「あなたのご主人のお姉さんたちが揉めるのは、似た者同士が、ときにはチームを組んで片方に対抗したり、また別の人が片方と組んで攻撃したりと、3人がそれぞれに揉めるのではなく、相手を変えながら誰かを責めるので、際限がなくなるんです」
まるで見てきたかのようなことを言う先生。
そう、その通りなのだ。義姉たちは、いつも徒党を組む。
いつもどっちにつくか油断ならないのが、2番目のお義姉さんだ。
「何か解決策とかありますか?」
「あの人たちはずーとそうやっていくでしょう。変わらないですよ」
まったく仕方がないという表情で首を小さくすくめる先生。
やっぱり優香にちょっと似ているよなあ。タレントの優香をもう少し知的にして地味にさせたような感じ。
ふんわりした感じもちょっと優香ちっくかも。
「ご主人のお父さんはこの3人からの板挟みにあって、相当ストレスを溜めています。このところ、お姉さんたちの関係がさらに悪化してませんか?」
思わず「あっ!」と小さな叫び声をあげたくなる私。
そういえばクリスマスの日、いつものように家族全員に電話をかけて、明け方ごろ寝室に戻ってきた夫が、寝ている私をわざわざ起こして、
「うちのファミリーが大変なことになってるよ。みんな、大ゲンカしてる」
と言うではないか。
かなり気になる内容ではあったけど、眠気には勝てず、
「おお、そうかそうか、そりゃ大変」
と適当に相槌を打ち、とっとと寝てしまったダメ奥さんな私。
翌日改めて夫に聞きなおすと、また3人のお義姉さんたちが揉め始めたことで、クリスマスに家族がそろって会えなくなったということを、全員からそれぞれの言い分で聞いたらしいのだ。
うちの夫もお人よしで、向こうからも頻繁に電話をかけてきてくれたり、子どもたちの誕生日には欠かさずプレゼントを送ってきてくれる3番目のお義姉さんの話を熱心に聞くだけではなく、こちらからかけないと絶対に電話なんかかけてきてくれなくて、そのくせ夫が電話をするとひたすら一方的な話ばかりする1番目のお義姉さん、2番目のお義姉さんにもわざわざ電話なんてしている。
「ケンカっていつものことじゃないの?」
またかよっという顔で聞く私に対して、
「いや、今回は違うね」
と断言していた夫。
「大変って何が大変なわけ?」
「うーん、クリスマスに会わないってことだよ」
「それが何か?」
まったく噛み合っていない私たちの会話。どうやらイギリス人にとってはクリスマスに家族が会わないってことは大事件らしいのだ。
ふう~ん。
そのときの会話が鮮やかに思い出される。
どうやらこのことがお義父さんの心を痛めているらしいのだ。
「お義姉さんたちはそれぞれの言い分をすべてお義父さんにぶつけて、彼はまともにそれを被ってしまっています。調停に入ろうとするお義父さんの行動はすべて裏目に出てしまい、何かあると今度はお義父さんのせいにされてしまっているのです」
「そういうのってどうしたらいいんですか?」
「とにかく間には絶対に入らず、解決しようとしないことです。3人から距離をとって、関わらないことです。それしか方法はありません」
「私の夫はどうしたらいいんですか?」
「あなたの御主人は巻き込まれてもいないし、今まで通り関わらないで距離を保っていればだいじょうぶですよ。お義父さんのことはご主人から、関わらず巻き込まれないようにと忠告してもらってください。そうしないと体も壊しますよ」
そうか、お義父さんがそんなことになっていたとは。でも不思議。ふつう日本だったらたいていそういう場合、姉妹たちが愚痴るのは母親のほうにじゃないの?
まあいいか、夫に帰ったら聞いてみよう。
「あと引っ越す予定ってもしかしたらありますか?」
またしても私の仕事のこととは関係のないことを切り出してくる先生。
今度は引っ越しですかあ~!?
2009年7月28日火曜日
銀座2回目⑨
「あなたのご主人のお父様は何か揉めごとを抱えていませんか?」
え? 揉めごとですか?
お舅さんのたっぷりとした二重あごの目立つ顔を思い浮かべる。
ユニクロでも高いと言い放つオシャレ度0%の夫と違い、お舅さんはどんなときでも必ず襟付きのシャツを着て、ジェントルマンで、ロマンティックで、80歳近いおじいさんなのに、お義母さんに「ハイ、ダーリン」とか「ハニー」とか、しょっちゅう甘い言葉を囁いている。
お義母さんのことを本当に愛しているらしく、いつもキスをしていてラブラブで、一昔前に流行った「チャーミー・グリーン」そのものである。
お義父さんはがんこだけど、争いごとを嫌い、いつも鷹揚に構えている。
そんなお義父さんに降りかかる揉め事ってなんだろう?
「あなたのご主人の兄第で何か揉めていませんか?」
突然核心を突く先生。
夫は5人兄弟の4番目だ。内訳は姉3人と妹ひとり。日本的にいえば、たったひとりの男の子で長男だ。
私の母いわく、小姑ひとりに「鬼1000匹」というらしいので、私は4000匹もの鬼を相手にしなければならない。
まあ、今のところ遠く離れて暮らしているから、特に害はないんだけど。
確かに夫の姉3人は仲が悪い。夫と妹は、姉たちの眼中にはないらしく、蚊帳の外だ。
姉妹はどうやら複雑らしく(←私は男兄弟しかいないから、そういうのはよくわからん! 以上!)、お互いの頭脳、学歴、収入、美醜、結婚生活の成否などなど、ありとあらゆることが競争の対象になるらしい。
特に夫は3番目の姉と親しく、お互い行ったり来たりしたり、電話もちょくちょくしているので、その姉に肩入れしがちだが、私には絶対に巻き込まれるなと結婚以前から忠告している。
それぞれ別々にお互いの悪口を言わせたら、いつまででも言っているだろう。
ごくごくたま~にしか会わない私ですら、お義姉さまがたのお互いに対する悪口はお腹いっぱいになるほど聞かされているのだ。
そんなに嫌いなら会わなきゃいいじゃん!
私はいつもそう思う。
そう、3番目の義姉に行ったら、
「何言ってるの! 何があろうと私たちは姉妹なのよ。付き合わないでいられるわけないじゃない!」
という返事が返ってきた。
うーん、よくわからん。複雑すぎるぜ。じゃあ仲良くしようぜ!
「そうですね。夫には3人の姉と妹がひとりいるんですけど・・・」
正直に話す私。
「彼女たちは子どものころから揉めていますね」
そう、念を押す先生。
すごい! すごすぎる。なんでそんなことまでわかるの?
え? 揉めごとですか?
お舅さんのたっぷりとした二重あごの目立つ顔を思い浮かべる。
ユニクロでも高いと言い放つオシャレ度0%の夫と違い、お舅さんはどんなときでも必ず襟付きのシャツを着て、ジェントルマンで、ロマンティックで、80歳近いおじいさんなのに、お義母さんに「ハイ、ダーリン」とか「ハニー」とか、しょっちゅう甘い言葉を囁いている。
お義母さんのことを本当に愛しているらしく、いつもキスをしていてラブラブで、一昔前に流行った「チャーミー・グリーン」そのものである。
お義父さんはがんこだけど、争いごとを嫌い、いつも鷹揚に構えている。
そんなお義父さんに降りかかる揉め事ってなんだろう?
