2009年8月6日木曜日

銀座2回目⑫

 
 「あなた自身は日本で家を買うことはなさそうですけど、イギリスで投機目的で将来的に家を買うのは見えています」
 おお、前回も同じようなことは言われたが、今回はハッキリと「イギリス」だと言われた。
 前回はまだ世界の金融危機が始まっていなくて、イギリスはバブルの真っ最中。誰もロンドンに住めなくなるぐらい地価が沸騰して、イギリスで家を買うなんて私たちが田園調布に豪邸を新築するぐらいありえない話だった。
 ところがリーマン危機から端を発する世界恐慌で、最もダメージが大きいといわれているのは、発信もとのアメリカではなく、とっくに製造業など衰退して、サッチャー改革以来、未曾有の好景気を謳歌していたイギリスなのだ。
 確かにイギリスは地価とともにポンドも下がり始めてはいるが、それでもまだまだ私たちに手が届く日は遠そうだ。

 「日本で今のところから、引っ越すことはありそうですか?」
 「一度ぐらいはあるでしょうね。でもやはり賃貸です。きっとお子さんが大きくなって今のところが手狭になるから、引っ越すというパターンのようですね」
 うーん、それなら十分ありえるな。

 「さて、肝心なあなたの仕事についてですが・・・・」
 おお、ついに来た! 子どもたちの受験話に気をとらわれすぎていて、ついつい本題を忘れるところだった! 
 そうだよ、私はこれを聞きに来たのだよ。
本当に2010年の4月までに会社を辞めるのか? 書き上げた小説はどうなるのだ? ペンネームは? 聞きたかったことが頭の中でぐるぐると回っている。
さあ、私。いったい私はどうなるの?

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