のもと番号の入った玉が何度もかき混ぜられ、番号が読み上げられていく。
 Aグループの志願者608名中選ばれるのは50名、うちの娘が属するBグループはなんと一番志願者が多くて639人中50名、Cグループは546名中50名が選ばれる。
 倍率50倍と書いたがこの時点では10倍強といったところか。

 さらに2次試験で3分の1に削られ、3次抽選でさらに2分の1に減らされるのだという。
 なんと気の遠い道のりか。
 確かに宝くじ並の倍率だけど、それでも確実に受かる人は存在するのだ。

 しかしここの2次試験は3時間と長丁場ではあるが、ペーパーはなく行動観察と口頭試問だ。しっかり者のうちの娘なら抽選さえ通れば、2次試験はなんとかなるんじゃないか。
 だってここの学校はうちの娘には向いていそうなんだもん。

 抽選機から排出される玉の番号がどんどん読み上げられていく。
 いつまで経ってもこの抽選というのには慣れない。私の持っている番号は199番。
「199番199番」とずっと心の中で番号を唱え続けている。
 この場にいる保護者たち全員が同じようにそれぞれの番号を胸に秘め、祈るような気持ちで唱え続けているのだろう。

 心臓がバクバク音を立てているのを鎮めつつ、選ばれた番号を見ているとなぜか500番台というのが多く出ている。
 泰子は10番以内、最低でも100番以内と言っていたが、意外と出ていない。
 ほんと、こういうのってわかんないものだよなあ~。
 
 そして199番という番号は最後まで読み上げられることなく、それに近い番号もかすりもせず、当選番号がすべて出揃った。

 終わった。やっぱり私にくじ運などあろうはずはなく、娘よ、すまんと心で詫びるばかり。
 しょんぼりしながら表に出ると、由美子さん(仮名)とタケル(仮名)も来ていた。
 「今日は洋子じゃないんだね」
とタケルに声をかけると、由美子さんとタケルが声を揃えて、
 「やっぱこの倍率じゃあ無理だわ」
と言った。
 「うちももちろんかすりもしなかったよ」
 深くため息をつくと、由美子さんから「さあ、私たちはまだT大附属T小が残ってるのよ!」と叱咤される。
 T大附属T小はハナっから受験しなかったタケルのところは、これでお受験は終了だ。
 「うちはこれからランドセル買いに行くっすよ」
と自嘲気味のタケル。

 あ~あ、これで背水の陣だ。
 最難関のT大附属T小を残すのみとなってしまった。
 ちなみにすべての小学校受験の最終日程に当たるT大附属T小ではまず合格者の辞退者はいない。それゆえに辞退者を見込んで余分に合格者を出したり、2次募集があるわけではない。
 2次試験の受験者はひたすらT大附属T小を親子で怒涛のごとく目指すのみなのだ。

 あ~あ、あとがないよ。あとが!

2010年8月28日土曜日

O女大附属一次抽選前夜

 いよいよO女大附属の一次抽選の日がやってきた。
 恐ろしいほどの高倍率だが、単なる親のひいき目だけどうちの娘にはこの学校は絶対に合っていると思う。
 50倍というすさまじい一次抽選の倍率だが、ここを通過すると2日後に2次試験、翌日2次の結果の後の3次抽選で合格決定というスピーディーな展開となる。

 ここで問題がひとつ。
 O女大附属の合格者の保護者会の日程とT大附属T小の2次試験の日程が重なっているのだ。
 う~ん。困った。って受かってから言えという話だが、何事も事前の準備が必要だ。

 例によって泰子(仮名)に相談。
 「保護者会はおばあちゃんに出てもらうって手もあるけど、できたら両親どっちかのほうがいいよ。パパに出てもらったら?」
 「でもパパだとどこまでちゃんと聞いてくるか不安だなあ~」
 「だいじょうぶだよ。私もその説明会には出るんだから、いっしょに大切なことは聞いておくよ」
と心強いお言葉。

 「でもさあ~。美央さん、Aちゃん、O女大附属受かったら当然こっちでしょ? 女の子はこっちのほうがいいよ。のんびりしてるし。T大附属T小のほうは大変だよ。スパルタだし」
 「そうだよねえ~。AひとりだけならもちろんO女大附属のほうがいいけど、来年弟が控えてるからなあ~。だったらT大附属T小かな。あ、でももちろんO女大附属も捨てがたいよ」
 「そうだね。ふたりいるもんね」
 などと楽観的な話をしている私たち。もうどっちだって入れていただけるならお願いしますという世界なのに。

