2010年2月18日木曜日

小説の行方は? その2

 早紀ちゃん(仮名)と私たちのアイディアを有岡さん(仮名)たちに披露したあとは、末弟が家族で上京してきたので、泊りがけでディズニー・ランドとシーを満喫したり、子どもたちをサマーキャンプに送り込み、初めて子どもたちのいない日々を夫とふたりでラブラブしながら過ごしたりと、夏の日々を楽しんだのも、つかの間のある日の午後、T書店の本田くん(仮名)から携帯に連絡が入る。
 きっと例の仕事ができるというフリーの編集者が私の書いたものを読んで感想なり意見なりを伝えてきたという内容に違いない。

「例の編集の人から連絡がきましたよ」
と本田くん。予想的中だ。
「メールで感想を送ってきたので、そのまま転送しますよ。読んだら電話ください」
 感想を書いてきたというのはその編集者なりにちゃんと読んだってことなんだろう。

 送られてきたメールを読む。
 ……内容は辛口だ。

 要点をまとめると、
・ 文章はテンポよく読みやすい
・ 主人公に共感できない
・ 何が言いたいのかわからない
・ 恋愛の心模様が上っ面
・ 純愛なのかプレイガール日記がどちらかに特化すれば、まだ可能性はあるかも
・ ただ本人が可愛かったら写真をつけて売るという方法もありかも

といったところか。
 しかしまた出たよ。主人公に共感できないという意見。
 ほんと、思うにイチイチ主人公に共感できないといけないのかね?
 それって説得力ってことかい?

 あと何が言いたいのかということや心模様が上っ面というのは、この読み手がそう感じたんだったら、それはそれで仕方がない。

 それよりもムカっ腹が立つのは、可愛ければ写真もつけて・・・というくだりだ。
 本田くん(仮名)が先方に先入観を与えないようにということで、私の年齢とかプロフィールとかは全部伏せられてたわけだけど、それにしてもなんだよ。結局人は見た目かよっ!
 
 こっちとくりゃあ、40歳超えてるんじゃあ。
 喧嘩売ってるのか。われは!!
 可愛くなければ、恋愛話は書くなってか?
 顔出しできるぐらいじゃないと、男とヤる話は書くなってか?
 わりゃ~、舐めとんのか、こりゃあ~!!

とムカムカと腹が立ってくる。なんていうのかね、本質的な感じじゃないわけよ。うーん、それよりも男性原理主義者的なんってーの? 男の論理?みたいな? 
 なんかそういうのってムカつくよな。
 可愛かったらって、マガジンハウスにおける椎名桜子かよっ!(←なつかしいわ)
 それとも初エッセイの発売記念の会見で、「エッセイの読みどころは?」と聞かれて、「まだ読んでいないんでわかりません」とナイスなボケをかましてくれた松本伊代みたいなものを期待してるのかね?

 うーん、うーん、こういうのって気分悪いよな。

 あまりにムカつくので、こっそり浅井さん(仮名)を呼びつけ、「ちょっとどーよ?」と無理やり意見を求めると、私が期待したより0.5秒ほど早く、
「なんすかねえ~、これキモイ意見ですね!」
とあっさり切り捨ててくれた。
 これでこそクール・ビューティー浅井。
「なんかセンスない意見ですよね。アホか、お前って感じ。こんなしょーもない意見しか言えへんオッサンの言うことなんて気にすることないですよ。まあ、聞く価値もないし」
とボロクソだ。
 うーん、ありがとう。浅井さん。

 誤解のないように言っておくが、私は批判されたことにムカついているわけじゃないのだ。もちろん正当な批判なら受けて立つし、聞く耳だってあるのに。
結局はよくわからないということなんじゃないだろうか?   
 それをよりにもよって著者が可愛かったら売れるかもみたいなもの言いが気に食わない。
 もし私が男の著者だったら絶対に言われないことなのに・・・。

 「どうです? 読みました?」
と携帯に電話をかけてきた本田くん。
「まあ、彼もこう言ってますし、やっぱりT書店じゃむつかしいかな。まあ気を落とさずまた次も書いてくださいよ」
と気を遣いながら話しているのがよくわかる。

 いや、もう次はないね。しかし世の中にはアホほど本が出版されているのに、なんで私の書いたものはダメなんだろう。
 一冊ぐらい余計に出版してくれても良さそうなのにね。
それにしても、銀座の先生が言うように何冊も本を出版するような日がやってくるのか?
あ~あ、本当に私の未来はどうなっていくんだろうか? 
誰か教えて。

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