「あなたのご主人の兄第で何か揉めていませんか?」
突然核心を突く先生。
夫は5人兄弟の4番目だ。内訳は姉3人と妹ひとり。日本的にいえば、たったひとりの男の子で長男だ。
私の母いわく、小姑ひとりに「鬼1000匹」というらしいので、私は4000匹もの鬼を相手にしなければならない。
まあ、今のところ遠く離れて暮らしているから、特に害はないんだけど。
確かに夫の姉3人は仲が悪い。夫と妹は、姉たちの眼中にはないらしく、蚊帳の外だ。
姉妹はどうやら複雑らしく(←私は男兄弟しかいないから、そういうのはよくわからん! 以上!)、お互いの頭脳、学歴、収入、美醜、結婚生活の成否などなど、ありとあらゆることが競争の対象になるらしい。
特に夫は3番目の姉と親しく、お互い行ったり来たりしたり、電話もちょくちょくしているので、その姉に肩入れしがちだが、私には絶対に巻き込まれるなと結婚以前から忠告している。
それぞれ別々にお互いの悪口を言わせたら、いつまででも言っているだろう。
ごくごくたま~にしか会わない私ですら、お義姉さまがたのお互いに対する悪口はお腹いっぱいになるほど聞かされているのだ。
そんなに嫌いなら会わなきゃいいじゃん!
私はいつもそう思う。
そう、3番目の義姉に行ったら、
「何言ってるの! 何があろうと私たちは姉妹なのよ。付き合わないでいられるわけないじゃない!」
という返事が返ってきた。
うーん、よくわからん。複雑すぎるぜ。じゃあ仲良くしようぜ!
「そうですね。夫には3人の姉と妹がひとりいるんですけど・・・」
正直に話す私。
「彼女たちは子どものころから揉めていますね」
そう、念を押す先生。
すごい! すごすぎる。なんでそんなことまでわかるの?
2009年7月24日金曜日
銀座2回目⑧
「娘さんはコツコツと努力するタイプで、真心のある子ですね。この子は本当にまじめで、心の優しい子です」
引き続き子どもたちの話をする先生。
前回も娘に関しては同じようなことを言っていたよなあ。
確かに娘はピアノでもバレエでもコツコツと練習するタイプで、基本的にまじめだ。誰よりも他人に気を遣うタイプで、私の血をこれっぽっちも引き継いでいない感じ。産んだとき、あんなに痛かったのにな。どういうことだ、いったい。
弟と何かを分け合うときにも、
「私は小さいほうでいいから」
という健気な子なのだ。まだ5歳なのに、なんという心優しさなのだ。
そうだよ、先生。娘のこと、当たってるよ~。
「高校まではエスカレーター式に行きそうですけど、大学受験はしますね。パパの国か日本の大学に行きそうです。向いているのは法律や会計や看護の世界です。公務員もいいです」
「そして、息子さんはこの子は楽しみな子です。天才ですよ、期待していいです。けど、この子は気まぐれで好きなことしかやりません。お姉ちゃんみたいにコツコツと努力することを覚えると最強です。ぜひ努力することを教えてあげてください。この子もT小です。お姉ちゃんと同じで高校までエスカレーター式で行きます。大学はちょっと特殊な分野を専攻しそうです。日本の大学ではないですね。たぶんアメリカの大学かな。医学や芸術関係が向いています。世界で活躍しますよ」
まじですか!!!!
「世界」とは先生も大きく出たもんだ!
「天才」「気まぐれ」「好きなことしかしない」
前回も言われた息子のキーワードだ。
天才かどうかはわからないけど、確かに息子は気まぐれで、周囲の人間を大いに振り回している。
ちなみに娘が、「私は小さいほうでいいから」と言い出すと、
「ぼくは大きいほうでいいから!」
とすかさず返すお茶目な野郎だ。こいつ、絶対に私の息子だ。
気まぐれなところが皆無な夫は、いつも息子がわからないと言い、自分の血をこれっぽっちも引き継いでいない感じがすると言う。
娘は夫に似ていて、息子は私に似ているっていうのは、1回目のときから先生に指摘されていたが、このところ改めてその通りだと思う。
「彼は名誉やお金や地位よりもやりたい勉強や仕事があるのです。高校生ぐらいからやりたいことを考え始めるでしょう。必ず彼のやりたいことはやらせてあげてください。彼のやりたいことはお金がかかりますが、そのころのあなたたちならだいじょうぶです。彼はいいですよ。とっても」
大学でお金がかかるのかあ~。そりゃあ、医学とか芸術をアメリカで学ぶんならお金かかるよなあ~。
そんなの払えるのか!? 私たち!
まあ、息子に関してはT小に行けるかどうかは2年以内に結論は出るが、大学まではまだまだ先の話だなあ。
自分のことを聞きにきたつもりだったが、しょっぱなから子どもたちの話がてんこもりである。
まさかまさかいきなり受験のことなんて、言われるなんて思ってなかったよなあ。
こんなことを聞いてしまったら、私も「なんちゃって」受験ママになってしまうのだろうか。
すでに、帰ったら速攻で受験情報を集めようと考え始めている単純な私だ。
「そして、あなたのご主人のお父様、すなわちあなたにとってはお舅さんのお話をこれからします」
おお、夫のパパ。英語で言うところの「ファーザー・イン・ロー」のことだな。
引き続き子どもたちの話をする先生。
前回も娘に関しては同じようなことを言っていたよなあ。
確かに娘はピアノでもバレエでもコツコツと練習するタイプで、基本的にまじめだ。誰よりも他人に気を遣うタイプで、私の血をこれっぽっちも引き継いでいない感じ。産んだとき、あんなに痛かったのにな。どういうことだ、いったい。
弟と何かを分け合うときにも、
「私は小さいほうでいいから」
という健気な子なのだ。まだ5歳なのに、なんという心優しさなのだ。
そうだよ、先生。娘のこと、当たってるよ~。
「高校まではエスカレーター式に行きそうですけど、大学受験はしますね。パパの国か日本の大学に行きそうです。向いているのは法律や会計や看護の世界です。公務員もいいです」
「そして、息子さんはこの子は楽しみな子です。天才ですよ、期待していいです。けど、この子は気まぐれで好きなことしかやりません。お姉ちゃんみたいにコツコツと努力することを覚えると最強です。ぜひ努力することを教えてあげてください。この子もT小です。お姉ちゃんと同じで高校までエスカレーター式で行きます。大学はちょっと特殊な分野を専攻しそうです。日本の大学ではないですね。たぶんアメリカの大学かな。医学や芸術関係が向いています。世界で活躍しますよ」
まじですか!!!!
「世界」とは先生も大きく出たもんだ!
「天才」「気まぐれ」「好きなことしかしない」
前回も言われた息子のキーワードだ。
天才かどうかはわからないけど、確かに息子は気まぐれで、周囲の人間を大いに振り回している。
ちなみに娘が、「私は小さいほうでいいから」と言い出すと、
「ぼくは大きいほうでいいから!」
とすかさず返すお茶目な野郎だ。こいつ、絶対に私の息子だ。
気まぐれなところが皆無な夫は、いつも息子がわからないと言い、自分の血をこれっぽっちも引き継いでいない感じがすると言う。
娘は夫に似ていて、息子は私に似ているっていうのは、1回目のときから先生に指摘されていたが、このところ改めてその通りだと思う。
「彼は名誉やお金や地位よりもやりたい勉強や仕事があるのです。高校生ぐらいからやりたいことを考え始めるでしょう。必ず彼のやりたいことはやらせてあげてください。彼のやりたいことはお金がかかりますが、そのころのあなたたちならだいじょうぶです。彼はいいですよ。とっても」
大学でお金がかかるのかあ~。そりゃあ、医学とか芸術をアメリカで学ぶんならお金かかるよなあ~。
そんなの払えるのか!? 私たち!