 しかし念のためにオカンにもTEL。このところしばらく私から何かといえばお受験話を聞かされ続けていて、すっかり食傷気味のオカン。
 「もしO女大附属受かったら保護者説明会とT大附属T小の2次試験とぶつかるんだよねえ~。そのときはさ、O女大附属の保護者会代わりに出てくれる?」
 「あんた、年末の忙しいときになんやね~。そりゃあ可愛い孫のためやったら行ったってやってもいいけど、ちゃんと説明会で話を聞いてこれるかどうか知らんよ」
 「だいじょうぶ。泰子もいるから。あとで肝心なことは聞いておくから」
 「まあそれやったら考えてあげんこともないけど・・・。やけどあんた、そんなに一生懸命やって将来子どもをどうしたいつもり?」
といきなり根源的なことを聞いてくるオカン。
 「そんなこと言うんやったらママかて、私らが子どものときにどう思っとったわけ?」
 「う~ん」とオカンは一拍おいて、
 「忘れた。たぶんあんまりいろいろ考えてなかったかもしれん。そういう時代やったし」
とケロリとした口調で言う。

 おいっ、時代のせいかよっ。当時でも考えてた人は考えてたと思うぞ。
 まったく自分の親ながらいい加減なもんだ。

 

2010年8月27日金曜日

神童・朔美ちゃん(仮名)とのお勉強会②

 先週に引き続き、朔美ちゃんと我が家でお勉強会。
 国立小受験のバタバタですっかり忘れていたが、12月に入って区内きっての人気公立小学校MG小学校の抽選結果が出たとのことだ。
 このMG小学校、公立のクセに学区外からの隣接選択性の枠内の3倍以上、希望者が殺到するために抽選をおこなっているのだ。

 朔美ちゃんのところはうちから歩いて1~2分のところにあるので、当然学区はM小学校なのだが、なんと朔美ちゃん宅はこっそりMG小学校の抽選に行ってしかも当たりクジを引いたのだという。

 朔美ちゃんママいわく、うちから数十秒のM小学校は当然佐藤家(仮名)からも1分数十秒のところにあるのだが、ある日MG小学校も思い立って見学してみると、M小学校とあまりに掲示物のクオリティーの差があることに愕然とし、MG小学校希望に鞍替えしたのだという。

 「これなら私立小学校の出来と遜色ないし、塾に行く必要もないと思ったのよねえ~」
とは朔美ちゃんママ。
 なんと朔美ちゃんママは以前、大手の進学塾で働いていたことがあり子どもの掲示物を見る目があるのだという。
 う~ん。掲示物かあ~。そこまでまったく気が回らなかったよなあ~というより、公立の小学校にまで考えが及んでいなかった。

 そして先週帰ってきた模擬結果を見てみると・・・
 総合順位、性別ごと順位、項目別順位、平均点、最高点、最低点、相対評価、合格率など細かいところまで表されている。

 娘の場合、総合順位は202人中88位と平均よりはちょっといい感じ、項目別では「お話の記憶」が平均より少し悪くて202人中108位、「同図形」が満点で1位!、「重ね図形」が202人中54位、「図形移動」が満点で1位!、「点図形」が平均より悪く202人中138位、「制作1」がかなりイマイチで202人中169位、「制作2」はわりと良く202人中41位という結果に。
 特に制作はちょっとずれていたりするとすぐに減点されるので、要注意だ。
 総合判定は「2」というもので、合格可能性は60%以上だとのこと。

 この結果をどう考えればいいのか? たった1ヶ月でとりあえずは平均よりもできるようになっていることを「エライ!」とほめてあげればいいのか、「まだまだ!」と叱咤激励するべきか。

 朔美ちゃんの結果を見せてもらうと、朔美ちゃんも判定が「2」になっていて、全体的にうちの娘よりも少しずつ順位が低い感じになっている。
 朔美ちゃんでもこんな感じなのかと安心すると同時に、けど朔美ちゃんはうちより準備してないからなあ~と不安になったり。
 まあ当日はこんな模試を受けることなくまったくぶっつけ本番の人もいるからなあ~。きっと。
 しかし、それぞれの項目で最低点が0点なんてついているのを見ると、ちょっとびっくりだ。そんな子も実際存在するのだ。

