異動してから覚えることがたくさんあって、最初のうちは右往左往していたが、徐々に慣れ、落ち着いたころにはヒマになってきた。
鋼鉄の女はさすがに厳しいが、年齢のせいか一時のころを思えば相当丸くなっているらしい。これで丸いんだったら、全盛期はどうだったんだろう。
さすが伝説の女。
ところが異動して2ヶ月ほど経ち、季節もすっかりさわやかな秋真っ盛りのころに異変があった。
以前から女性上司のご主人の具合がよくないとは聞いていたが、ここにきて急変。彼女が自宅でご主人の面倒を看ながら、会社には午前中または午後だけしか来ないという日々が始まったのだ。場合によっては1日休む。
ということはあまりやることがないときに、私とHANAちゃんだけ。おっかない上司がいない。それって結構フリーダム?
仕事もよくよくやってみるともちろん加齢臭がいたときのセクションに比べるとベターに決まっているのだが、私がクリエイティビティを発揮できる場所でもなく、社会的な意義な大いにある仕事ではあるが、私個人としては「うーむ」という感じだった。
これも先生の言うとおりだ。
「異動したって、あなたにとって特におもしろい仕事ではなく、今よりずっとヒマになるわよ」
うん。そうだよ。当たってるよ。だってすごーくヒマだよ。
「でもいいんですよ。忙しいと次のことをする準備もできなくなっちゃうし、仕事に対するおもしろみはフリーになった時に存分に味わえばいいんだから」
そうか。この余ったエネルギーで何かしたほうがいいということなのか。
そこでボチボチ書き始めていた自作の小説に思いを馳せる。
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