午前中の公立小学校説明会と打って変わり、水を打ったようにシーンとしたG大附属T小学校の学校説明会。
まずは副校長先生と言う人が出てきて、挨拶をする。
正座したまま、深々と頭を下げる保護者たち。
「まず最初にお断りしておきますが、我が校は中学進学を目的とした進学校ではなく、教育実習を目的とした実験校であるということです」
とギラギラと血走った目をしてメモを取り出した保護者たちに、いきなり牽制球を投げる副校長。
「その上で、まずは我が校の年間活動をご紹介するビデオをご覧ください」
と巨大なスクリーンにはプロジェクターから、この学校の生徒たちの日常生活が映し出されている。
年間を通した学校生活のビデオが流されるのだが、取り立てておもしろいものではない。印象的にはなんだかイベントが多い学校だなあといったところだ。
あと校内に小さな水田があり、そこでお米の栽培をしているのだとか。
ビデオを見終わると、学校説明に入る。
この間、基本的に繰り返されていたことは、「進学校ではない」「教育実習のための実験校である」「国立法人になってからお金がないので寄付して欲しい」「学生が教えることが多いので、あまり授業のクオリティには期待しないで欲しい」「中学まではとりあえず行けるが高校はそうではない」ということで、それらのことを重々踏まえたうえで受験して欲しいとのことだった。
いや、受験して欲しいというよりも、なんだかあんまりたくさんの人に受けてもらっても迷惑的なニュアンスすらあった。
そして最後に「受験のための特別な準備はくれぐれもしないでください」という念押しまで。
って言われなくてもやってないし。
説明会を通して、先生の「この学校のことを知ってほしい」「この学校のことを好きになってほしい」「この学校をぜひ受けて欲しい」という熱意がほとんど感じられないことに唖然とする。
銀座の先生からこの学校に子どもたちが通うことになると言われていたが、まったくピンとこない。
嫌な感じというわけではないが、どうも説明会も不親切だし。
けど制服の感じ(特に男子)はやっぱり先生が書いてくれた制服に似てるよなあ。
小1時間ほどで説明会が終了し、最後の最後で体育館の外でこの小学校の研究課題をまとめた冊子を販売しているので、良かったら購入して欲しいというアナウンスが入る。
4冊シリーズになっていて1冊につき2,000円強ほど。
え、4冊で8,000円!
気のせいか、このアナウンスのときが一番熱が入っていたような。
体育館を出ると保護者たちはすでに冊子を買うために行列を作っている。
みっちゃん(仮名)とタケル(仮名)とヒロキ(仮名)、そして私はお互いの顔色を窺いながら、
「どうする? 買う?」
と聞く。
「そうねえ~、ちょうど私たち4人いるから1冊ずつ買って回し読みするって手もあるけど」
とみっちゃん。
「うーん。どうしようか?」
と30秒ほど悩んでから、
「まあ、いいっか」
と全員で口を揃えて、その行列に背を向ける私たち。
こんな都会のど真ん中にあるのに、学校の敷地は広く、設備はわりと新しく、校庭も広い。環境は良さそうだな~。
本当にここにうちの子どもたちが通うのかな。
門のところでは引き続き、業者が保護者たちにチラシを配っている。私もそうだったが、おもしろいことにほとんどの保護者たちがチラシを受け取っている。過去問のサンプルがあるブースでは、中を確認している保護者ですらいる。
お主、やる気だな。
なぜか心の中で武士言葉になるそれがし。
しかし、この小学校の選考は行動観察のみなのに、どうやって受験対策の立てようがあるんだろうか?
お、チラシにはしっかりと「行動観察対策講座」という文字が躍っている。
2時間の講座のお値段がなんと1万9千800円!!
こういうのっていったいどうなわけ?
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