保美さんや奈美子さんたちとのランチのあと、一度家に戻り再び買い物のためひとり自転車で外出した私。
そこでバッタリ出くわしたのが土田さん(仮名)と今日子ちゃん(仮名)親子だ。
自転車に乗ったまま「こんにちは」とあいさつをして走り抜けようとしたら、
「(G大附属)T小の説明会にいたんだって!?」
と声をかけられ、思わず立ち止まる。
まったく~。誰に何を言われているのか、わかったもんじゃない。
「Aちゃんママを見たよっていう人が何人もいてね。何々、T小受験するの?」
と土田さんは好奇心を隠さない。
この親子、結構うちから近いマンションに住んでいて、育休のときに毎日のように通った児童館でよくいっしょになったものだ。
ちなみに「Aちゃんっていつも可愛いお洋服着てるよね? やっぱり外国製?」と聞いたママとはこの人のことだ。
さらに言えば今日子ちゃんはG大附属T幼稚園に通っていて、エスカレーター式にT小学校に上がることが確定している。
もし銀座の先生の言うことが正しければ、娘と同じ小学校に通うことになるのだ。
正直言って先生から「兄弟そろってG大附属T小学校に入る」と占われたときに、どんな学校なのか土田さんに相談してみようかと考えたこともあったが、すでに通っている人にそういう話をするのもなんとなくはばかられ、するなら抽選が通るなりなんらかの結果が出てからでもいいかと思いあぐねていたところであった。
たまたま1ヶ月ぐらい前にもバッタリ出くわし、
「Aちゃん、小学校どうするの? やっぱりインターナショナル・スクール?」
とむき出しの好奇心で尋ねられた。そのときは、
「国立は一応受けてみるけど、クジ運が悪いからこればっかりはね」
と答えると、土田さんはいかに今日子ちゃんが強運の持ち主で幼稚園受験のときにもその運の強さが発揮され、実はO女も3次まで進んでいて、けど結果的には今のところが向いていてこれで中学までは安泰だということをいっきにまくし立てていた。
「うちも今日子ちゃんみたいに運があればいいんだけど」
という思いっきりな私の社交辞令に、
「ぜひAちゃんには入ってきてもらいたいわ。うちのところはね、自己主張がハッキリしている子じゃないとやっていけないの。Aちゃんならしっかりしているから、途中からでもみんなにちゃんとついてこれると思うよ」
と驚くほど無邪気な調子で彼女は応じた。
それって内部進学生の特権意識丸出しの上から目線だよな。本人はそんなつもりはないんだろうけど、ハッキリいってムカつく。
このとき数億分の1ミクロンぐらいだけ、お受験殺人事件の加害者である母親の苛立ちが理解できたような気がしたものだった。
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