まあ、息子に関してはT小に行けるかどうかは2年以内に結論は出るが、大学まではまだまだ先の話だなあ。
自分のことを聞きにきたつもりだったが、しょっぱなから子どもたちの話がてんこもりである。
まさかまさかいきなり受験のことなんて、言われるなんて思ってなかったよなあ。
こんなことを聞いてしまったら、私も「なんちゃって」受験ママになってしまうのだろうか。
すでに、帰ったら速攻で受験情報を集めようと考え始めている単純な私だ。
「そして、あなたのご主人のお父様、すなわちあなたにとってはお舅さんのお話をこれからします」
おお、夫のパパ。英語で言うところの「ファーザー・イン・ロー」のことだな。
2009年7月22日水曜日
銀座2回目⑦
「気軽に受ければいいんですよ。記念受験で全然だいじょうぶです。ただし娘さんにプレッシャーは与えないでくださいね。うん、この子、受かるな。だいじょうぶです」
シートに「T小です」と書き込み、「記念受験でOK」と付け加える先生。
いいの? そんな断言しちゃって! 結果は1年以内に出るんだよ!
「塾とか行かなくていいんですか?」
「うーん、行ってもいいけど、無駄です。そんなの行かなくてもだいじょうぶ」
ええ? そんな都合のいいことなんてありえる?
「でも国立ってクジでしょ? すごい倍率何でしょ? 私、クジ運めちゃくちゃ悪いんですよ」
そう、私はクジ運のない女。商店街のクジでもティッシュ以上の景品(←景品というより参加賞)は当たった試しもなく、読者プレゼントもことごとくはずれ、唯一当たったのは、子どものとき「なかよし」の読者プレゼントで800円分の切手をはがきに貼って送って代わりにもらった「おはようスパンク!」の筆箱のみ!(←ただし、当たったというより、買わされたという説もあり)
「その場合はお母さんのクジ運じゃなくて、お子さんのクジ運が物を言うんです。だからお母さんのクジ運の悪さを心配する必要はないんですよ」
へえ~、そうなんだ。
「でもそのあとに弟も小学校に入るのに、違うところに行かれたら学校行事とか大変じゃないですか」
そうだ、そうだ。近くに歩いて100メートルもないようなところに区立小学校があるのに、姉弟でバラバラの小学校に行かれたら、大変じゃん! 第一送り迎えとかどうするのだ?
「弟さんの生年月日を教えてください。男の子の制服がハッキリ見えてますから、ふたり揃ってT小の可能性が高いです」
ええ~! うそぉ~!
「うわ! やっぱりこの子、天才だわ!」
息子の生年月日を調べたあとにニッコリ笑う先生。そのあとも何度も「うーん、天才、天才」とつぶやいている。
本当にそうなのか!? 息子よ!
ちょっと最近はその片鱗らしさを見せているが、基本は野生の子猿である。
「うん、ふたり揃ってT小ですね。息子さんも公立、私立、インターナショナルスクールは出てない。息子さんも受かりますよ。彼も記念でOK」
ええ~!!!! ふたり揃って国立のT小!?
そんなことってありえるの? ただでさえ、倍率が高いのにふたりとも!?
まったく思ってもみなかったことをズバズバ言われて、ドキドキする私。
もう~、まじぃ?
「ふたり揃ってなんて、結構ある話ですよ。受かる人は受かるんです。兄弟3人揃って国立なんて話もあるんだから」
へえ~! そんな人が世の中にいるとは!
「じゃあ、ふたりともT小ってわかっているんだったら、T小だけ受ければいいんですよね?」
「いや、国立は全部受けてください」
「え?」
「私立は受けなくていいです。でも国立はふたりとも全部受けてください」
うーん。意味不明。全部受けて試験慣れしろということなのか?
しかしあの野生サルの息子が試験とか、面接とか、耐えられるのだろうか? どうも想像がつかないな。
娘は確かに受験向きかもしれないけど。
「ふたりとも制服を着ています。そして中学受験も高校受験も出ていません」
なになに? それってどういうこと?
「ふたりともそのままエスカレーター式にT小からT中に行って、そのまま高校まで行く可能性が高いですね。受験は大学受験まであとはありません」
なんて都合がいいのだ! 小学校で受験勉強もしていないのに、記念受験で国立に2人の子供が揃って受かり、そのまま中学も高校も受験しないでそのまま上がって行けるなんて! しかも国立だから学費は安い。
そんな親にとって願ったり叶ったりの話が自分の身の上に起こるとはまったく想像がつかん。
よっぽど前世にいいことをしていたのか、私!?
シートに「T小です」と書き込み、「記念受験でOK」と付け加える先生。
いいの? そんな断言しちゃって! 結果は1年以内に出るんだよ!
「塾とか行かなくていいんですか?」
「うーん、行ってもいいけど、無駄です。そんなの行かなくてもだいじょうぶ」
ええ? そんな都合のいいことなんてありえる?
「でも国立ってクジでしょ? すごい倍率何でしょ? 私、クジ運めちゃくちゃ悪いんですよ」
そう、私はクジ運のない女。商店街のクジでもティッシュ以上の景品(←景品というより参加賞)は当たった試しもなく、読者プレゼントもことごとくはずれ、唯一当たったのは、子どものとき「なかよし」の読者プレゼントで800円分の切手をはがきに貼って送って代わりにもらった「おはようスパンク!」の筆箱のみ!(←ただし、当たったというより、買わされたという説もあり)
「その場合はお母さんのクジ運じゃなくて、お子さんのクジ運が物を言うんです。だからお母さんのクジ運の悪さを心配する必要はないんですよ」
へえ~、そうなんだ。
「でもそのあとに弟も小学校に入るのに、違うところに行かれたら学校行事とか大変じゃないですか」
そうだ、そうだ。近くに歩いて100メートルもないようなところに区立小学校があるのに、姉弟でバラバラの小学校に行かれたら、大変じゃん! 第一送り迎えとかどうするのだ?
「弟さんの生年月日を教えてください。男の子の制服がハッキリ見えてますから、ふたり揃ってT小の可能性が高いです」
ええ~! うそぉ~!
「うわ! やっぱりこの子、天才だわ!」
息子の生年月日を調べたあとにニッコリ笑う先生。そのあとも何度も「うーん、天才、天才」とつぶやいている。
本当にそうなのか!? 息子よ!
ちょっと最近はその片鱗らしさを見せているが、基本は野生の子猿である。
「うん、ふたり揃ってT小ですね。息子さんも公立、私立、インターナショナルスクールは出てない。息子さんも受かりますよ。彼も記念でOK」
ええ~!!!! ふたり揃って国立のT小!?
そんなことってありえるの? ただでさえ、倍率が高いのにふたりとも!?
まったく思ってもみなかったことをズバズバ言われて、ドキドキする私。
もう~、まじぃ?
「ふたり揃ってなんて、結構ある話ですよ。受かる人は受かるんです。兄弟3人揃って国立なんて話もあるんだから」
へえ~! そんな人が世の中にいるとは!
「じゃあ、ふたりともT小ってわかっているんだったら、T小だけ受ければいいんですよね?」
「いや、国立は全部受けてください」
「え?」
「私立は受けなくていいです。でも国立はふたりとも全部受けてください」
うーん。意味不明。全部受けて試験慣れしろということなのか?
しかしあの野生サルの息子が試験とか、面接とか、耐えられるのだろうか? どうも想像がつかないな。
娘は確かに受験向きかもしれないけど。
「ふたりとも制服を着ています。そして中学受験も高校受験も出ていません」
なになに? それってどういうこと?