 「でもとりあえず合格可能性は60%以上ですって!」
とむしろ自分自身を励ますつもりで、努めて明るくコメントしてみると、
 「あ~あ、こういうのってね、直前は甘い判定するもんだんだよねえ~。だって可能性があると思うからこそ、親はお金を払うわけで、合格可能性が限りなくゼロに近かったら、やったって無駄じゃんってことで、親もがんばる気なくすじゃん。こういうのって教育産業の常識っていうか、戦略なんだよねえ~」
とめっちゃ醒めた朔美ちゃんママのコメント。
 う、かつて大手進学塾にいたというだけあって、リアルな意見だわ。

 それでも気を取り直して、ちぎりやら制作やらプリント問題など一通りやらせたあとは、みんなでディナーをいっしょに囲むことに。
 初めて知ったことだったけど、なんと朔美ちゃんのパパは中学から大学まで天下のKなんだとか。
 まあ~、エリートのおぼっちゃまだったのねえ。
 
しかし、この男、会えばいつも口癖のように、
「あ、Aちゃんママ、今日O(保育園近くの激安スーパー、ただし商品に難あり)の特売でイチゴが2パック500円だよ。どうやら創業50周年記念セールなんだって!」とか、「今週はB(大手家電店)でポイント2倍セールやってるよ」とか、「K(大手手芸店)の大感謝セールではこれまでためたポイントで記念品がもらえるらしいよ」とか、そんなことばかりをチマチマ言うのである。
 根が主婦体質というか、「素敵な奥さん」(←なつかしい、まだあるのか?)を地でいっているというのか、ママさん連中の中にパパがひとりぽつんといたとしてもまったく違和感のないタイプである。
 朔美ちゃんママによると新聞の広告を徹底チェックし、少しでもお買い得なお買い物をすることが最高の喜びなんだそうだ。
 
 しかしK大出身。しかも中学から!
 でも言われてみれば本人は確かにおっとりしてるし、お値打ちもの好きといってもセコい印象はまったく受けないし、朔美ちゃんの頭のよさも両親から受け継いでいるだろうから、納得ではある。

驚愕! さるお方がO女大附属に!



 O女大附属に書類を提出しに行った2日後には、T大附属T小に二次試験のためのタイムテーブルをもらいに行った。
 O女大附属もT大附属T小も最寄り駅が同じなので、すっかりこの辺りに詳しげな人になりつつある。

 予断だがWのカリスマ講師によると、たかだかタイムテーブルのためだけに親を呼びつけるT大附属T小の魂胆は、ずばり保護者がどこまで学校に対して協力的なのか試すためだという。
 まったくこっちはフルタイムで働いてるんだよぉ~。ちょっとは考えてくれっ!
と思っていては国立小受験する資格はないということだ。トホホ。

 そしていよいよ12月に入り受験準備も本番を迎えようかというときに、お受験保護者たちを驚愕させるニュースが全国を駆け抜けた!
 なんとさるお方が来年の春O女大附属幼稚園にご入学するというのだ。

 ええ~!? G院じゃないのぉ~!? というのが我が日本国民すべての素朴な疑問だろう。
 っていうか、もちろん抽選なんてやってないよね!? 
 しかしなぜO女附属? なぜ国立?
 格安の国立は本来庶民が行くべきところでしょ?

 なんでなんだよぉ~?????
 よし、泰子(仮名)に電話だ。

 「そうなのよぉ~、実はおとつい緊急保護者会があって召集されたのよぉ~」
と泰子。
 「もしやご学友というやつになるわけ?」
 「幼稚園はうちは来年卒業だからね~、いっしょにはならないけど、もしかしたらこのまま小学校に上がられるということになれば小学校でいっしょになるよねえ」
 「ってことはやっぱりそこでも抽選はないよねえ?」
 「まあさ、幼稚園の保護者の間でも抽選ぐらいやらせろよってさんざんよ。しかも特別扱いはしないってことだけど、抽選をやっていないって時点で特別扱いだよねえ~。しかも知ってる? 2チャンネルなんかでもね・・・(以下、小心者のために省略)」

