2010年11月11日木曜日

3度目の銀座の先生①

 いよいよ3ヶ月待った銀座の先生に占ってもらう日がやってきた。
 見事に娘の小学校受験結果をはずされたので、結構どうでもいいやという気分になっている。
 1回2万円もするのに、あれだけはずされてまたノコノコ行って支払うのもシャクではあったが、そこは小心者の私。ドタキャンする勇気もなかったので、時間通りに例のマンションに向かった。

 ちなみに先生に3回目診てもらうことを夫に話したら、心底驚かれた。「あれだけはずされてなぜ?」というのが一番大きいのだろう。
 私だって驚くよ、自分自身を! まったくネギを背負った鴨かいっ。私は!

 10分ほど待たされたあとに先生がいる部屋に通される。
 部屋を暗くしてろうそくの炎で背後を見られる儀式も今までどおり。
 上半身だけの人型の書かれた用紙にいつものようにさらさらと先生はボールペンを走らせ、「今回も何も悪いものは憑いていませんね」とにっこり微笑む。
 前髪を短くしているので、印象が違って見える。前髪が短いとより素朴な感じになり、これはこれで可愛らしいんだけど、前髪が長くて横に流していた前の感じのほうが私の好みだ。

 「お久しぶりですね」と先生が微笑みかけてきて、「ご主人のご家族がまた揉めていますね」と切り出してきた。
 最初はここからかい。確かにクリスマスのときにも姉妹たちが2グループに分かれてしまい、対立をしていた。揉めていることは確かだ。でも離れている私たちにはどうすることもできない。
 そんな気持ちを見透かすように、
 「いったんは解決したみたいですけどね。まあ気にせずに。関わらないことです」
と先生は淡々と言う。だったら言わなくてもいいのにっ!

「さてっと」と先生はこれからが本題だという調子で、
「お嬢さんのG大附属T小をはずしたこと、いまだによくわからないのですよ」
と切り出してきた。
 って言われてもさっ! よくわからないのはこっちなのさっ!
 「写真持ってきていらしゃってますか?」と聞かれたので、写メールで写した娘の写真を何枚か先生に見せる。
 「わぁ、やっぱり可愛いですね~」と褒めてくれるのはいいんだけど、どうなのよ? そことのところは?

 「やっぱり写真見てもG大附属T小の制服が未だに見えるんですよねえ。お電話でもお話した通り、編入とかありえるのかなあ。ああ、でも公立から国立の編入って帰国子女でもない限りふつうないですよねえ。う~ん、やっぱりわからないなあ。G大附属T小に縁がとっても強いんですけどね」
 と考え込む先生。そんなに縁が強いところがなんで一次抽選であっけなく落ちるのよ?

 「中学は確実に行くと思うんですけどねえ」
 なぬ中学だと! そんな先すぎる話、まったくピンとこないねっ! だって1年以内の小学校受験をあれだけはずされて、今から6年も先の中学受験の話なんてもっと当てにならないじゃないかっ!
 「G大附属T中学を受験するという前提で常にこの学校のチェックはしてください。ただ仮に編入があるとしてもたまたまそういう情報が入って知るというパターンになりそうです」
 はあ~。

 「でもこの子は公立小学校でも全然問題ないですよ。ちゃんと勉強もやるし、優等生です。お友だちにも恵まれるし、大きなトラブルは見えないです。私立もインターナショナルスクールも見えないですからね。今、精神的にも安定してるし、ちょっと前は少し不安定だったこともあったみたいですね」
 あのね~。仮に娘が不安定だった時期があったとしたら、お受験のころでしょ? 確かに私もずいぶんガミガミ言って娘を追い詰めた側面もあったかもしれない。
 けどね、元々近所の公立でいいと思っていた私に、絶対に国立が受かるから絶対にお受験させろとアドバイスをしたのは誰なのよ? あなたでしょうが!
 そう言い出したい気持ちをぐぐぅーっと抑える。

 そうは言っても先生の予言を鵜呑みにして、実際その通りに動いたのは他ならぬ私自身だからだ。

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