「そうですねえ、他にいい画数の名前は・・・・」
再度画数を調べ始める先生。
うーん、この先生って、生年月日は昭和で計算しているし、漢字の画数もこまめに調べているし、意外と古風な占い師なのかしらん。
「清永 美央」
「これです! そうそう、これがいいです! これにしてください!」
珍しくちょっと興奮気味な先生。
「先生、これなんて読むんですか?」
「ですから、画数が問題なわけであって、読み方はなんでもいいんですよ」
そ、そんな乱暴な。先生ったら、ちょっぴり画数原理主義者だわ。
「でもこれって、普通に読んだら“きよなが みお”ですよねえ」
「いいんじゃないですか、それで」
「“きよなが”ってなんかいまひとつなんですけど」
「“みお”はどうですか?」
「正直わかんないですよ。だって今までペンネームとか芸名とかつけたことがないから。自分の名前じゃないからどれだって、すぐにはピンとこないかも」
「じゃあ、どうしますか?」
「先生、決めてください。先生が決めてくれた名前に従いますから(←おいおい! なんて他力本願なんだ! 自分の名前だろっ!!)」
「じゃあ、“清永 美央”と書いて“しみず みお”と読ませますか」
あっさりと決める先生。
「はい、それでいいです(←おいっ! いいのか!?)」
こうして、私のペンネームが決まったのである。
作家・清永美央の誕生である(←なれたらな)。
「このペンネームだったら、恋愛小説でもサスペンスでも推理小説でもミステリーでも成功します。あとエッセイもいいですよ」
本当ですか?
「あなたの本が出るのを私も楽しみにしてますよ。たいじょうぶ、ちゃんと成功しますよ」
そう先生はにっこりと笑った。
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