「ふたりともそのままエスカレーター式にT小からT中に行って、そのまま高校まで行く可能性が高いですね。受験は大学受験まであとはありません」
なんて都合がいいのだ! 小学校で受験勉強もしていないのに、記念受験で国立に2人の子供が揃って受かり、そのまま中学も高校も受験しないでそのまま上がって行けるなんて! しかも国立だから学費は安い。
そんな親にとって願ったり叶ったりの話が自分の身の上に起こるとはまったく想像がつかん。
よっぽど前世にいいことをしていたのか、私!?
2009年7月21日火曜日
銀座2回目⑥
「うん、間違いない。T小ですね。受けるんですよね?」
「ええええ!!! まあ記念では受けてもいいかなとは思ってたんですけど・・・・うち、T小よりもO女とかT大付属のほうが近いんですけど」
「うーん、この子はT大付属って感じじゃないんだな」
感じじゃないって言われても・・・。
しかしT小。考えてもいなかったぞ!!! 国立小学校だということは知ってるけど、いったいどんな学校なんだ!?
そういえば、近所で2年保育時に受かってT幼稚園に行っている同い年の女の子がいたっけ。
その子はエスカレーター式で、娘が小学校に入った年にT小の生徒になっているはずだ。
その子のママは専業主婦で、同じ専業主婦のママ友と3人でいつもつるんでいた。
私はちょうど育休中にその3人組としょっちゅう児童館なんかで鉢合わせていた。
年少時に3人とも同じ私立の幼稚園に入り、年中時に3人そろって国立の幼稚園を受験したら、ひとりだけ受かったので、その他ふたりのママから絶縁されてしまったのだという話を、泰子(仮名)から聞いたことがあった。
何やら「あんな子が受かること自体おかしい!!」と半狂乱になったT小に入れなかったほうのママと、受かったほうのママは相当仲良かったのに、娘の受験一つで完全決裂に至ってしまったという。
やっぱりこういう話を聞くと、一昔前に起こったお受験殺人事件を思い出してしまう。
ああ~、やめておくれよ、まったく。
子どもとはいえ、他人なのにどうしてそんなに一生懸命なれるんだろう? なんでそんなに必死になれるんだろう?
私がもしかしたら冷たいのかな。
お友だちが受かったことを笑顔で「よかったね」って言う代わりに、「あんな子が!」なんて髪を振り乱すような親にだけはなりたくない。
そこまでして国立に入りたいって思う人がいるってことだろう。
「国立ってみんなが入りたくって、相当その場合って子どもなのに勉強させてますよね? うちはそういうお受験塾にも行ってないし、全然準備なんて・・・」
「いいんですよ、準備なんてしなくても」
ええ!!! それはだめでしょ!
「ええええ!!! まあ記念では受けてもいいかなとは思ってたんですけど・・・・うち、T小よりもO女とかT大付属のほうが近いんですけど」
「うーん、この子はT大付属って感じじゃないんだな」
感じじゃないって言われても・・・。
しかしT小。考えてもいなかったぞ!!! 国立小学校だということは知ってるけど、いったいどんな学校なんだ!?
そういえば、近所で2年保育時に受かってT幼稚園に行っている同い年の女の子がいたっけ。
その子はエスカレーター式で、娘が小学校に入った年にT小の生徒になっているはずだ。
その子のママは専業主婦で、同じ専業主婦のママ友と3人でいつもつるんでいた。
私はちょうど育休中にその3人組としょっちゅう児童館なんかで鉢合わせていた。
年少時に3人とも同じ私立の幼稚園に入り、年中時に3人そろって国立の幼稚園を受験したら、ひとりだけ受かったので、その他ふたりのママから絶縁されてしまったのだという話を、泰子(仮名)から聞いたことがあった。
何やら「あんな子が受かること自体おかしい!!」と半狂乱になったT小に入れなかったほうのママと、受かったほうのママは相当仲良かったのに、娘の受験一つで完全決裂に至ってしまったという。
やっぱりこういう話を聞くと、一昔前に起こったお受験殺人事件を思い出してしまう。
ああ~、やめておくれよ、まったく。
子どもとはいえ、他人なのにどうしてそんなに一生懸命なれるんだろう? なんでそんなに必死になれるんだろう?
私がもしかしたら冷たいのかな。
お友だちが受かったことを笑顔で「よかったね」って言う代わりに、「あんな子が!」なんて髪を振り乱すような親にだけはなりたくない。
そこまでして国立に入りたいって思う人がいるってことだろう。
「国立ってみんなが入りたくって、相当その場合って子どもなのに勉強させてますよね? うちはそういうお受験塾にも行ってないし、全然準備なんて・・・」
「いいんですよ、準備なんてしなくても」
ええ!!! それはだめでしょ!
2009年7月14日火曜日
銀座2回目⑤
「学習院だなんてありえないですよ! 私、働いてるし(←学習院は母親が働いていると入れないって聞いたことがあったから。ガセだったらスマン)、学習院に入れるような家柄でもないし」
「うーん、じゃあどこだろう。制服がね、学習院に似てるんだけど。女の子の制服も見えてて、こっちはなんか古臭いなあ。セーラー服っぽい感じにも見えるんだけど。女の子の制服は、学習院じゃないから。やっぱ、学習院じゃないってことか・・・」
何やらブツクサ独り言を言っている先生。
そういえば私と娘のピアノの先生でもあるママ友泰子(仮名)が来たときも、「セーラー服が見える」なんて話が出て、それがO女のものだった!なんて話もあったよなあ。
先生ってきっと東京の人なんだろう。そうじゃなきゃ、小学校とかの制服とか普通知らないもんね。
「うーん、どこかなあ。見たことある制服なんだよなあ。しかも男の子のほうがバッチリ出てるよなあ」
男の子ですって!?
「先生、次に年長になる子どもは娘なんです!」
「え??? そうなの??? 男の子じゃないの?」
なんだか焦っている先生。
ちょっと前にテレビで保険かなんかのCMでやっていた「猫を飼っていますね?」「いいえ、犬なんですけど・・・」なんて、いんちき占い師に診てもらってトホホなんて場面を思い出してしまう。
さすがにそれはこの先生に対して失礼か。
「え? 女の子? じゃあなんでこんなに男の子の制服がハッキリ見えるんだろう?」
お、まさか、まさか。男の子の制服って、うちのひょっとしたら天才息子のことか!?
しかし彼は気まぐれすぎて、絶対に受験とか無理なタイプだ。
「実はうち、年子で次の次に年長になる子は男の子なんです」
「あ~、そういうことか。でもちょっと待ってくださいよ。そんな先の話じゃないんですよ。じゃあ娘さんの生年月日教えてもらえますか?」
「ああ~、なるほど。はいはい」
娘の生年月日を例によって、足していって逆三角形の数字の塊にしている先生。数字を見て何やら頷いている。
「娘さん、受かりますよ。確率がかなり高いです。この子の着る制服は・・・・」
「いや、先生、でも、うち歩いて超近いところに小学校があって、みんな通ってるんですよ。全然、そこでいいのに」
「でも区立に行くってのは、出てないんだよなあ~」
「私立は、うち、無理ですよ。財政的に。あ、インターナショナルスクールとかは?」
「インターナショナルスクールも出てないです。私立でもないし・・・。それで、この制服・・・。特に男の子の制服・・・・」
「しかも姉弟でバラバラに学校に行かれても困るし」
ブツクサ言う私。
「あ! わかった! はいはいはいはい。わかりましたよ。学校!ここで決まりだわ」
「!?」
「T小学校ですよ、国立の」
ええええ!!!!!!! 国立小学校ですか!?
うそ~!? 受験勉強とかってまったくやってないんですけど!
