T大附属T小学校の2次試験がいよいよ始まった。
例年通り初日はAグループ男女、2日目がBグループ、3日目がCグループだ。
そしてWには前日講習なるものがある。
それは何か?
なんとBグループのために、Aグループの試験が行われる当日にAグループで出された試験問題が集められてそのデータを元に翌日行われるBグループの試験の傾向を予測するというもので、同様にCグループのために、Bグループの試験当日にデータが集められ翌日のCグループの試験に備えるという離れ業的な講習だ。
そんなこと物理的に可能なのか?
あとこの場合、一番割りを食うのは初日のAグループだ。
泣いても笑っても試験は明日。後悔のないように午後から早退し、娘とともに前日講習にゴーッ!
前日講習は午後3時40分から。もう会場は人! 人! 人! である。
講習料壱万弐千円也。例によって箱に無造作に放り込まれる万札! 万札! 万札!である。
わーい、現金だ、現金だ。
しかしすでに何百人分のAグループの今年の試験問題、それに対する予想問題がすでに完成していて印刷されてるなんて、いったいどうなってるわけ!?
だって最後のグループの試験が終わったのってついさっきなんじゃないの?
一番早いパターンでも男子の最初のグループが終わるのが午前10時ごろ、女子の最初のグループに至っては午後2時過ぎぐらいのはずだ。
それなのにもう男女別に試験内容をゲットし、対策を立ててるなんてすさまじすぎる!
恐るべしW。
例によって保護者と子どもは分離させられ、子どもたちは今日出たAグループの出題を元に予測されるBグループ用の「お話の記憶」「図形」「制作」「クマ歩き」を行う。
保護者たちはカリスマ講師・新田先生(仮名)のありがたい解説だ。
まずは子ども編から。
本日出題された試験から今年の傾向を読み解く。
実際Aグループの図形の問題を見ると例年より易しめだ。通常Bグループの問題がAグループの問題以上に難しい問題は出ないので、基本さえきちんと押さえておけばだいじょうぶそうだ。
そしてなんと今年は「行動観察」が入っていたとのこと!
だいたい国立小のどこでも行われる「行動観察」はT大附属T小では過去行われたことがなかった。
ここにきてなぜいきなり「行動観察」?
この謎を鮮やかに解いてみせるのが我らが新田先生だ。
新田先生いわく、なんと今年の1年生であろうことか天下のT大附属T小で学級崩壊が起きているというのだ!
というわけであらかじめクラスの学級崩壊の要因になりそうな子どもを行動観察によって排除するという目的があるらしい。
さすが筆記試験ばっかりできたってダメだということよねえ~。
よって新田先生によるとこの場合の「行動観察」はグループを引っ張るリーダーシップの素養を見るだとか、グループのムードメーカーになっているだとか、協調性だとかそんな難しいことを考える必要はないらしく、ずばり問題児の排除だけなので、ほとんどの子は「行動観察」で引っかかることはないというのが結論だ。
「行動観察」の課題は男女ともスポンジのさいころ型を用い、男子はチームに分かれてどのチームが一番高く積み上げられるのかを競い、女子は協力しながらお城を作るというもの。
新田先生の予測はせっかくのスポンジなので明日も必ず使うとのこと。
すばらしいっ!
こういう「行動観察」なら娘はお手の物だ。
いいぞ、いいぞ。いい感じ。
「行動観察」が入った時間分、「制作」の時間が削られていてどうやら例年より易しくなっているとのこと。
これも娘にとっては好材料だ。
あとは当日の流れを1日講習のときより詳しく解説されたり、今年は赤色のクーピーしか使わなかったという話だったり、どこでマスクをはずしたかという話だったりで微に入り細に入ってる。
ほんと、まるで見てきたかのようなリアルな話ばかり。
こういう情報は会員でもある受験生やその親から試験が終了した時点で聞き出して、最低でも10人以上の一致した情報でウラをとっているのだという。
少人数の塾はきっとひとりひとりに目が届いて十分なケアをしてくれるだろうけど、こういう迅速は情報収集は大規模校ならではの人海戦術がものをいう。
「こうして皆さんは前日の試験の様子の情報を手にしているわけですから、皆さんも明日試験を受けるCグループの皆さんのために、さらには今後の受験生のためにどんなことでもいいので、明日の会場の様子をぜひ私たちに知らせてください。また可能であればお子さんたちに出題された問題を覚えておいてもらってください。あ、もちろん、問題を覚えることが優先ではなくて、合格するように集中して問題に取り組むことが最優先ですよ」
笑顔で情報提供を呼びかける新田先生。
ええ、もちろん。ご恩はちゃんと返しますよ。情報だってなんだってもらいっぱなしはいけないですからね。
ここはギブ&テイクということで、明日の試験が終わったらしっかりとご協力させていただきましょう。
ひとまずはWの新田先生、ありがとう。
情報提供とともに合格報告もできることを祈って・・・。
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