 う~ん。泰子の友だちの中国人ママは「O女はハーフの子にとっては有利よぉ~」などと言っていたが、こうなったらご学友に外国人の血が入った者はふさわしくないとかということで、うちの娘は不利にならないのか?
 この点についても泰子はなんともわからないと言う。
 まあそりゃそうだ。

 このさるお方のO女大附属ご入学を巡って、一層O女大附属の合格が遠ざかった感じがしたのであった。

2010年8月26日木曜日

O女付属小 一次書類提出

 O女付属小一次書類提出のため午後ちょっと会社を抜けてO女付属小へ。
 直属の上司の石山さん(仮名)にも以前から小学校受験の話はしてあり根回しはバッチリだったので、「ちょっと一次の書類出してきます」と正直に言えば「がんばってね。うまくいくといいよなあ」と声をかけてくれるといういい感じになっている。
 
 最寄り駅につくとまあお受験スーツに身を包んだ保護者の大群がそこかしこにいる。
 時間ちょうどに行ったつもりなのにすでに長蛇の列。ふと携帯を見てみると泰子(仮名)からメッセージが入っている。
 「今日、一次提出だよね。もう学校来てるの? 今私もちょうどお迎えで学校にいるよ」
とのこと。送信された時間を見てみると、メッセージが送られてきたのは5分前ほどだ。
 「今私も学校にいるよ。提出終わったら電話するね」
と私もメッセージを送り返す。

 このところ毎週末、許永中そっくりの怪しい医者のやっている呼吸器科に通い、真面目に処方された漢方薬(←激マズ)を飲んでる甲斐もあって、私も娘も咳がずいぶんとおさまってきた。
 この調子でいけばO女付属小の抽選のころには私たちのしつこい咳(←マイコプラズマだったらしい)も完治するはず。

 講堂に入ると必要書類の提出と引き換えに一次抽選用の番号をもらう。私がもらった番号はBグループの199番。
 A、B、C各グループ600番台までいくらしいので、199番というのはそれほど遅い番号でもない。
 この番号が一次抽選で当たる確率は50分の1!!
 それって宝クジ並だよなあ。この高倍率の抽選のためにO女大附属を第一希望にする人は少ないんだそうな。
 そりゃそうだ。

 番号をもらって外に出ると泰子に電話する。
 ちょうど泰子は娘の真美ちゃん(仮名)を迎えにきていて帰りのバス停に並んでいた。
 泰子と楽しげに談笑しているO女大附属幼稚園のママたちはみんなきれいでおしゃれで、連れている子どもたちもなんだかとっても賢そうだ。
 なんだか選ばれし者どもって感じ。
 
 「美央さん、番号何番引いたの?」
 「199番」
 「う~ん。微妙だなあ。やっぱりこういうのって絶対に一番台を引いたほうが出るんだよねえ。せめて100番以内だよなあ。遅いよ。美央さん、もっと早く来れなかったの?」
 「無理だよ。これだって途中で会社抜けてきてるんだから」
 「そっか。まあ当たるといいよね」
 
上から目線の泰子とはこの場でバイバイして、会社に戻るために駅に向かうとちょうど保育園の同級生ママ・洋子(仮名)と由美子さん(仮名)がそれぞれ赤ちゃんを連れて歩いていた。
 ふたりとも気合はイマイチだ。このふたりは育休中で私より時間があるのに、もともと洋子は宝くじ感覚だし、由美子さんの第一希望はT大附属T小なので、O女附属受験をそれほど重視していない。
 まあそれもこれもすべて抽選の高倍率のためなんだけど。

 「あ、美央さん、早いねえ~」
と声を揃える洋子と由美子さん。う~ん、さっき泰子から「遅いっ!」と言われたばかりだったので、ちょっと複雑。
 
 最寄の駅まで歩いていくとなんと駅前に高層マンションが建てられるという看板が!
 う~む、きっとO女大附属とか受かっちゃった人とかもこういうところを購入することを検討するんだろうなあ~とぼんやり思いながら、絶対に我が家では買えそうもない金額のついたマンションの看板をじっと見つめるのであった。

