あまりの占い結果の良さに興奮冷めやらぬ私。ああ~、この調子に乗っている私を誰か止めて。
スーパー・ナチュラル・ハイになりながら、次の報告相手に選んだのは実家のオカン。
「もしもし、例の占いに行ってきたよ」
「あれ、今日やったんかね? どうやったね。何言われたね?」
順を追って説明する私。オカンは「うんうん」と聞いてるが、たぶん頭に入っていないだろう。きっと明日、まったく同じ話をしても、「へえ~、そうかねえ。それはびっくりやねえ」とこっちがびっくりするような反応を返してくるはずだ。
父はアルツハイマーなので、これぐらいの反応は当然なのだが、アルツハイマーでもないオカンまでなぜそうなのかというと、それはボケてるボケていないという問題ではなく、彼女は基本的に人に話を聞くということができないからだ。
その証拠にオカンは違う話題に変わりたくて仕方なさそうなレスポンスをし、一瞬の隙を突いて、さっそく話の主導権を奪う。
「あんた、そんなことよりも(←なんだよ、そんなことよりもって! 人の話をなんだと思ってる!! 怒)、うちのリフォームのことやて」
そうなのだ。オカンはここしばらく家のリフォーム以外のことは考えられず、寝ても醒めてもリフォーム、リフォームなのだ。
なぜなら今からちょうど20年前。家を建て直したときに、まだ当時イケイケだった父がオカンの意見を一切無視して、勝手に図面を引き(←おいおい! 素人が乱暴すぎるだろっ)、連れの大工に言われるがまま、ぼったくられるまま、独断でゴーサインを出してしまったのだ。
しかも家の取り壊しが済んでまもなくというときに、あろうことか父は夜中、一通を80キロオーバーで逆送し、燃料を積んだトラックが正面衝突して大破。幸い相手方はかすり傷ですんだが、シートベルトをしていなかった横着な父は、体ごとウィンドから車外に放り投げられ、そのあとトラックは炎上、爆発という大惨事に。
まあシートベルトをしていなかったから助かったのだか、その後集中治療室で生死をさまよい、一週間後に意識を取り戻し・・・、まあそのときいろいろと大変なことがあったのだが、それはまた別の機会でということで、そんなこんなもあり、日頃だったらそんな無茶な家は建てられなかっただろうが、すっかり憔悴しきったオカンは、言われるがまま、オカンが貯めに貯めた虎の子を全額キャッシュで支払ったのだ。
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