国立ですかあ~!!!!
「うーん、じゃあどこだろう。制服がね、学習院に似てるんだけど。女の子の制服も見えてて、こっちはなんか古臭いなあ。セーラー服っぽい感じにも見えるんだけど。女の子の制服は、学習院じゃないから。やっぱ、学習院じゃないってことか・・・」
何やらブツクサ独り言を言っている先生。
そういえば私と娘のピアノの先生でもあるママ友泰子(仮名)が来たときも、「セーラー服が見える」なんて話が出て、それがO女のものだった!なんて話もあったよなあ。
先生ってきっと東京の人なんだろう。そうじゃなきゃ、小学校とかの制服とか普通知らないもんね。
「うーん、どこかなあ。見たことある制服なんだよなあ。しかも男の子のほうがバッチリ出てるよなあ」
男の子ですって!?
「先生、次に年長になる子どもは娘なんです!」
「え??? そうなの??? 男の子じゃないの?」
なんだか焦っている先生。
ちょっと前にテレビで保険かなんかのCMでやっていた「猫を飼っていますね?」「いいえ、犬なんですけど・・・」なんて、いんちき占い師に診てもらってトホホなんて場面を思い出してしまう。
さすがにそれはこの先生に対して失礼か。
「え? 女の子? じゃあなんでこんなに男の子の制服がハッキリ見えるんだろう?」
お、まさか、まさか。男の子の制服って、うちのひょっとしたら天才息子のことか!?
しかし彼は気まぐれすぎて、絶対に受験とか無理なタイプだ。
「実はうち、年子で次の次に年長になる子は男の子なんです」
「あ~、そういうことか。でもちょっと待ってくださいよ。そんな先の話じゃないんですよ。じゃあ娘さんの生年月日教えてもらえますか?」
「ああ~、なるほど。はいはい」
娘の生年月日を例によって、足していって逆三角形の数字の塊にしている先生。数字を見て何やら頷いている。
「娘さん、受かりますよ。確率がかなり高いです。この子の着る制服は・・・・」
「いや、先生、でも、うち歩いて超近いところに小学校があって、みんな通ってるんですよ。全然、そこでいいのに」
「でも区立に行くってのは、出てないんだよなあ~」
「私立は、うち、無理ですよ。財政的に。あ、インターナショナルスクールとかは?」
「インターナショナルスクールも出てないです。私立でもないし・・・。それで、この制服・・・。特に男の子の制服・・・・」
「しかも姉弟でバラバラに学校に行かれても困るし」
ブツクサ言う私。
「あ! わかった! はいはいはいはい。わかりましたよ。学校!ここで決まりだわ」
「!?」
「T小学校ですよ、国立の」
ええええ!!!!!!! 国立小学校ですか!?
うそ~!? 受験勉強とかってまったくやってないんですけど!
国立ですかあ~!!!!
2009年7月12日日曜日
銀座2回目④
唐突に受験生が周りにいると断定された私。心当たりといえば、小4(当時)の甥っ子しかいない。
「わかりました。私の甥ですね、中学受験のために今、すごく勉強してますから。その子のことをおっしゃっているのかな」
「甥だとか姪ぐらい離れていると、そんな受験のことなんて出ないんですよ。もっと近い人、たとえばあなたのお子さんが受験を控えているんじゃないんですか?」
まっすぐに私を見つめる先生。
ええ~!? まさかまさか!
「いえいえ、うちの子どもたちは保育園行ってますから。そんな受験だなんて全然・・・」
「お子さんの小学校受験は考えていないんですか?」
「小学校受験ですか!?」
田舎者の私は高校までは公立校というのが当たり前の環境で育っていた。ましてや、小学校や中学なんていうものは、試験を受けて入るところじゃなくて、家から一番近いところに無条件に入るものだという感覚が染み付いている。
それでも昨今は私の田舎でも一部の子たちが、中学受験を考え始めたそうで、小学校から大枚をはたいて塾通いをしている。
私の甥もそのタイプで、弟家族と同居している母などは、
「まあ、小学校であんなに毎日塾通いさせるなんて、私らの世代にはわけわからんわ。なんで普通の中学やったらあかんのやろ。こんなことやったら今、子ども育てろって言われたら、私らもうようやらんわ」
と時代の移り変わりに嘆いている。
「小学校のね、制服が見えるんですよ。受験すれば受かりますよ」
ええ~???
中学受験ですら、なんだそれ~?の世界の私だ。ましてや小学校受験だなんて異次元の話だ。
田舎だと近所の公立校に行くしかないのに、東京だと、やれ、私立だとか、国立だとか学校があれこれありすぎる。
近所の専業主婦のママたちは教育熱心な人が多くて、幼稚園に入るときに喧々諤々と、やれどこが受験に有利だの、どこだとエスカレーター式に上がっていけるだのといろいろやっていたけど、うちの子どもたちには無関係だった。
第一、 幼稚園なんてどうせ履歴書に載せないじゃん。
どうして幼稚園ごときであんなに目の色を変えて騒いでいるのか、まったく理解できなかった。
それにうちから歩いて1分もかからないところに区立小学校があるのだ。そこは校舎もまだ新しく、保育園のお友だちの6割ぐらいは行くところだし、場所柄ハーフの子も公立小学校にしては多いので、うちの子どもたちが浮くことはない。
うちの区は隣接する小学校の選択制をとっていて、その近所の小学校は結構人気があるらしく、違う学区からも越境入学してくる子がいるという。
そんな小学校が歩いて1分かからないところにあるんだよ。
それなのに受験ってどうゆうこと!?
「本当にお子さんの受験とか考えていないんですか?」
念押しする先生。
「いや、全然。上の子は確かに次に年長クラスになるので、受験の年といえば年ですけど、すごーく家の近くに公立小があるし。まあ、国立なら記念でくじだけ引こうとは思ってましたけど・・・」
「ハッキリと制服が見えてるんですよ。これどこだろう。男の子の制服が庇帽を被っていて、白いシャツに紺のブレザーで・・・」
さらさらと制服の絵を書き込む先生。
「なんか学習院っぽいんだよなあ~」
学習院!? ありえねえ~!
っていうか、学習院の制服って知らねえ~!
「わかりました。私の甥ですね、中学受験のために今、すごく勉強してますから。その子のことをおっしゃっているのかな」
「甥だとか姪ぐらい離れていると、そんな受験のことなんて出ないんですよ。もっと近い人、たとえばあなたのお子さんが受験を控えているんじゃないんですか?」
まっすぐに私を見つめる先生。
ええ~!? まさかまさか!
「いえいえ、うちの子どもたちは保育園行ってますから。そんな受験だなんて全然・・・」
「お子さんの小学校受験は考えていないんですか?」
「小学校受験ですか!?」
田舎者の私は高校までは公立校というのが当たり前の環境で育っていた。ましてや、小学校や中学なんていうものは、試験を受けて入るところじゃなくて、家から一番近いところに無条件に入るものだという感覚が染み付いている。
それでも昨今は私の田舎でも一部の子たちが、中学受験を考え始めたそうで、小学校から大枚をはたいて塾通いをしている。
私の甥もそのタイプで、弟家族と同居している母などは、
「まあ、小学校であんなに毎日塾通いさせるなんて、私らの世代にはわけわからんわ。なんで普通の中学やったらあかんのやろ。こんなことやったら今、子ども育てろって言われたら、私らもうようやらんわ」
と時代の移り変わりに嘆いている。
「小学校のね、制服が見えるんですよ。受験すれば受かりますよ」
ええ~???
