同じカルチャーセンターで、私はフラメンコ、娘はバレエを習っている。
かねてから年中クラスになったら、息子もバレエのクラスに入れるつもりでいたので、4月度から息子の分も申し込んでおいた。
何度か娘のバレエの見学をさせたこともあったし、講師の愛先生(仮名)に、
「うちの息子にもバレエを習わせたいのですが」
と以前相談したら、
「彼だったら大歓迎ですよ♡ もう男の子って本当にいなくて。自分でバレリーノ(男性バレエダンサーのこと)を育てられるんだったら、私、養子に迎えてもいいぐらいなんですよ!」
と私に抱きつかんばかりの勢いだった。
愛先生はまだ25歳。養子だなんて大げさな。
「ぜひ私に預けてください。お母さん(←私のことねっ!)、Lくんでしたっけ。彼を立派な王子様に育てますからっ!」
そう愛先生は力強く私に迫ったのであった。
「年中さんになったらバレエをやるんだよ」
実はここ1年ぐらい毎日息子を洗脳し続けていた私である。
「うん、ぼく、バレエやるよ」
可愛らしく頷く息子。よしっ! 洗脳成功!
4月からのお金は払った(←夫のカードでね!)ものの、3月の半ばにある体験レッスンに一応参加することに。
女の子はバレエ用のレオタードにバレエ用のタイツ、シューズという組み合わせを着用するが、教室によってはレオタードの色や形が決められているところもあるが、娘が通っているところは所詮、カルチャーセンターなので厳格な取り決めはない。
だいたい幼児クラスは子どものモチベーションを上げるために、ひらっとしたスカートがついているパステルカラーの可愛いレオタードをチャコットあたりで買う人が多いが、小学生クラスになると大人っぽくスカートのついていないシンプルなレオタードに髪もきっちりシニョンにまとめるスタイルの子が増えてくる。
男子のスタイルは小学生クラスにいる唯一の男の子、世流寿(仮名・これでセルジュと読む。純日本人。ぷっ!)くんを参考に。
息子にこういう名前をつける親のセンスは相当寒いが、彼自体はなかなかのイケメンで、大量の小学生女子の中では一服の清涼剤のような役割を果たしている。
彼の練習着は、上はシンプルな体に合ったTシャツ。色は黒とか白とか何せ無地のヤツ。下は膝が出るぐらいの丈の黒いスパッツ。白いソックスにバレエシューズだ。
男子のこういう姿は可愛らしくてイケている!
チャコットで男子用の練習着を買うと、全部で1万円ぐらいかかってしまうので、実家に帰ったときに西松屋で買いだめした無地のTシャツ(1枚300円ぐらい)と光沢のあるタイプのスパッツ(680円!)で代用。シューズは娘が以前はいていたピンクのバレエシューズ。
いかにもお金がかかっていないが、息子にその恰好をさせてみると、あらっ、不思議!
激安商品もラブリーなバレリーノの練習着に大変身!
息子はぼやっ~としてても、一応はハーフである。ぜひ西松屋の専属モデルにでもしていただきたいぐらい、可愛くキマっている!
「Lくん(息子)!! なんて可愛らしいのっ!!」
黄色い声を上げ、息子を抱きしめる私。
「可愛いじゃないでしょ。カッコいいでしょ」
このところ自分の男子っぷりをアピールするようになってきた息子。
「ああ、そうねえ~。カッコいいわねえ♡」
ああ、これなのだ。私は息子のこういう姿を見たかったのだ。
銀座の先生は、息子にバレエは合わないから、続かない。まあ絶対ダメではないけど、すぐに辞めるでしょうねと言っちゃってくれてたけど、見た目的にはこんなに合っているじゃないか!
「いつもはA(娘)のバレエを見ているだけだけど、今日はLくんもちゃんとバレエやるからね。できる?」
「うん。ぼく、やってみる!」
よし! その意気だ!
鼻息荒く体験レッスン(娘にとっては通常レッスン)に向かった私たちなのであった。
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