翌日はT大附属T小の志願票配布日だった。
朝の9時から受付スタートだったので、また例によってバスに揺られてT小に向かう。
T大附属T小に行くのは初めてだ。
このバスに乗る時間帯はちょうどG大附属とO女附属の幼稚園生がお母さんと登園するタイミングにあたり、毎回思うのはお母さんたちもちゃんとしてそうだし、子どもたちもきちんとしつけられていることだ。
どちらの附属の子どもたちもバスを降りるときに必ず運転手さんに向かって、「ありがとうございました」と大きな声でお礼を言う。
きっと毎朝の習慣になっているのだろう。こういうのは見ていて気持ちいいし、そういう子どもたちには有望な未来が待っているだろう。
最近読んだお受験本によると、小学校の志望理由には具体的な事柄を述べたほうがいいと書いてあったので、もしこのふたつの附属小学校で志望理由を聞かれたら、そのうちのひとつにこの朝のエピソードを入れようと目論んでいる。
T大附属T小はバス停から“教育の森”(←ネーミングもナイス!)と呼ばれる緑地を突き抜けて5~6分の場所にあり、都会のど真ん中だというのに自然豊かな絶好な教育環境にある。
さすがは天下のT大附属T小!
教育の森のあたりからすでに学校に向かうとおぼしき保護者たちの姿が見えてくる。
この時点で9時10分前なのだが、なんですかっ! この長蛇の列は!!
志願票もらうだけでしょ? なんでこんな朝っぱらから並んでいるのだ?(←まあ、そういう私もなっ!)
しかも気のせいか、お父さん率が異様に高い。
とりあえず列の最後に並ぶと、雨後の竹の子のようにぞろぞろと人が集まってくる。
しかし9時過ぎるとドンドン列が進んでいき、あっという間に校門の前に。
何やら志願票だけでなく、パンフレット販売のブースができていて、その前に人が集まっている。
パンフレット代、千円也。
なんのパンフレットかと思ったら、なんのことはない。「学校説明会は行いませんから、代わりにパンフレットを買ってください」ということなのだ。
天下のT大附属T小さまに言われりゃ、買わんわけにはいかんだろう。
しかしボロくないか!? 5000人受けに来て、受験料以外にパンフレット代、500万円也。なんか悔しいぞ。
しかし悔しがっていたら、小学校の情報は得られないのだ。
ええええ、わかりましたとも。買いますよ。まったくっ。
しかし保護者たちの様子が他の国立以上にピリピリしているように感じるのは、気のせいだろうか?
なんか親たちの必死さが怖い。絶対にうちの子だけは出し抜いてやる的な闘志をヒシヒシと感じるのだ。
他の国立小学校はクジ運が大きく作用するのに対して、この小学校は半数が一次のクジは通る。その後のペーパーテストが大きくものを言うので、「運試し」というより「取りに行く」というスタンスの違いがこの気迫を生むのだろう。
駅方面に向かって歩くと、あれあれ、いつの間にか業者がパンフレットを配り始めている。
教育の森から駅まで続く業者の数はこれまでの学校の比ではない。
いちいちパンフレットを全部もらっていたら、なんと厚さ30センチほどになってしまった! 業者も稼ぎ時なんだろうなあ~。
信号待ちをしていると、あらあら見知った顔のお母さんを発見。
娘と同じ幼児教室(←お受験塾ではない)に通っている澪ちゃん(仮名)ママだ。彼女もこちらに気づき小さく手を振っている。志願票を取りに来るだけなのにバッチリお受験スーツ姿だ。
ちなみにお受験スーツをまだ買っていない私は(←早く買えよな)、ちょっとだけ改まった普段着だ。
だってこれから会社行くんだもん。いちいちあんなん着てられないって。
とりあえずスケジュールをこなすだけでも必死な私なのであった。
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