予約の時間に10分ほど遅れて到着した私。
あ~、バカバカ! 時間が、お金が、もったいない!!
相変わらず超高そうなマンションである。
扉を開けると若い女性が私を迎えてくれる。どうやら今まで電話に出ていたのは、この女性らしい。
ごくごく普通の30歳前後ぐらいの無印良品とかSHIPSとかのコットンの洋服を着た感じ(←実際コットンの洋服を着ていたかどうかは不明。なんとなくそんな印象)の女性。先生もそんな感じだけど、このスタッフの女性は先生よりもテキパキしていて、ちょっとだけ気負っているように見える。
「すみません。遅れちゃって・・・」
スタッフの女性はそれには何も答えず、
「ではこちらに記入をお願いします」
とにこやかに言った。前回も書いた用紙だ。そこに名前と生年月日だけ書き込む。
「ずいぶん、お友だちをご紹介いただいたようで。何名かご紹介いただいた方がお見えになっていますよ」
「ええ、まあ」
なんてやりとりをしているうちに、先生の準備が整ったようだ。
今回、何としても聞いておきたいことは以下の通り。
① 本当に2010年には会社を辞めているのか?
② 小説を書くことは「あり」なのか?
③ 「あり」ならペンネームをどうする?
④ 会社を辞めたあとの具体的な収入は?
聞けたらいいなということは以下の通り。
① 夫の仕事のこと
② 子どもたちの教育のこと(学校と習い事)
③ 私の実家のこと(健康面など)
うーん、こうやって羅列してみると、私ってやっぱ自己チュー。優先事項が自分のことばっかり。
夫よ、子どもたちよ、すまん。
けど、取り立ててトラブルとか大きな悩みとかがないんだったら、こんなのものなのかな。
要は自分の人生がどうなっていくかが知りたいのだ。自分の人生イコール家族がどうであるかというのはもちろん大きく関わることだから、自分の未来を知ることは家族の未来を知ることでもあるのだ。
「どうぞ」
聞き覚えのある懐かしい声が扉の向こうから聞こえる。
私はドキドキしながら、先生の待つ部屋の扉に手をかけた。
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