「45歳(←この時点で私は41歳)までは、今より少し(収入は)低いです。けど半減するわけでもないので、安心してください。45歳になったら今とトントンになってきて、50歳を過ぎると今よりも良くなっていきます。もちろん毎年ある程度の波はありますけど、傾向としてはそういった感じで推移していくでしょう」
淡々とお金の話をする先生。
へえ~。半減はしないんだ~。それはうれしいけど、いったい辞めたあとのお金はどっこから入ってくるんだ?
しかも50歳を過ぎると今より良くなるという。期待していいのか?
書くことでそんなにお金がもらえるなんて、よほど出した本が売れるなり、出した本が映像化されるなりしないと難しいと思うんだけど、それってどうなわけ?
おーい、聞いてるか? T書店の本田くん(仮)。
「英語で本を書いて、海外で出版してもいけますよ」
おおお~いいい!!! スケール、デカッ!
「それはすんばらしいんですけど、私、そんな英語力ないですよ!(哀)」
「そんなのあなたが英語できなくても、ご主人に英訳してもらうなり、子どもたちに将来英訳させればいいんですよ」
ヘイ! ヘイ! ヘイ! ギブ・ミー・ァ・ブレェエエーク!
そいつは微妙だぜ! きわどい描写満載の半自伝小説「エッサウィラ」を夫や子どもたちに英訳させるのは!
子どもたちから将来、「オカン、何やっとったんや?」と白眼視されること必至だ。
「あとですねえ~、ペンネームなんですけど・・・」
そこで2番目に聞きたかったことを切り出す。
「小説なり、ものを書いていくにあたって、どうすればいいかなあと思っていて。小説でカタカナの苗字を使うのもイヤだし、今の名前が使えないなら、旧姓を使うか、はたまた第3の名前を考えるか・・・・」
今の名前と旧姓を並べて、画数を調べていく先生。
「ああ、両方ともいまいちですねえ」
「じゃあ、第3の名前ですかねえ。さっぱり何にも思いつかないんですけど」
あまりに私がノー・アイディアのためしばし沈黙が続く。
ああ、この沈黙はもったいない! なんていったって2万円ですからねえ。
「ご家族の名前、全員の分、教えてもらえますか?」
しばしの沈黙のあと、先生が切り出す。
夫の名前、娘の名前、息子の名前、私の名前。
全部並べて、先生が「さあってと」と小さく呟いて、サラサラと紙に何か書き込んでいく。
「●水 美央」
何々? これなんて読むの? っていうか、たった今気付いたけど、この●の漢字、特殊記号で探しても手書き機能にしても出てこないんですけど!!!! いったいどういうこと!? そんな漢字ないじゃん!!!(茫然)
「先生、これなんて読むんですか?」
「読み方はどうでもいいんですよ。画数だから」
「はあ!?」
「これだと画数も完璧だし、何よりもあなたの家族の全員の名前が入っています」
この字は息子から、この字は娘から・・・と解説してくれる先生。
「あの~、夫のは? 夫の名前はカタカナなんですけど・・・」
訝る私。
「ああ、ご主人はこれです。だって音読みでこうやって読むでしょ」
ああ~、そう来るわけね。結構当て字だわ~。
「小説を書くなり、フリーでクリエイティブの仕事をするというのは、えてして家族に迷惑をかけがちです。けどこうやってペンネームに家族全員の名前を入れることによって、家族からの協力が得られたり、迷惑をかけずに済んだりするメリットがあるんですよ」
へえ~。そうなんだあ~。
それが本当だとしたら、「火宅の人」(←古っ!)の壇一雄も、「芸のためなら~♪ 女房も泣かす~♪」の桂春団治(←激古っ!)も家族全員の名前を入れ込めば良かったんだよ~。
「でもこの名前、ちょっとわかりづらいというかなんというか、先生、他にはないんですか?」
「他ですか・・・・うーん、そうですねえ~」
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