2010年8月22日日曜日

神童・朔美ちゃん(仮名)とのお勉強会

 保育園もいっしょ、バレエもいっしょの朔美ちゃんもT大附属T小の一次抽選に合格し、翌日はいっしょにお勉強をさせることに。
 朔美ちゃんのパパとママは由美子さん(仮名)やみっちゃん(仮名)とは違い、たまたま抽選に合格したのでちょっとは準備でもするかというようなゆるいタイプだ。
 
由美子さんのところの雪美ちゃん(仮名)と3人でお勉強できるのがベストだったが、雪美ちゃんのところは家が遠いのでなかなかいっしょにというわけにもいかず、まあ歩いて2分程度のところに住んでいる朔美ちゃんとなら行き来がしやすいということでふたりで勉強することに。

バレエのレッスンのあと我が家でお勉強をさせたのだが、初めてWに行ったときの娘の評価がなんといきなりAランクで唯一Cランクだったのが、「ちぎり」であった。
それ以来、毎日「ちぎり」をひたすら娘に課し、タイマーで計ってスピードアップということをしているので、娘の「ちぎり」の様子を見て、「これはすごい!」と唸る朔美ちゃんママ。
おっほん! どんなもんだいって気分よ。

朔美ちゃんは2月生まれなのでCグループになりCグループの難易度は、8月生まれの娘のBグループの難易度より低いのでプリントもこれから準備の子は易しいものから始めればいい。
そういう意味では朔美ちゃんのほうが娘より一見有利だ。
ただWのカリスマ講師によると、Bグループは7割できればいいが、Cグループともなると問題が易しくなる分9割できていないとだめだそうだ。

またそれほど準備を進めていない朔美ちゃんはこの時点ではあまり「ちぎり」の要領もわかっている感じではなかった。
それに加えママも私と比べて3万倍は優しくおだやかなので、朔美ちゃんが「もうやらない」と言い出しても「じゃあちょっと休んだら」と優しく微笑んでいるだけだ。
それに比べて私のなんたるスパルタなことか。
娘がもし「もうやらない」なんて言いようものなら、極刑ものだ。

私がうるさいのと娘も真面目で努力家なのでコツコツやるのだが、しかし実際ふたりを比べると、きまぐれでやったりやらなかったりする朔美ちゃんのほうが「お話の記憶」が完璧だったり、図形でひらめきを見せたりしたのも現実だ。
うーん。さすがは神童。きっと雪美ちゃん並に以前から準備していて、さらにパパもママも由美子さん級に教育熱心だったらすさましいことになっていただろう。
 やっぱり地頭力ってあるのね~。

その日はWの模試があったので、お勉強後ふたりはW(←私のすすめで朔美ちゃんもWの模試を受けることに)へ。
当の私はかねてより予定に入っていたフラメンコの舞台を友人たちと観に行くことになっていたので、夫と朔美ちゃんママにWの模試はお任せして家を出た。

しかしいくら勉強をやらせても次から次へと解けない問題とか、課題が出てくる。
よその子と我が子を比べては一喜一憂したり。
あ~あ、マジでこんなことならもっと早く準備を始めてれば良かったとしみじみ思うのであった。

2010年8月8日日曜日

Wのカリスマ講師

 さて先週に引き続きWの直前講習だ。先週は土曜日当番だったため夫に代わりに出てもらったのだが、2回目は自ら参加する。
 気分を出すために娘には西松屋で買った白いブラウスとジャスコで買った紺色のキュロット、白い靴下というお受験スタイルで臨ませる。

 そして保護者たちは別の部屋に案内される。晩秋だというのに保護者たちの部屋は熱気に満ちている。受験って母親が熱心なパターンが多いとばかり思い込んでいたけど、熱心な父親も多いということをここ数ヶ月で知った。
 講習も両親揃ってメモ片手に気合満々な人たちが多い。夫がカルチャーショック受けるわけだよなあ~。
 
 時間が来たところで講師登場。新田(仮名)と名乗る講師はNHKのアナウンサーにいそうなタイプで、ずんぐりむっくりの冴えない風貌の中年のおじさん講師。でも低くよく通る声をしている。
 保護者を集めてこのおじさんがどんな話をするのだろう。しかも子どもたちが講習を受けている1時間半の間、保護者たちにもみっちりと1時間半、そんなに話をするネタなどあるものなのか?

