2009年7月6日月曜日

宏美さん(仮名)の場合

詩帆ちゃん(仮名)ママこと、宏美さん(仮名)も娘のバレエのママ友だ。
宏美さんは2歳の娘もいる2児の母で、中学の保健室の先生をしているらしい。
学校の先生は育休を民間の企業より長く取得できるので、つい最近復帰したばかりだ。

いつものように日曜日の朝、気の合うママ同士でくっちゃべっていると、
「実はね、Aちゃんママ(←あ、これ私のことね)が言ってた銀座の占いのところね、先週行ってみたんだ」
と宏美さんが遠慮がちに言う。
「え~! そうなの? なんか気になることでもあったの?」
「別に悩みとかそういうものはないんだけど、子どもたちのこととか知りたいし、なんて言われるのかななんて思って」
「え~、何言われたの?」
 一度診てもらっている詩音ちゃん(仮名)ママこと里美さん(仮名)も身を乗り出す、乗り出す。

 「それがね、私、この前職場に復帰したばっかりなのに、バイオリズムみたいなものによると、今のお仕事はパート的、または一時的なものですね、なんて言うのよ! で、半年後にまた仕事を休むって」
 「ええ~? そんなの復帰したばかりなのにね」
 「そうだよ、しかも仕事ってばっちりフルタイムなんでしょ?」
 そっと頷く宏美さん。

 「でもね、心当たりがないわけじゃないんだ」
 伏し目がちになる宏美さん。うーん、なんだか色っぽい。こんな人が毎日いるんだったら、きっと不良少年じゃなくても、なんだかんだと理由をつけて中坊たちが保健室に溜まっていそう。
 「実は3人目ができていて、また半年後に産休を取るの。だからこの時期は一時的なものといえば一時的なんだよね。だってすぐにまた休むんだから」
 「ひぇ~!!」
 「え、それって先に妊娠してるって先生に話したの?」
 「ううん、全然。けど時期的にはバッチリなんだよね。だからビックリしちゃった!」
 「他に何言われたの?」
 「あとは子どもたちのことだけど、結構いいこといわれたよ。ダンナとも相性がいいって言われたし」
 「そりゃそうよねえ。3人も子どもできてるんだから。うふふふ」
 オバハンくさい突っ込みを入れる私たち。

 「あとね、お腹の子は男の子ですって!」
 「お、先生、断言するねえ~」
 「うん、男の子の可能性が高いですって」
 「ほお~」
 「けど、すごっく当たってたよ。未来のことはわからないけど、言ってほしいことをちゃんと言ってくれたって感じ。ダンナの仕事のこともちょうどダンナがやりたがってることを向いてるって言われたから、ダンナも診てもらいたいって言ってるくらい。Aちゃんママ(←あ、だから私のことね)、いいところ紹介してくれてありがとう。私も友だちとかいろんな人に銀座の先生の話をしまくったら、みんな、“へえ、良さそうだけど、お腹の子がちゃんと男の子だったら、自分も行ってみるよ”ってなんだか半信半疑なんだよね」
 「まあ、2万円だからね」
 「けど、それって半年後ぐらいにどうせわかるんだもんね」
 「そうそう、楽しみだね」
 
 どうやら相変わらず先生は快調に飛ばしまくっているようだ。
 よし! この調子で次回は私の分もよろしく!

0 件のコメント:

コメントを投稿