「お子さん、おふたりいますよね」
突然切り出す先生。す、すごい! 子どもの子の字も言っていないうちからいきなり子どもふたりときた!
うちの子どもたちは当時4歳と2歳だった。
「まずは上のお子さんの生年月日からお願いします」
先生は相変わらず、「ふむふむ」と言いながら私の背後に向かって頷いている。
子どものことで占ってもらうなんて初めてのことだ。自分が何か言われるのとはまた違う種類の緊張感が走る。
もし嫌なことを言われたらどうしよう? 自分のこと以上に気になる。そういうときにこんな私でも人の親なのだなと思う。
親としては自分の子どものことをあれこれ期待し欲張る反面、基本的に健康で本人がハッピーならいいと思う。
あとは自分も他人も傷つけることなく、人様に迷惑をかけず、将来的には食べていけるスキルを身につけてほしい。
「あ、お嬢さんなんですね」
あ、当たっている。うちの上の子は女の子なのだ。
「ずいぶんとマジメな子ですねえ」
うーん。4歳でマジメだというのは判断がつきにくい。
「性格とかパパそっくりですね。向いている仕事もパパと傾向が同じだし、マジメで献身的で人に尽くすタイプです」
うん。確かにそうかも。向いている仕事はわからないが、顔は間違いなく娘は夫に似ている。何せ赤ちゃんのころから近所の見知らぬおばちゃんから、「あら、パパそっくりだね」と言われたことすらあるのだから。
「マジメでコツコツ努力するタイプですよ。向いている仕事は会計士とか公務員とか看護士とか学校の先生とか」
ということは夫が向いている仕事もそういった種類のものなんだな。
「あと最も向いているのは弁護士です」
おお~! すごい! いいじゃないか!
「ただし本当は専業主婦になるのが一番いいタイプなんですよ」
あれ? なんと! 専業主婦を卑下するつもりはないが、4歳の子どもの将来に一番いいのが専業主婦だとは夢がない。
何かをやってから専業主婦になるのはいいが、その前に何者かにはなってもらわないと。
「どちらにしてもコツコツ勉強するタイプですから、あまりキャリア志向には育てないでください。早めに結婚させないと婚期を逃すタイプです。資格を取ったり勉強するのは結婚後でもできますから」
それはそうだろうけど、私的には娘がバリバリやってくれるのにまったく異存はない。
うーん、ちょっぴりつまんないな。
「それと娘さんにあまり厳しくしないでと守護霊様がおっしゃっています」
どひゃー! そうきたか! うん、思い当たるぞ。初めての子で様子もわからず、しかも女同士だからか確かに娘とはぶつかりがちだ。すでに女同士の争いの様相を呈することもしばしば。
ここは素直に反省。もう少し優しくします。
0 件のコメント:
コメントを投稿