娘が寝たあと、Hanaちゃんにさんざん愚痴った私である。あ~、Hanaちゃんがいてくれてよかった。
もうお受験に失敗してモヤモヤした気持ちをどこにぶつけていいかわからず、悶々とするところだったぜ。
しかし元々、あまり物事に執着しない性格のせいか、3歩歩けば忘れる鳥頭のせいか、はたまた前の晩にHanaちゃんにさんざん愚痴ってスッキリしたせいか、一晩寝てしまえば、すでに半分ぐらいどうでもよくなっていたのには我ながら驚いた。
気分はすっかりロンドンへの里帰りである。
そう、私は未来志向の女。
どうせ行けない小学校のことなんて、もうどうでもいいのよっ。前進あるのみ。
息子に関して公立ではダメだと銀座の先生は言うが、もういいのだ。先生の言うことは当てにならないし、娘が公立なら息子も公立でいいのだ。
だって同じ小学校に行ってもらったほうが、親にとって何かと都合がいいではないか。
こうなったら中学受験でリベンジだ。
今にみておれぇ~。持ち前の探究心で首都圏の全中学校を調べ上げてやるっ! あ~あ、私みたいな親が日経キッズだのプレジデント・ファミリーなどの購読層なんだろうなあ(←納得)。
娘とバレエのレッスンに向かうとちょうど朔美ちゃん(仮名)ママに出くわした。ママがバレエに付き添ってるということは、さてはパパが抽選に行ってるな。
朔美ちゃんママはすっかり恐縮した雰囲気で、「いやあ~、うちなんかはまぐれ以外の何者でもないんで、その上抽選通るなんておこがましいことはとても考えられないよ」と、ひたすら“実るほど頭を垂れる稲穂かな”状態である。
レッスンが終わり、再度迎えに行ってみると、待ち合わせをしていたのか朔美ちゃんパパが現れた。
娘も2次試験に通ってたら、いっしょに朔美ちゃんパパと抽選会場に向かってたんだろうなあと思うと、“ちくしょうっ!! うちの娘を落としやがってよおぅ”という無念さがムクムクとよみがえってくる。
しかしそんなちくしょう感も朔美ちゃんパパの、
「いやぁ~、ダメでしたよぉ~。でもいい夢見せてもらいましたよぉ~」
というおっとりとした口調で空中霧散してしまう。
お主、人徳者よのぅ~という感じ。
「もう一次抽選通ってから慌てて準備の真似事のようなことを始めたうちが通って、何年も頑張ってる雪美ちゃん(仮名)が落ちたら申し訳なくて合わせる顔がなかったけど、順当に雪美ちゃんが通って、うちが落ちてよかったですよぉ」
そう微笑む朔美ちゃんパパ。
おっ、ということは雪美ちゃん由美子さん(仮名)親子は無事T大附属T小の合格切符を手に入れたということなのだな。
「ほんと、ほんと。結果が逆だったら卒園するまで、私、保育園には行けないところだったよ」
と朔美ちゃんママもパパに同意している。
あんたら、マジか!? そんな気弱なことを言っていてどうするっ!
由美子さんだったら間違ってもそんなこと考えないだろうなあ~。
だって運というのは準備していようがしていまいが関係なく降りかかってくるものだし、そもそも朔美ちゃんは実力で2次試験を突破しているのである。
もっと図々しく勝ちを狙ってもよかったんじゃないか?
しかし由美子さん、天晴れである。気合勝ちというか、どれだけ気持ちが強いかが勝負の分かれ目だったような気がする。
毎日夜遅くまで勉強させた甲斐があったね。抽選という最後の運試しも気迫に満ちた由美子さんに味方したのだ。
「ごめんね~。朔ちゃん。パパ、抽選ではずしちゃったよぉ~」
娘に向かって頭を掻きながら平謝りに謝っている朔美ちゃんパパ。
「まあ、こうなることは予想がついたけどね。じゃあ、MG小学校のほうに行けばいいのよね」
と恐ろしく醒めた口調の神童・朔美ちゃん。
君なら我が区屈指のMG小学校でも神童ぶりを発揮してくれると思うよ。
「そうそう、Aちゃんママ(←私のことね)。こうなったらランドセル買いますよね?」
と唐突に話を変える朔美ちゃんパパ。
「S百貨店のスペシャルエディションっていうシリーズがあってね、色がすごぉーく可愛いバージョンがあるんだけど、知ってます?」
「さあ~? うちはシャーリー・テンプルにしようかと思ってるんだけど」
「シャーリーもすっごく可愛いですよねえ。うちが狙ってる可愛いのはね、都内じゃ売り切れちゃって、今埼玉まで行くしかないんですよねえ。大宮だったら割引券も使えて15%オフになるから、今日行っちゃおかなあ~」
ここでも広告チラシ大好き割引券・クーポン券大好きの血が騒ぐ朔美ちゃんパパであった。
2010年10月12日火曜日
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