2010年9月30日木曜日

発表前夜①

 T大附属T小学校の2次試験の翌朝、夫と息子はイギリスに旅立った。
 試験が終わってしまえば娘は日本にいる必要はないので、今から思えば7万円も出して(←私が払わされたけどなっ!)航空券の日にち変更をしたのはムダだった。
 ま、こういうこともあるさ。しかたない。けど7万円はやっぱ痛い出費だよな。

 毎晩、「クイズ大会の練習」と称して娘と一緒に勉強してきたので、その習慣がなくなってしまうと何やらポッカリ穴があいたような不思議な気分。
 娘よ。もう「ちぎり」の練習はしなくていいんだよ。
 私もこれからは心穏やかに過ごそう。
 きっと家族の平和も戻ってくるだろう。

 そうそう、書き忘れていたけど試験が終わって家に帰ってきてから、レストランにお祝いに出かけるまでの時間、私はWの新田先生(仮名)に電話をした。
 Wにはいろいろな情報を与えてもらった。その分のお金を払ったのだから当然だろうとも言えるが、いただいた貴重な情報は先達のお受験ママたちからの実体験を伴うリアルなものだった。
 こういうのはもらいっぱなしなのではなく、人としてやはり後に続くお受験ママたちのためにお返しするのが筋というものだろう。
 珍しく律儀な気分になる私。こんな気分は10年に1回あるかないかだけなので、味わえるときに味わっておかないとね。

 「Bグループ女子の試験についてちょっとお耳に入れたいことが」
 「どうしましたか?」
 電話口でも快活な新田先生。
 「確かに先生が仰っていたとおりの試験の流れだったんですけど、ひとつだけ今まで聞いたこともない展開があったんです」
 「ほう。それは?」
 「実はうちの娘の部屋では試験が始まる前に先生から、“試験が始まる前のあいさつができる子はいるかな?”っていう問いかけがあったそうなんです」
 「ほう。始めのあいさつですか。それは確かに初耳ですね。今までT大附属T小学校の試験ではそんな話は聞いたことがありません。それでどうなさいましたか?」
 「うちの娘は白の部屋で7番だったんですけど、“はい。私がやります”と娘だけが手を挙げて、“白の7番さんだけですか? では白の7番さんどうぞ”と言われたので、娘はあいさつを始めたそうなんです」
 「ほほ~う。ひとりだけですか。うんうん。それはすごいですねえ。それで?」
とちょっと興奮気味の新田先生。

 「“皆さん、今日はとってもいいお天気ですね。このお天気に負けないような晴れやかな気分で皆さん、クイズ大会をがんばりましょう”ってあいさつしたそうなんです。それで先生が“白の7番さんのあいさつはどうでしたか? すばらしかったですね。じゃあみんなで大きな拍手”とおっしゃってみんなから拍手してもらったそうです」
 「ほおお~。それはすごいっ。“晴れやかな気分”なんてよくそんな難しい言葉がその場で出ましたね。まあ“クイズ大会”っていうのはよくわかりませんけど、かなりいいですねえ。有望ですよっ!」
 
「それで終わりのあいさつっていうのもあったらしいんです。最初にあいさつしているので、そのときには娘は手を挙げなかったらしいんですけど・・」
 「うんうんうん」
 「で、今度は白の23番さんという子がひとりだけ手を挙げたそうで、その子は“皆さん。今日は皆さん全力を尽くしてがんばりました。お疲れ様でした”とあいさつしたそうで、そのときも先生から“すばらしいですね。じゃあ白の23番さんに大きな拍手”ということで、みんなで拍手したそうです」
「おお~。その子もすばらしいですねえ。白の23番さんもうちの受講生だったらうれしいんですけどねえ」
「先生、どう思います?」
「やっぱり今年から行動観察を入れた一環なんですかねえ。ほんと、今までにそんな話はまったくなかったですよ。聞いた限りではお子さんもその白の23番さんもかなり有望ですよ。かなり可能性あるんじゃないですかねえ~。結果が楽しみですね」
「こういった情報が明日のCグループの方にも役立つといいんですけど」
「大変参考になります。どんなささいなことでもいいので何か思い出したことなどありましたら、いつでもご連絡くださいね」
「はい。お役に立てて光栄です」

などと殊勝なことを言う私。それもあるけどどっちかといえば新田先生から、「そりゃあ合格間違いないですよっ!」などと太鼓判を押してもらいたい気持ちが強いのが本音だ。
そりゃそうよねえ。
私だって人の親ですもの。 

 さあWの話が出たところで、娘のお受験のためにいくら使ったのか、計算してみよう。
 (←ちょっと唐突)

まずはWの講習代。これが一番かかっているはずだ。
 ・T大附属T小 直前対策 基礎編2回 ¥23,000
 ・T大附属T小 模擬         ¥12,000
 ・T大附属T小 入試一日体験     ¥12,000
 ・T大附属T小 Bグループ前日講習  ¥12,000
 合計 ¥59,000なり

 それなりに使ってるが、みっちゃん(仮名)や由美子さん(仮名)のところが通っていたSG会は月の基本月謝が7万円である。それに様々な講習をくっつけて多いときには20万ぐらいになるときがあると言っていたから、それを考えるとWは良心的な料金設定だろう。
 しかもふたりのところはSG会に1年通ったわけだから、軽く100万円は超えてるはずだ。                       
 
それ以外には問題集や過去問。この内訳はばっちりくんドリル8冊、T大附属T小特訓2冊、過去問2冊、製作ドリル2冊、T大附属T小製作キット、T大附属T小「お話の記憶」問題集、T大附属T小「図形Bグループ」、その他親用の面接本などしめて、¥25,000

お受験グッズ関連では、スリッパ¥1,500、娘の上履き¥600、ブラウス¥780(西松屋)、¥980(ジャスコ)、¥4,200(←百貨店のバーゲン品。当日着用)、キュロット¥3,400(←百貨店の。当日着用)、¥1,980(ジャスコ)、カーディガングレー¥1,500(ジャスコ)、ベストグレー¥980(ジャスコ、当日着用)、ベスト紺¥980(ジャスコ)、セーター紺¥980(ジャスコ)、靴下¥98のを3足(しまむら)で計¥294
 髪留め紺とグレー各¥600(百貨店)で計¥1,200
合計¥19,374

すごいっ! これだけこまごまといろいろなものを買っているのにもかかわらず2万円切ってる! 全部百貨店で揃えるとキュロットだけでも¥13,000するから私ったらお買い物上手!(←そのわりにはいらんものもたくさん買ってるが、この際目を瞑ろう)
やっぱりお受験スーツをケチって買わなかったのも大きかったのかしら♪

あとは交通費。バスやら地下鉄やらで¥5,000ぐらい。
で飛行機のキャンセル料¥70,000とお受験写真代¥2,000と住民票の写し1通¥600を合計すると、¥180,974なり。
上記の金額を娘のお受験に注ぎ込んだことになる。
しめて20万円以下。これで受かれば安いものだろうが、ダメだったら無駄金だ。
こういう費用を人は「子どもへの投資」と呼ぶのか。

さてこの投資。吉と出るか凶と出るか。

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