中学受験ですら、なんだそれ~?の世界の私だ。ましてや小学校受験だなんて異次元の話だ。
田舎だと近所の公立校に行くしかないのに、東京だと、やれ、私立だとか、国立だとか学校があれこれありすぎる。
近所の専業主婦のママたちは教育熱心な人が多くて、幼稚園に入るときに喧々諤々と、やれどこが受験に有利だの、どこだとエスカレーター式に上がっていけるだのといろいろやっていたけど、うちの子どもたちには無関係だった。
第一、 幼稚園なんてどうせ履歴書に載せないじゃん。
どうして幼稚園ごときであんなに目の色を変えて騒いでいるのか、まったく理解できなかった。
それにうちから歩いて1分もかからないところに区立小学校があるのだ。そこは校舎もまだ新しく、保育園のお友だちの6割ぐらいは行くところだし、場所柄ハーフの子も公立小学校にしては多いので、うちの子どもたちが浮くことはない。
うちの区は隣接する小学校の選択制をとっていて、その近所の小学校は結構人気があるらしく、違う学区からも越境入学してくる子がいるという。
そんな小学校が歩いて1分かからないところにあるんだよ。
それなのに受験ってどうゆうこと!?
「本当にお子さんの受験とか考えていないんですか?」
念押しする先生。
「いや、全然。上の子は確かに次に年長クラスになるので、受験の年といえば年ですけど、すごーく家の近くに公立小があるし。まあ、国立なら記念でくじだけ引こうとは思ってましたけど・・・」
「ハッキリと制服が見えてるんですよ。これどこだろう。男の子の制服が庇帽を被っていて、白いシャツに紺のブレザーで・・・」
さらさらと制服の絵を書き込む先生。
「なんか学習院っぽいんだよなあ~」
学習院!? ありえねえ~!
っていうか、学習院の制服って知らねえ~!
2009年7月11日土曜日
銀座2回目③
扉の向こうには穏やかな顔をした先生が座っていた。
「お久しぶりですね」
にこやかに先生が言う。どうやら覚えていてくれたらしい。
嬉しい反面、これだけ私の紹介した人が来てるんだもん、覚えてくれていたって、罰は当たらないよねとも思う。
「では背後を見させていただきますね」
うわ~! 出た!
パチンっと電気を消され、一本だけろうそくに火がともされる。ほの暗い炎の背後に浮かぶ先生の整った顔。
燭台を持った先生がぐるりと私の背後を照らし出す。先生の視線は私を通り越したところにあって、前回同様、「あ~」とか「うんうん」とか「ふーん」とか言いながら私の肩越しに向かって先生が頷いたり何やら納得していたりしている。
この瞬間はどこを向いていたらいいのか、さっぱりわからない。ちょっとの沈黙のあと、電気を点けた先生が、
「うん、だいじょうぶ、だいじょうぶ。変なのはやっぱり憑いていない」
と言う。
ああ~、良かった。何か憑いていたら大変なことである。
「受験生がいますか?」
唐突に切り出す先生。
「はい?」
「あなたの周りに受験生がいますか?」
再度念を押すように畳み込む先生。
「いや、いません!」
きっぱり断言する私。私にとって受験生って、「サザエさん」における甚六さんのような存在で、イメージ的にはどうも受験イコール大学受験なのだ。
大学受験といえば、該当する年代といえば、夫の甥や姪ぐらいしか思い浮かばない。
「そんなはずがありません。絶対にいるはずですよ」
あくまでも自らの主張を譲らなさそうな先生。
ええ~、受験生っていえば、そうねえ~。
あ! わかった!
私の上の弟の長男が中学受験をするって燃えていたっけ。
小学校4年生(当時)なのに毎月塾代に10万円以上使っていた私の甥っこ。
そうだ、そうだ! 私の甥っこのことに違いない!
「お久しぶりですね」
にこやかに先生が言う。どうやら覚えていてくれたらしい。
嬉しい反面、これだけ私の紹介した人が来てるんだもん、覚えてくれていたって、罰は当たらないよねとも思う。
「では背後を見させていただきますね」
うわ~! 出た!
パチンっと電気を消され、一本だけろうそくに火がともされる。ほの暗い炎の背後に浮かぶ先生の整った顔。
燭台を持った先生がぐるりと私の背後を照らし出す。先生の視線は私を通り越したところにあって、前回同様、「あ~」とか「うんうん」とか「ふーん」とか言いながら私の肩越しに向かって先生が頷いたり何やら納得していたりしている。
この瞬間はどこを向いていたらいいのか、さっぱりわからない。ちょっとの沈黙のあと、電気を点けた先生が、
「うん、だいじょうぶ、だいじょうぶ。変なのはやっぱり憑いていない」
と言う。
ああ~、良かった。何か憑いていたら大変なことである。
「受験生がいますか?」
唐突に切り出す先生。
「はい?」
「あなたの周りに受験生がいますか?」
再度念を押すように畳み込む先生。
「いや、いません!」
きっぱり断言する私。私にとって受験生って、「サザエさん」における甚六さんのような存在で、イメージ的にはどうも受験イコール大学受験なのだ。
大学受験といえば、該当する年代といえば、夫の甥や姪ぐらいしか思い浮かばない。
「そんなはずがありません。絶対にいるはずですよ」
あくまでも自らの主張を譲らなさそうな先生。
ええ~、受験生っていえば、そうねえ~。
あ! わかった!
私の上の弟の長男が中学受験をするって燃えていたっけ。
小学校4年生(当時)なのに毎月塾代に10万円以上使っていた私の甥っこ。
そうだ、そうだ! 私の甥っこのことに違いない!
2009年7月8日水曜日
銀座2回目 ②
予約の時間に10分ほど遅れて到着した私。
あ~、バカバカ! 時間が、お金が、もったいない!!
相変わらず超高そうなマンションである。
扉を開けると若い女性が私を迎えてくれる。どうやら今まで電話に出ていたのは、この女性らしい。
ごくごく普通の30歳前後ぐらいの無印良品とかSHIPSとかのコットンの洋服を着た感じ(←実際コットンの洋服を着ていたかどうかは不明。なんとなくそんな印象)の女性。先生もそんな感じだけど、このスタッフの女性は先生よりもテキパキしていて、ちょっとだけ気負っているように見える。
「すみません。遅れちゃって・・・」
スタッフの女性はそれには何も答えず、
「ではこちらに記入をお願いします」
とにこやかに言った。前回も書いた用紙だ。そこに名前と生年月日だけ書き込む。
「ずいぶん、お友だちをご紹介いただいたようで。何名かご紹介いただいた方がお見えになっていますよ」
「ええ、まあ」
なんてやりとりをしているうちに、先生の準備が整ったようだ。
今回、何としても聞いておきたいことは以下の通り。
① 本当に2010年には会社を辞めているのか?
② 小説を書くことは「あり」なのか?
③ 「あり」ならペンネームをどうする?
④ 会社を辞めたあとの具体的な収入は?
聞けたらいいなということは以下の通り。
① 夫の仕事のこと
② 子どもたちの教育のこと(学校と習い事)
③ 私の実家のこと(健康面など)
うーん、こうやって羅列してみると、私ってやっぱ自己チュー。優先事項が自分のことばっかり。
夫よ、子どもたちよ、すまん。
けど、取り立ててトラブルとか大きな悩みとかがないんだったら、こんなのものなのかな。
要は自分の人生がどうなっていくかが知りたいのだ。自分の人生イコール家族がどうであるかというのはもちろん大きく関わることだから、自分の未来を知ることは家族の未来を知ることでもあるのだ。
「どうぞ」
聞き覚えのある懐かしい声が扉の向こうから聞こえる。
私はドキドキしながら、先生の待つ部屋の扉に手をかけた。
あ~、バカバカ! 時間が、お金が、もったいない!!