 ところがこの新田先生の話がめっぽうおもしろいっ!
 カリスマ講師というのはこういう人のことをいうのか?
いわゆるお金が取れるトークというのか、保護者たちが聞きたい情報を惜しげもなく披露してくれるのもあるが、声のトーンとか話し方とか話の持っていき方がプロフェッショナルなのだ。
 講義スタイルで人の話を一方的に1時間半も聞くのは結構つらいはずなんだけど、あっという間の1時間半だった。
 本当のところはわからないけど、限りなくT大附属T小の出題者の先生以上にT大附属T小の受験に関してはくわしいのではないか、日本で5本の指にまちがいなく入るほどエキスパートだろうなあと思わせてくれる。
 この人の話を聞くためだけにお金を払う価値は十分ある。
 たった1回の講習でコロリと新田先生にやられた私である。

 この1時間半の間に出た話というのが、「お話の記憶」「重ね図形」「点図形」「ちぎり」「製作」などのT大附属T小必須の試験項目の対応策とチェックポイントがくわしく語られる。
 ずっとすべて完璧にできないといけないと思い込んでいたけど、新田先生いわくBグループは7割できればいいそうなのだ。それだけで気がぐっと楽になる。

 しかも製作は手元を見るだけなので、最後まで完成させる必要はないらしく、また完成した作品も見られる可能性は低いのだという。
 じゃあなんのために製作なんかさせるのかというと、そのときの子どもたちの手の動き、態度、テキパキやっているか、真剣にやっているか、時間切れになってもすぐに気持ちが切り替えられるのか、そういった作る過程を見ているのだという。
 そうかあ~、そんなことってこういう講習を受けないとわかんないもんね。

 そしてこの講習の白眉はなんといっても「志望理由のアンケートの書き方」だ。
 なんのために「志望理由」を書かせるのか? 話はここから始まる。
 T大附属T小学校の場合、学校説明会がない。なぜか? それはそれだけたくさんの人を収容しきれる施設がないからだそうだ。
 それで代わりに考案されたのが「志望理由のアンケート」だということで、ここのアンケートの目的は受験者たちがどれだけT大附属T小のことを知っているのかということを問う試金石だというのだ。

 通常私立などの「志望理由」は、まず家庭の教育方針があり、その教育方針が志望校の教育方針と合致しており、そこで子どもを伸ばしてほしいというものを中心に据え、そこに本人のアピールやらを散りばめ、熱く切望というのが王道パターンだ。ほとんどのお受験本では表現方法は違うにしても、基本がこのパターンを踏襲している。

 しかしT大附属T小の「志望理由」はそれではいけないのだという。10行あるT大附属T小の志望理由のアンケートは10行全部、「私は御校をこのような学校だと理解しています」という内容に費やすべきなのだそうだ。
 アンケートが合否に及ぼす影響はそれほど高いわけではないそうだが、親子面接もないT大附属T小の2次試験ではこの「志望理由」を書くことが唯一親が子どものためにやってあげられることなのだ。
 だからこそベストを尽くしたい。

 もちろん我らが新田先生は何をポイントにするべきか、書いたらNGなことも丁寧に教えてくれる。私立と違って温度の高い言葉もNGだ。さらりとしたクールな態度がT大附属T小の保護者には求められる姿なのだ。

 まあ間違いなくこの日講習を受けた親はこのアドバイスに従って志望理由を書くだろうから、似通ったものばかりになってしまうんだろうけど、なんと新田先生はFAXで下書きを送れば添削までしてくれるのだという。
 至れりつくせり。

 そして2次試験の案内に書かれていた「当日はマスクを持参してください」という見過ごしてしまいそうな文章について。
 その1文ひとつとっても保護者の協力具合を見ているというのだ。当日は当然マスクをして学校に向かい、マスクをしたままテストを受けさせられる可能性があるので、マスクをしてプリントをやる練習を今後は家でもやらせるべきだという。

 もうすごい。すごすぎる。たった1回でもこの充実さ。かえってプロフェッショナルなカリスマ講師の話を聞いたことで、気が楽になったというか、肩の力が抜けた気がする。
 プロの仕事というのはこういうことをいうんだろうなあと実感したのであった。

2010年8月6日金曜日

黒百合姉妹からの依頼

 半年ほど前に私の大好きな姉妹ユニット「黒百合姉妹」と久しぶりの再会を果たしたお話を書いた回があったのだか、覚えておいでだろうか?
 「12月末にライブがあるから来て」とJURIとLISAの姉妹から言われていたのだが、お受験でバタバタしているところにふたりからメールが入っていた。
 なんでも絵本つきのCDを出すのでその英文をチェックしてほしいとのこと。
 
黒百合姉妹のためならなんでもやりますよと安請負し、その文章を受け取るとガーン! 何これ!? 英文チェックだというので軽く考えていたら、あーた、全部日本語じゃないの! ってことはこれ、英訳しろってやつですか?

