「あなたのご主人のお父様は何か揉めごとを抱えていませんか?」
え? 揉めごとですか?
お舅さんのたっぷりとした二重あごの目立つ顔を思い浮かべる。
ユニクロでも高いと言い放つオシャレ度0%の夫と違い、お舅さんはどんなときでも必ず襟付きのシャツを着て、ジェントルマンで、ロマンティックで、80歳近いおじいさんなのに、お義母さんに「ハイ、ダーリン」とか「ハニー」とか、しょっちゅう甘い言葉を囁いている。
お義母さんのことを本当に愛しているらしく、いつもキスをしていてラブラブで、一昔前に流行った「チャーミー・グリーン」そのものである。
お義父さんはがんこだけど、争いごとを嫌い、いつも鷹揚に構えている。
そんなお義父さんに降りかかる揉め事ってなんだろう?
「あなたのご主人の兄第で何か揉めていませんか?」
突然核心を突く先生。
夫は5人兄弟の4番目だ。内訳は姉3人と妹ひとり。日本的にいえば、たったひとりの男の子で長男だ。
私の母いわく、小姑ひとりに「鬼1000匹」というらしいので、私は4000匹もの鬼を相手にしなければならない。
まあ、今のところ遠く離れて暮らしているから、特に害はないんだけど。
確かに夫の姉3人は仲が悪い。夫と妹は、姉たちの眼中にはないらしく、蚊帳の外だ。
姉妹はどうやら複雑らしく(←私は男兄弟しかいないから、そういうのはよくわからん! 以上!)、お互いの頭脳、学歴、収入、美醜、結婚生活の成否などなど、ありとあらゆることが競争の対象になるらしい。
特に夫は3番目の姉と親しく、お互い行ったり来たりしたり、電話もちょくちょくしているので、その姉に肩入れしがちだが、私には絶対に巻き込まれるなと結婚以前から忠告している。
それぞれ別々にお互いの悪口を言わせたら、いつまででも言っているだろう。
ごくごくたま~にしか会わない私ですら、お義姉さまがたのお互いに対する悪口はお腹いっぱいになるほど聞かされているのだ。
そんなに嫌いなら会わなきゃいいじゃん!
私はいつもそう思う。
そう、3番目の義姉に行ったら、
「何言ってるの! 何があろうと私たちは姉妹なのよ。付き合わないでいられるわけないじゃない!」
という返事が返ってきた。
うーん、よくわからん。複雑すぎるぜ。じゃあ仲良くしようぜ!
「そうですね。夫には3人の姉と妹がひとりいるんですけど・・・」
正直に話す私。
「彼女たちは子どものころから揉めていますね」
そう、念を押す先生。
すごい! すごすぎる。なんでそんなことまでわかるの?
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