2010年9月19日日曜日

T大附属T小学校試験当日②

 子どもたちが試験を受けている間、保護者たちは講堂へ。ちなみにこの日の私の姿はグレージュのインナーに紺のジャケットとスカート。
 ジャケットは袖は7分丈のものでスカートとジャケットはそれぞれ違うブランドで別々に買ったもの(←だいぶ前になっ)ながら、わりと似たような素材だったのでぱっと見はスーツみたい。
 結局お受験スーツは買わずじまいだった。

 前もって聞いていた通り、「T大附属T小学校の生活」というビデオを見せられる。
 内容も前もって聞いていた通り。しかし途中途中で先生のコメントが入る。
 実際に見てみると、聞いていたよりもなんだかすさまじい。
 運動会の様子が始めに映し出されるのだが、ちっとも楽しそうじゃなくて子どもたちの顔が本当に苦痛で歪んでいるのだ。

 「5年生の3人4脚はすごいですよ。なんといってもひとりひとり走るのよりタイムがいいですからね。だって連帯責任ですから」だとか、
 「3年生でなわとびの2重跳びは連続で15分はできるようになります。高学年になると30分はいけますね」だとか、遠泳や山登りでフラフラになりながらうつろな眼をしている子どもたちの表情がアップされた映像を見ながら、
 「本当にみんな一生懸命で可愛らしいですね」だとか、いちいち突っ込みどころ満載なコメントが入るのだ。
 Wの新田先生が言ってた通り、本当にあっちこっちから小さく「ひぃっ!」と押し殺したような声が上がる。

 しかしこの日のT大附属T小の先生のコメントで一番笑えたのが、
 「こんなビデオを見せられるとうちの小学校って遊んでばっかりいると思われたでしょう(←誰も思わへんわいっ!)。勉強もそれなりにちゃんとやってますからね」
というものだった。
 恐るべし。
 そして最後の締めの言葉が、やはり「これぐらいの体力のないお子さんはご辞退されたほうがよろしいかと思います」だった。
 体育学校のノリですな。まったく。

 そしてビデオが終わると前もって用意してあった志望動機を書き写す。
 志望動機を書いている途中で、真っ青な顔をした女の子がひとり講堂に連れてこられた。どうやら私の隣に座っていたお母さんのお子さんらしく、試験途中で気分が悪くなって退場させられることになったらしい。ここまできてなんて運の悪いことか。
 しかしこのお母さん、最初の一声を上げる前に「ちぇっ!」と舌打ちしたのを私は聞き逃さなかったねっ!
 そのあといくら「あらあら。どうしたの? だいじょうぶ?」などと優しく声をかけてたって、このお母さんの本音は「ちぇっ!」なのだ。
 しかしわかるぞ。その気持ち。痛いくらい。

 その後も2~3人、お腹が痛いだの、気持ち悪いだのという子が講堂に連れてこられて、お母さんといっしょに退場していた。
 どのお母さんも「マジかよっ! この期に及んで」と言わんばかりのわかりやすい表情をしていた。
 こうなってくるとうちの娘はだいじょうぶか!?と不安になってくる。
 しかしそんな不安もよそに1時間きっかり経ったあと、在校生のお兄さんお姉さんに誘導されて試験を終えた娘のグループが講堂に入場してきた。
 娘はニコニコしていて明るい表情をしていた。その姿を見るとなんだか胸がキュンとして、よし、よくやったっ! 頑張ったぞ!と誇らしい気持ちに目頭が熱くなる。
 あの辛かった日々。あれはもう今日で終わるのだ。

 私たちは手をつないで校門を出た。記念写真を撮って由美子さん(仮名)と雪美ちゃん(仮名)が出てくるのを待った。
 試験が終わったらお茶することになっていたのだ。

 ところがふたりは全然出てこない。とりあえず待っている間、娘にあれこれ試験のことを聞く。
 娘から聞かされた話にその後、私は大いに驚かされることになる。

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