2010年10月17日日曜日

ロンドン♪ ロンドン♪ 愉快なロンドン(←古っっ!)

 T大附属T小の2次試験からきっかり1週間後、私と娘はブリティッシュ・エアウェイ0006便に乗り込んでいた。
 午前中の便だったので、前日から成田のホテルに泊まり、成田山にお参りに行ったり夕食は娘とふたり海鮮居酒屋に入り、イギリスに着いたらロクなシーフードにはありつけないからと、生牡蠣だの刺身だのを今生の別れのごとく食べ散らかした。
 あとまったく偶然なのだが、飛行機には昔よく仕事をいっしょにしたライターのYさんと乗り合わせ、大いに驚かされたのであった。

 行きの飛行機は定刻どおり出発し、定刻どおりヒースロー空港に到着した。娘はイギリスのパスポートを持っているので、いっしょにそっちの窓口に並ぶ。外国人用の窓口は長蛇の列ができているので、こういうときにちょっぴり優越感を抱いてしまうイエロー・モンキーな私である。
 イエロー・モンキーついでに、私が初めてロンドンに来たのは1995年のこと。ちなみに今は解散してしまったイエロー・モンキーのロンドン・レコーディングに同行取材させてもらったのが、私のロンドン初体験である。

 それはさておき。ヒースローは行くたびにルールが変わっているので、果たして私まで娘といっしょにイギリス人と同じ窓口で入国させてくれるかはどうか、自分の番が来るまでわからなかったが、今回は無事にその窓口で対応してもらった。

 入国ロビーには夫と息子が迎えに来てくれていて、ウィンブルドンに住む夫の3番目のお姉さん宅に向かう。
 夫は5人兄弟の4番目で、3人のお姉さんと1人の妹の間に挟まれたたったひとりの男の子だ。
 これが日本だったら大切な跡取り息子さまなんだろうけど、ここでは全然そんな感じではない。
 いわゆる小姑4人の鬼4000匹状態なのだが、彼女たちからすれば私は外国人なので、まあ珍重されているといったところか。
 夫は姉妹たちの中ではダントツに3番目のヘレン姉さんと仲がよく、しょっちゅう連絡を取り合ってるし、また彼女が一番便利な場所に住んでいることから、ロンドンに行くと必ずお世話になっている。
 今回もいつものようにウィンブルドンを足場にあっちこっち友だちや親戚を訪ねて行くことになっている。

 夫の両親もヘレン姉さんのところに泊まっていて、翌日は妹家族も加わってクリスマスを過ごす。
 2回目のイギリスで過ごすクリスマスだったけど、本物のもみの木を飾り、みんなでターキーやクリスマスプディング(←激甘っ!)を食べたり、朝から飲んだくれたり、ゲームをやったり、クラッカーに入っているカードをめくるとつまらんギャグが書いてあったり、となかなか楽しく、私は好きだ。
 なんといっても日ごろはロクなもんを食べていないイギリス人だが、クリスマスにはちゃんとしたものにありつけるありがたい季節でもあるのだから。
 
 こうしてはじめの3泊はウィンブルドンで過ごし、そのあとはヘレン姉さんのボルボを借りてひたすら毎日、姉妹の家や友人宅を泊まり歩いた。
 みんな結構離れたところに住んでいるので、泊りがけで行かないとなかなか回れない。
 そのおかげでいろんなお宅を拝見できるので、インテリア好きな私にはうれしいイベントだ。

 イギリス人はそもそも食べ物やファッションにお金をかけない。何にお金をかけるかといえば、やはり家だのインテリアだのガーデニングだのといった衣食住で言えば、圧倒的に住の部分だ。お宅拝見をして楽しくないはずがないっ!
 外を歩きながらまったく赤の他人のよそ様の家に対してあーでもないこーでもないと勝手に論評し、人んちに呼ばれようものなら(←初めて行く家だと最初に家中を案内させられる。家主に対してはひたすら家を褒めるべし)、陰でこれまた間取りがどうだとか、ソファーの色がイマイチだったとかなどをあーでもないこーでもないと言い合う。
 ちなみに夫はイギリス人のくせに、住の部分にはほとんど関心がなく、ファッションにはもっと関心がないので、お金をかけるのはひたすら食の部分だ。

 しかし地価は未だに高い。リーマンショック以降、金融工学に大いに依存していたイギリス経済は壊滅的な打撃を受け、バブル景気に沸いたイギリス景気に一気に冷や水をあびせたわけだが、地価が下がっているといっても、もともと住宅の供給が圧倒的に少ないイギリスでは未だに不動産にはけた外れの値段がついている。

 たとえばヘレン姉さんのウィンブルドンの家はセミ・ディタッチド(←1棟が半分に分かれている家。1棟の家はディタッチド、何軒も連なっている場合はテラスハウス、大きなお屋敷はマナーハウス、マンションタイプはフラット)で、間取りはキッチン、ダイニング、リビング、サンルーム、寝室4つで20年ほど前に6000千万で購入したらしいのだが、今はなんと2億4千万円程度になっているという。

 最初に銀座の先生のところに行ったとき、私たちは将来「曇っていて同じようなレンガの家ばかりが並んでいる田舎でもなければ都会でもないところに、将来家を建てる」と言われたのだが、特にウィンブルドンの街を歩いていると、まさにここだよなあと思うところしきりである。
 でも2億円でっせ、ダンナ。
ウィンブルドンは東京でいえば成城とか田園調布みたいな感じのところなのだ。

ウィンブルドン駅の裏側から超有名なテニスコートに至るまでのエリアは、超お屋敷街で執事がいそうなアッパーな感じの超豪邸が建ち並ぶ。ああいった家だとだいたい6億から10億ぐらいらしい。
しかしそんな大層なエリアじゃなくミドルクラスが住んでいる駅周辺で、公園に近かったりするちょっといいなあと思う家があったので、いくらぐらいするのだと聞くと、ヘレン姉さんから、
「オー、あの家は4億円ぐらいのはずよ」
と返ってきた。

 マジかっ! いったいどこなんだ!? 
将来私たちが住むレンガ造りの似たような家ばかりが建ち並ぶ田舎でもなく都会でもないどんよりと曇った街とやらはよぉ! ちなみに先生は「かなり大きい家です。もしかしたら3世帯で住むかも」と言っていた。
 そんな家はよぉ、4億もするんだぜぇ。そんな金、宝くじでも当たらない限り鼻血も出ないっちゅうのっ!
 

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