ここでばらしちゃいますけど、国際結婚していて横文字のけれんみたっぷりの苗字になっただけあって、「英語がペラペラ」な人だと誤解されているようだけど(←自ら誤解されるようにしているという説もある!)、それがそうでもないんだな。
だって私、海外留学の経験もなければ住んだ経験もないんだもん~。てっへ。

まあもちろんまったくしゃべれないとか聞き取れないということはないが、翻訳家だとか通訳だとか英語力を前面に出すような仕事をするレベルではないということだ。 
 友人などを通してそういった頼まれ仕事をしたこともあるのだが、それはネイティブの夫という最強のヘルプがあるからだ。
 まあ友人たちもそれを見越して、私にということではなくその背後に控えている夫に依頼していたという側面もあったはず。

 そういう夫も日本語からいきなり英語に訳せるわけではないので、結局はふたりで力を合わせてなんぼだという世界だ。
 まず私が日本語から英語にざっと訳し、細かいニュアンスを夫に伝える。私の粗い英文を夫がネイティブの英文に訳し直すというのが、日本語から英語に訳すときのやり方で、その逆の英語から日本語に訳すときはまず私が日本語にざっと訳し、細かいニュアンスを夫に聞く。それでネイティブの日本文に訳し直すという段取りを取っている。
 このときにすんなりと訳せればいいんだけど、細かいニュアンスを巡って夫婦喧嘩に発展することもしばしば。
 
 で久しぶりの英語仕事なのである。仕事といっても黒百合姉妹からお金は取れないので、したがってボランティアである。
 そこではたと思い出した。銀座の先生から2009年の5月、7月、9月と何か頼まれごとをし、それはボランティアであってもやるべきだと言われたことだ。
 今年はボランティアでもそれが将来の仕事に結びつく。そう銀座の先生は私に言った。
 
その5月、7月、9月のボランティアはてっきり早紀ちゃん(仮名)とのプロジェクトだと思い込んでいたが、私たちの古巣S社のあの煮え切らない態度を見る限り可能性はあまりなさそうだ。
 ということは思いっきり時期はずれこんでしまったが、もしかして将来の仕事に結びつくボランティアとは黒百合姉妹の英語仕事なのか!?

 しかも相手は黒百合姉妹! 歌詞世界も独特で摩訶不思議。神秘の世界である。この微妙なニュアンス、世界観を夫に伝える困難さよ。
 しかし相手は黒百合姉妹! 便利に使われていたとしてもファン冥利に尽きるではないか。
 私ったら意外と尽くすタイプなのね。

 久しぶりにクリエイティビティ溢れる活動をした瞬間なのであった。

2010年8月1日日曜日

M小学校の説明会

 翌週は住民票やら写真を貼った受験票など一通り揃えた2次試験の受付のため、再度T大附属T小学校へ。
 書類を出すだけなので、気は楽だ。

 それと前後して公立のM小学校にて就学前検診と説明会があった。ちょうどこの日はもしG大附属T小やG大附属O小の抽選が通っていたら、2次試験に当たる日だ。
 まいったなあ~と抽選前は思っていたが、はずれてしまった今となっては関係ない話だ。ちなみに由美子さんと雪美ちゃんはG大附属O小のテストを受けにいっているはずだ。

 この公立校で行われる就学前検診というのは、公立進学組またはまだ受験の残っている子どもは希望する公立小学校で、私立や国立の子でも学校から地域の検診を受けるようにと指導された場合は最寄の公立小学校で受けないといけないらしい。 
O女大附属も地域の検診を受けるように指導しているらしく、泰子もO女のママ友とM小学校の体育館にいた。