相変わらず超高そうなマンションである。
扉を開けると若い女性が私を迎えてくれる。どうやら今まで電話に出ていたのは、この女性らしい。
ごくごく普通の30歳前後ぐらいの無印良品とかSHIPSとかのコットンの洋服を着た感じ(←実際コットンの洋服を着ていたかどうかは不明。なんとなくそんな印象)の女性。先生もそんな感じだけど、このスタッフの女性は先生よりもテキパキしていて、ちょっとだけ気負っているように見える。
「すみません。遅れちゃって・・・」
スタッフの女性はそれには何も答えず、
「ではこちらに記入をお願いします」
とにこやかに言った。前回も書いた用紙だ。そこに名前と生年月日だけ書き込む。
「ずいぶん、お友だちをご紹介いただいたようで。何名かご紹介いただいた方がお見えになっていますよ」
「ええ、まあ」
なんてやりとりをしているうちに、先生の準備が整ったようだ。
今回、何としても聞いておきたいことは以下の通り。
① 本当に2010年には会社を辞めているのか?
② 小説を書くことは「あり」なのか?
③ 「あり」ならペンネームをどうする?
④ 会社を辞めたあとの具体的な収入は?
聞けたらいいなということは以下の通り。
① 夫の仕事のこと
② 子どもたちの教育のこと(学校と習い事)
③ 私の実家のこと(健康面など)
うーん、こうやって羅列してみると、私ってやっぱ自己チュー。優先事項が自分のことばっかり。
夫よ、子どもたちよ、すまん。
けど、取り立ててトラブルとか大きな悩みとかがないんだったら、こんなのものなのかな。
要は自分の人生がどうなっていくかが知りたいのだ。自分の人生イコール家族がどうであるかというのはもちろん大きく関わることだから、自分の未来を知ることは家族の未来を知ることでもあるのだ。
「どうぞ」
聞き覚えのある懐かしい声が扉の向こうから聞こえる。
私はドキドキしながら、先生の待つ部屋の扉に手をかけた。
2009年7月6日月曜日
銀座 2回目 ①
年明け1ヵ月弱。1月27日。予約日当日。
前回診てもらってからおおよそ1年半が経っている。前回と比べて大きな悩みやストレスはない。
でも先生が示してくれた明るい未来に至るための道筋がまだ見えない。それが不安だ。
定時の5時半までがなんとも長かった1日。ベルが鳴ったらサッサと会社を出る。
予約の6時15分まで楽勝!のはずだった。
けど、どうして?
なかなか先生のところに辿り着けないのである。おかしい。1回行っているところだし、地図も持っているし、駅からそれほど難しい道のりでもないのに、なぜ着かない?
ああ、予約の時間が刻一刻と迫っている。焦る! だって2万円ですぞ。
貴重な時間が過ぎていく。
銀座の中心部からずいぶんと離れた路地の辺りをうろつく私。なんってことのない通りでもどことなく品があって風情がある。
道に迷いながら昔住んでいた京都の町並みを思い出す。
って、そんなこと思い出している場合ではないのだ。
ああ、2万円! 早く辿り着かねば。
あ、やばい! 時間過ぎてる! 慌てて電話をする。2ヶ月近く待ったのに、ドタキャンだと思われて、予約を取り消されたら元も子もない。
「すみません。6時15分から予約を入れている者ですが、道に迷って・・・」
「そうですか、今どのあたりですか?」
「かなり近くにいるはずなんですけど・・・」
電話に出た若い女性のガイダンスに従って先生の場所を目指す私。
あ、嘘・・・・。ここ何度も前通りかかってた。ガーン! こういうのって単に私が方向音痴なだけの話だけど、先生から拒絶されているような、なんか大きな力によって避けられているような気になってしまう。
なんだか、幸先が悪い。今回はなんて言われるのかしら?
この話、しばらく続く!
前回診てもらってからおおよそ1年半が経っている。前回と比べて大きな悩みやストレスはない。
でも先生が示してくれた明るい未来に至るための道筋がまだ見えない。それが不安だ。
定時の5時半までがなんとも長かった1日。ベルが鳴ったらサッサと会社を出る。
予約の6時15分まで楽勝!のはずだった。
けど、どうして?
なかなか先生のところに辿り着けないのである。おかしい。1回行っているところだし、地図も持っているし、駅からそれほど難しい道のりでもないのに、なぜ着かない?
ああ、予約の時間が刻一刻と迫っている。焦る! だって2万円ですぞ。
貴重な時間が過ぎていく。
銀座の中心部からずいぶんと離れた路地の辺りをうろつく私。なんってことのない通りでもどことなく品があって風情がある。
道に迷いながら昔住んでいた京都の町並みを思い出す。
って、そんなこと思い出している場合ではないのだ。
ああ、2万円! 早く辿り着かねば。
あ、やばい! 時間過ぎてる! 慌てて電話をする。2ヶ月近く待ったのに、ドタキャンだと思われて、予約を取り消されたら元も子もない。
「すみません。6時15分から予約を入れている者ですが、道に迷って・・・」
「そうですか、今どのあたりですか?」
「かなり近くにいるはずなんですけど・・・」
電話に出た若い女性のガイダンスに従って先生の場所を目指す私。
あ、嘘・・・・。ここ何度も前通りかかってた。ガーン! こういうのって単に私が方向音痴なだけの話だけど、先生から拒絶されているような、なんか大きな力によって避けられているような気になってしまう。
なんだか、幸先が悪い。今回はなんて言われるのかしら?
この話、しばらく続く!
宏美さん(仮名)の場合
詩帆ちゃん(仮名)ママこと、宏美さん(仮名)も娘のバレエのママ友だ。
宏美さんは2歳の娘もいる2児の母で、中学の保健室の先生をしているらしい。
学校の先生は育休を民間の企業より長く取得できるので、つい最近復帰したばかりだ。
いつものように日曜日の朝、気の合うママ同士でくっちゃべっていると、
「実はね、Aちゃんママ(←あ、これ私のことね)が言ってた銀座の占いのところね、先週行ってみたんだ」
と宏美さんが遠慮がちに言う。
「え~! そうなの? なんか気になることでもあったの?」
「別に悩みとかそういうものはないんだけど、子どもたちのこととか知りたいし、なんて言われるのかななんて思って」
「え~、何言われたの?」
一度診てもらっている詩音ちゃん(仮名)ママこと里美さん(仮名)も身を乗り出す、乗り出す。
「それがね、私、この前職場に復帰したばっかりなのに、バイオリズムみたいなものによると、今のお仕事はパート的、または一時的なものですね、なんて言うのよ! で、半年後にまた仕事を休むって」
「ええ~? そんなの復帰したばかりなのにね」
「そうだよ、しかも仕事ってばっちりフルタイムなんでしょ?」
そっと頷く宏美さん。
「でもね、心当たりがないわけじゃないんだ」
伏し目がちになる宏美さん。うーん、なんだか色っぽい。こんな人が毎日いるんだったら、きっと不良少年じゃなくても、なんだかんだと理由をつけて中坊たちが保健室に溜まっていそう。
「実は3人目ができていて、また半年後に産休を取るの。だからこの時期は一時的なものといえば一時的なんだよね。だってすぐにまた休むんだから」
「ひぇ~!!」
「え、それって先に妊娠してるって先生に話したの?」
「ううん、全然。けど時期的にはバッチリなんだよね。だからビックリしちゃった!」
「他に何言われたの?」
「あとは子どもたちのことだけど、結構いいこといわれたよ。ダンナとも相性がいいって言われたし」
「そりゃそうよねえ。3人も子どもできてるんだから。うふふふ」
オバハンくさい突っ込みを入れる私たち。
「あとね、お腹の子は男の子ですって!」
「お、先生、断言するねえ~」
「うん、男の子の可能性が高いですって」
「ほお~」
「けど、すごっく当たってたよ。未来のことはわからないけど、言ってほしいことをちゃんと言ってくれたって感じ。ダンナの仕事のこともちょうどダンナがやりたがってることを向いてるって言われたから、ダンナも診てもらいたいって言ってるくらい。Aちゃんママ(←あ、だから私のことね)、いいところ紹介してくれてありがとう。私も友だちとかいろんな人に銀座の先生の話をしまくったら、みんな、“へえ、良さそうだけど、お腹の子がちゃんと男の子だったら、自分も行ってみるよ”ってなんだか半信半疑なんだよね」
「まあ、2万円だからね」
「けど、それって半年後ぐらいにどうせわかるんだもんね」
「そうそう、楽しみだね」
どうやら相変わらず先生は快調に飛ばしまくっているようだ。
よし! この調子で次回は私の分もよろしく!
