G大附属T小の一次抽選がダメだったことで、落ち込みに落ち込んだ週末だったが、タイミング良く我が町最大のお祭り「御会式」と重なったことで、お祭りのイケイケモードに触発されて、少しは気がまぎれたところで月曜日が始まる。
この週の月曜日と火曜日はG大附属O小の一次受付があり、折りよく月曜日はO小から一駅しか離れていない某市の教育委員会に直行予定だ。
タイミング的に会社に戻る前にちょっくら寄ってくかといきたいところだが、問題はひとつ。
それは立木さんという同行者がいることだ。
立木さんはプロジェクトメンバーのひとりで、年のころは50代前半。肩書きは総務系部署の課長でそっちが本職なんだけど、どうやら管理とか総務の仕事が嫌いらしく、部下たちに総務系の仕事はほぼ丸投げ状態で、このプロジェクトの仕事をメインでやっている。
そんなこともあって仕事的に社内で1,2を争うぐらい私と近い人物だ。
また万年文学青年で読書量がハンパではなく、ロック好きでいまだにライブハウスに通いつめているところから、私と話が合わないはずはなく、いつも私たちは文学の話、音楽の話をしている。
また私たちは社内で音楽好きの人間を集めて、「ロックの会」というサークルを作り、定期的に集まっては飲みに行き、ひたすら音楽の話をするという楽しい活動もしている。
こんな状態で、立木さんが“佐藤浩一”並みに濃ゆいフェロモンの肉食系オヤジだったら、一発でノックアウトされてるところだったが、幸い彼からは1ミクロンもそういったものは放出されていない。
奥さんを「配偶者」と呼ぶリベラルな草食系オヤジなのである。
話は飛ぶが、男性にしても女性にしても自分の結婚相手をどう表現するかによって、その人自身の「男尊女卑度」とか「夫婦の力関係」みたいなものが滲み出てしまうものだと思う。
英語だと「my husband」とか「my wife」で済んでしまうが、日本語には「ダンナ」「亭主」「主人」「つれあい」「かみさん」「家内」「奥さん」「女房」などいろんな呼び方がある。
ちなみに私は意識して「夫」と呼ぶようにしている。私たちに上下関係はないし、私は彼の所有物ではないからだ。
そういうこともあって、無自覚に自分の結婚相手のことを「うちの主人が・・・」という人はどうもノリ合わないというか、自分とは価値観の違う人だと思っている(←ただし年配の人はちょっと別)。
話を元に戻すと、立木さんには世間話ついでにお受験の話もよくしているので、時々ふざけて私のところの内線に、「G大附属T小の学校長ですか・・・」などと電話をかけてきたりする。
月曜日も某教育委員会をあとにして、駅に近づいたときに、「じゃあさ、お茶行こうよ。お茶」と案の定、立木さんは切り出してきた。
ヘビースモーカーの立木さんは電車に乗る前にニコチンを摂取しておかなければいけないので、必ず外出すると「お茶しよう」と言う。
「お茶もいいんですけど、その前につきあってほしいところがあるんですけど・・・」
「えー、そうなの? どこ?」
「G大附属O小です」
「へぇ!?」
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