志願票を取りに行った日の夜、夫はバンドの練習のために出かけていった。家の近くのスタジオで2時間ほど練習したあとは、いつもメンバーを引き連れてうちに帰ってきて、軽くみんなで飲むのが定例になっている。
この日、夫が連れて帰ってきたのがカズヒロ(みっちゃんの夫であり陽太パパ)とタケル(洋子の夫でありカリンパパ)全員仮名である。
陽太の第一志望がT大附属T小だったことから、「今日、誰が志願票取りに行ったの?」と聞くと、「俺、行ったよ」と答えるカズヒロ。
タケルのところは試験のあるT大附属T小とG大附属O小はパスだという。完全に運試し組だ。
「パンフレット買った?」と聞くと、
「なんか並んでたからめんどくさくてさ、買わなかったら光子に“何やってんだっっ!!”って殴られそうになった。マジ、あいつ怖いよ。必死すぎて」
と「そんなことよりビール、ビール」とうれしそうにビールを注いでいるカズヒロ。
夫がバンドの練習に行っている間、パンフレットを流し読みしてみたのだが、なんだかすごい学校であった。
「130年の歴史」とか「校章は明治天皇から下賜された御紋」とか「本校での教育成果が全国の公立小学校を牽引」とか、もうハハア~と気分は「お代官さま。おねげぇしますだ」とひれ伏す下賤の者だ。
もう超上から目線! 皆の者、控えよっ!って感じ。
「本校生徒が乗り越えるべき3つの試練」というのもすごい。
まずは有名な遠泳2キロ。あとは2500メートル級の登山。そしてスキー。
なんだかめちゃくちゃ体を鍛えまくってるぞ。
運動オンチで集団行動が苦手で、競争させられたり強制されたりするのが死ぬほど嫌いな私には絶対に向かない学校である。
自分だったらまず不登校になるな。変な確信をする私。
そして教育目標もすごい。
なんといっても「国民的自覚を持つ子ども」なのだ。
国民ですよ。国民! 国民と言われるとその前につく冠が「日本」というより「大日本帝国」のほうを思い浮かべてしまう私って偏ってる?
しかもうちの子ども、ハーフだし。国民って言われてもなあ~。
あとは「文化を継承し、創造し~」とか「人間としての自覚~」とか、もう「自覚」を促されっぱなしなのである。
でも自覚って強制されて芽生えるもんかね?
パンフレットを見れば見るほど、自分には合わないT大附属T小学校。
要はスパルタチックなんだよなあ。
そうは言っても、私に合わなくても(←たぶん夫にも合わなさそうだが)、娘には合っているという可能性はある。
あ、でも銀座の先生に娘もT大附属T小は合わないって言われてたか。
じゃあ、だめじゃん!!
しかも結果が出るのがここが一番遅いし。
まあどうせ合わないんだったら、クジでとっとと落としてもらった方がスッキリするかもね。
0 件のコメント:
コメントを投稿