宏美さんは2歳の娘もいる2児の母で、中学の保健室の先生をしているらしい。
学校の先生は育休を民間の企業より長く取得できるので、つい最近復帰したばかりだ。
いつものように日曜日の朝、気の合うママ同士でくっちゃべっていると、
「実はね、Aちゃんママ(←あ、これ私のことね)が言ってた銀座の占いのところね、先週行ってみたんだ」
と宏美さんが遠慮がちに言う。
「え~! そうなの? なんか気になることでもあったの?」
「別に悩みとかそういうものはないんだけど、子どもたちのこととか知りたいし、なんて言われるのかななんて思って」
「え~、何言われたの?」
一度診てもらっている詩音ちゃん(仮名)ママこと里美さん(仮名)も身を乗り出す、乗り出す。
「それがね、私、この前職場に復帰したばっかりなのに、バイオリズムみたいなものによると、今のお仕事はパート的、または一時的なものですね、なんて言うのよ! で、半年後にまた仕事を休むって」
「ええ~? そんなの復帰したばかりなのにね」
「そうだよ、しかも仕事ってばっちりフルタイムなんでしょ?」
そっと頷く宏美さん。
「でもね、心当たりがないわけじゃないんだ」
伏し目がちになる宏美さん。うーん、なんだか色っぽい。こんな人が毎日いるんだったら、きっと不良少年じゃなくても、なんだかんだと理由をつけて中坊たちが保健室に溜まっていそう。
「実は3人目ができていて、また半年後に産休を取るの。だからこの時期は一時的なものといえば一時的なんだよね。だってすぐにまた休むんだから」
「ひぇ~!!」
「え、それって先に妊娠してるって先生に話したの?」
「ううん、全然。けど時期的にはバッチリなんだよね。だからビックリしちゃった!」
「他に何言われたの?」
「あとは子どもたちのことだけど、結構いいこといわれたよ。ダンナとも相性がいいって言われたし」
「そりゃそうよねえ。3人も子どもできてるんだから。うふふふ」
オバハンくさい突っ込みを入れる私たち。
「あとね、お腹の子は男の子ですって!」
「お、先生、断言するねえ~」
「うん、男の子の可能性が高いですって」
「ほお~」
「けど、すごっく当たってたよ。未来のことはわからないけど、言ってほしいことをちゃんと言ってくれたって感じ。ダンナの仕事のこともちょうどダンナがやりたがってることを向いてるって言われたから、ダンナも診てもらいたいって言ってるくらい。Aちゃんママ(←あ、だから私のことね)、いいところ紹介してくれてありがとう。私も友だちとかいろんな人に銀座の先生の話をしまくったら、みんな、“へえ、良さそうだけど、お腹の子がちゃんと男の子だったら、自分も行ってみるよ”ってなんだか半信半疑なんだよね」
「まあ、2万円だからね」
「けど、それって半年後ぐらいにどうせわかるんだもんね」
「そうそう、楽しみだね」
どうやら相変わらず先生は快調に飛ばしまくっているようだ。
よし! この調子で次回は私の分もよろしく!
2009年7月5日日曜日
電話予約完了!
12月に入るとだんだんと年明けすぐにあたる1月8日以降に、銀座の先生のところに予約を入れなかったことに激しく後悔をし始めた。
前回と違って、今すぐにでも状況を変えたいことなどなかったが、先生に言われてたように1月から4月までにかけて興味を持ったものは何もなかったし、勉強だってしていない。
特別な資格もないし、特別な能力があるわけでもない私がどうやったら、1年数ヵ月後に自宅で仕事なんてできるようになるのだろう?
今、会社でやっている仕事だっていやなことをやっているわけじゃないけど、このまま漠然とした時間を浪費しているだけでいいんだろうか?
自分自身が向上していっているという実感がまるで持てない。
でも月々のお給料だってちゃんともらっていて、小さい子どもがふたりもいる私がそれ以上望むのは贅沢なのか?
なんだかしばらく堂々巡りなのである。
ものすごーく生ぬるいお湯にずっと浸かっていて、体はちっとも温まってこないんだけど、お風呂を出ると外の空気はとても冷たくて、そこが心地いいわけでもないのに、だんだんと冷えつつあるお湯からなかなか出られないような、そんな気分。
あ~、こんなときこそ、とっとと銀座の先生に診てもらえばよかったのだ。
思い切って電話をしてみる、
再度、若い女性の声がする。あの感じの良かった男の人は辞めてしまったんだろうか。
「一番早いところでは、1月27日ですね」
あ、やっぱり! 10日ほど経ったらすでに予約が1ヶ月ほど延びてしまった。
こんなことなら、前回とっとと予約しておけばよかった。
1月27日まで2ヶ月弱か。
でもここで予約しないよりマシだもんね。
「じゃあ、その日でお願いします」
こうして、銀座の先生に再度診てもらうための予約を完了させたのであった。
前回と違って、今すぐにでも状況を変えたいことなどなかったが、先生に言われてたように1月から4月までにかけて興味を持ったものは何もなかったし、勉強だってしていない。
特別な資格もないし、特別な能力があるわけでもない私がどうやったら、1年数ヵ月後に自宅で仕事なんてできるようになるのだろう?
今、会社でやっている仕事だっていやなことをやっているわけじゃないけど、このまま漠然とした時間を浪費しているだけでいいんだろうか?
自分自身が向上していっているという実感がまるで持てない。
でも月々のお給料だってちゃんともらっていて、小さい子どもがふたりもいる私がそれ以上望むのは贅沢なのか?
なんだかしばらく堂々巡りなのである。
ものすごーく生ぬるいお湯にずっと浸かっていて、体はちっとも温まってこないんだけど、お風呂を出ると外の空気はとても冷たくて、そこが心地いいわけでもないのに、だんだんと冷えつつあるお湯からなかなか出られないような、そんな気分。
あ~、こんなときこそ、とっとと銀座の先生に診てもらえばよかったのだ。
思い切って電話をしてみる、
再度、若い女性の声がする。あの感じの良かった男の人は辞めてしまったんだろうか。
「一番早いところでは、1月27日ですね」
あ、やっぱり! 10日ほど経ったらすでに予約が1ヶ月ほど延びてしまった。
こんなことなら、前回とっとと予約しておけばよかった。
1月27日まで2ヶ月弱か。
でもここで予約しないよりマシだもんね。
「じゃあ、その日でお願いします」
こうして、銀座の先生に再度診てもらうための予約を完了させたのであった。
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