2009年3月12日木曜日

息子について

「それでは下のお子さんの生年月日を教えてください」
生年月日を書きながら、いつも指しゃぶりばかりしてボヤーとしている息子の顔を思い浮かべる。
1歳半ごろから普通に会話ができ、頭の回転が速く何事も人並み以上にできる娘に比べて、息子は2歳になってもほとんど言葉を話さず、いつもどこを見ているかわからない目つきをしている。
健診の度に小児科の先生に「うちの子、だいじょうぶですか? 片言すらしゃべらないんですけど」と聞いてみても、「まあ個人差がありますからね」と言われ続けてきた。ただ元来神経質ではないのか、泣いたりぐずったりということがあまりなく、育てやすい子どもではあった。なんだかマイペースでのほほーんとしているのだ。癒し系キャラクターとも言えよう。
「あ、この子、すごい! 天才ですね」
 はあ? 息子がですか?
「この子は将来が楽しみですよ。ものすごく頭のいい子ですよ。期待していいです」
 本当ですか? めちゃくちゃボヤーとしてますよ。
「いいんですよ。子どもの頃はいくらボヤーとしてても。彼は大学を卒業したあとからどんどん頭角をあらわしていきます。娘さんはお父さんに性格も向いていることも似てますけど、息子さんはお母さんに似てますね。自由奔放で自分のやりたいことしかやらないところとか、マイペースなところとか、芸術関係に向いているところとか」
おお~。確かに。言われてみれば私だって相当子どものころはボヤーとしてたから、あまり人のことは言えないか。
「向いているのは芸術関係、医学関係、獣医とか、建築関係もいいです」
おお~、芸術はともかく、医学関係も良し? 娘が弁護士で息子が医者だったらどんだけ親的には都合のいいことやら。
「あとこの子は霊感が強いですね」
え? 霊感!?
「小学生になるころに何か見えると言い出すと思いますが、その場合は肯定も否定もせず、聞き流してください。しばらくすると見えなくなりますから。ですからあまり心配する必要もないでしょう」
天才だとか霊感だとか、息子に関しては思いもよらなかったことばかり飛び出してくるなあ。
 「途中少しグレることもあるかもしれませんが、まあそれも心配ないでしょう。男の子ですから」
 うーん、男の子なら多少グレてもいいとは思えないけど、大したことないのならそれで良しとするべきか。いかんせん、今の指ばかりしゃぶってボヤーとしている姿からグレたりする姿は想像がつかない。
 「まあ楽しみにしててあげてください」
 そうしましょう!

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