 M小学校は何年か前に3つの小学校が合併してできた新しい小学校なので、当たり前だけど設備は新しくてとてもきれいだ。
 T大附属T小なんかと比べると明るくてきれいなんだけど、なんというのか伝統の重みのようなものはまったく感じられない。

 体育館に集まっているお母様がたももちろんお受験スーツなんて着ている人はひとりもいなくて、ジーンズにトレーナー姿だったり超ラフな感じだ。
 そんな中でも泰子とそのお友だちとかT大附属T小学校の抽選にもいたあかねちゃんママこと高田さんなんかは学校行事にふさわしいシックかつ高価そうな装いで、素敵だ。
 ちなみに高田さんは私の顔を見るなり、「抽選どうだった?」と聞くので「通ったよ」と答えると、「うちも! お互い試験がんばりましょうね!」と固い握手を求めてきた。

 周りをぐるっと見渡すと保育園のママ友が全体の4分の1ぐらい。あとは育休中によく遊んだ近所のママ友も4分の1ぐらい。計半分ぐらいがなんと知り合いだった。
 私ったら顔が広いわ~。
 奈美子さん(仮名)と恵一くん(仮名)も来ていて小声でこっそりと、
「うちは抽選はずれちゃったけど、Aちゃんはがんばってね」
と声をかけてくれた。

 定刻どおりに学校説明会が始まったのだが、体育館の2階部分を学童の子どもたちにも開放しているので、子どもたちの声がうるさくて先生の話を集中して聞くことができない。そんなこともあってか親たちもざわざわしていて、落ち着かないことこのうえない。
 こんなことって絶対に国立小の学校説明会ではありえないことだ。

 あ~、いやだいやだ。なんか民度が違う感じ。T大附属T小の試験は確かに難関だけど、どうにか合格させて行かせてあげたい。そんな気持ちが強くなる。
 しかしここだと半分ぐらい知り合いだから心強いんだろうなあ~。しかも歩いて数十秒という至近距離。
 あ、そういえば同じ校区のはずの朔美ちゃん(仮名)がいない! もしかしたら検診を忘れてるのかな。
 あれこれと雑念が入って先生の話が耳に入らない。

 そして説明会が終わると検診に。小児科やら耳鼻科やら歯科やら眼科の先生が来ていて、順番に子どもを診てもらう。
 うちの娘はすべて異常なし。

 その後は先生方が待機しているブースにそれぞれ入り、質疑応答。
 私と娘が通されたのは校長先生が待っているブースだった。
 「こんにちは。お名前を言ってください」
 校長先生はまず娘に話しかける。
 蚊の泣くような声でボソボソ答える娘。

 こらあ~! 声が小さいっ! 先生の目を見て話せ~ぇ! 
 これがお受験だったら一発でアウトだ。しまった。ペーパーテストばかりに気を取られていて、こういった受け答えの訓練をすっかり怠っていた!
 あと2、3の質問を先生から問いかけられるものの、むにゃむにゃと歯切れの悪い娘。
 今晩から受け答えも特訓あるのみだ。

 そのあとは親に対する質疑応答。内容は子どもの健康状態だの進学にあたっての質問事項などだ。
 最後に「M小学校に入学する意思があるかどうか」という質問を投げかけられる。
 いや~ん。微妙な質問だわ~。
「今、国立小学校も受験していてご縁をいただけなければ、M小学校に入学いたします」

  う~ん。そのまんま。我ながら単刀直入だ。でもこれ以外に答えようがないではないか。
 気のせいか一瞬校長先生の顔が強張ったような。
 
 その後、泰子がO女のママ友とともに近づいてきて、
 「この人がうちの生徒(ピアノの)で、いろいろと国立受けてるって言ってた人よ」
と私たちをお友だちに紹介した。
 泰子のママ友はじっ~と娘を見つめ、その後「うん」と頷き、
 「この子、だいじょうぶよ。O女でもいいと思う。T大附属は体育会系でしょ。女の子はO女でのんびりがいいわよ。O女の雰囲気に合ってそうだし。ほらO女はハーフ好きだから抽選さえ通ればだいじょうぶよ。私も中国人だし、ハーフの子は有利よ」
と言うではないか!
 ハーフは有利って、ほんまかいな!
 つーか、あんたは占い師か!?

 ああ~、O女でもT大附属T小でもどちらでもいいから、神様お願いっ! 受からせてっ!