「あの~、うちもうひとり子どもがいるんですけどぉ」
と息子の写真を見せる私。
「ああ、男の子のほうもかわいいですねえ~。3歳ぐらいですか?」
と写真を見たあとにっこりと笑いかける先生。
そんなあ~。いくら幼稚だとはいえこう見えて息子は5歳で、来月からは年長さんになるのだ。その旨を先生に伝えると、
「え~!? そうなんですか? じゃあ体が小さいんですかね?」ときた。
いえいえ、早生まれながらも息子はクラスでも大きいほうだ。たぶん4月とか5月生まれだったら保育園でも1、2位を争うぐらいデカかっただろう。
「へえ~。意外ですねえ~。なんだか小さい子みたいな感じがしたんですけどねえ」
先生はいつまでも意外そうな表情を浮かべていたが、たぶん息子の精神年齢が3歳ぐらいだからそう思われたのだろう。
っていうか、過去2回も診てもらってるじゃんっ!
「お姉ちゃんほど勉強はできないですね(←キッッパリっ!)」
おいっ、いきなりそれかっ!
「小学1年とか2年のときは学校の勉強も良くないですね」
あの~、息子は確か天才だったのでは?
「でも大きくなれば段々良くなっていきます」
そうでないと困るのよん。
「モデルとか芸能関係には向かないですね」
そうでしょうとも。それは先日のDVDの撮影でいやというほど実感しましたよ。
「小学校受験ですけど、制服はぼんやりとなら見えるのですが、お姉ちゃんのときほどはハッキリとは見えません(←そんなこといってお姉ちゃんのときはずしたじゃんっ!)。白い襟がついた制服がぼんやりと見えるんですけどねえ。微妙です。でも前回のこともありますから(←おっ、認めたな)、これぐらい微妙なほうが受かる確率は高いかもしれませんけどね」
う~ん。本当に微妙だなあ。
ここで前にみっちゃん(仮名)がくれた「首都圏国立私立小学校一覧」という本を取り出し、この本にすべての小学校の制服のイラストが載っているので見てほしいと先生に手渡す。
「あ、こんなに便利なものがあるんですか。いいですねえ。これ。この子も私立は見えないからやっぱり国立ですよねえ~。あ、これかなあ。これが近いですかねえ~」
先生が指差したのは、G大附属T小とG大附属O小の制服だった。確かに両校とも男子の制服には白い襟がついている。
「受かるとしたらこのふたつですかね。どっちかといったらO小のほうがいいですけどね。T大附属T小はお姉ちゃんは向いてませんでしたけど、彼はとっても向いてます。受かればすごっくラッキーですけどね。ただ制服が違うんですよねえ~」
「じゃあ可能性があるのはG大附属T小とG大附属O小だけなら、この2校だけ受ければいいんですか?」
「いや、受けられる学校はすべて受けてください」
「あとうちからならO女附属小学校も受けられるんですけど、そこの可能性は?」
「O女附属小学校も見えないです。けどとにかく4校すべて受けてください」
先生に言われるまでもなく4校すべて受けるつもりだけど、不思議なのは、どうして先生から見て受かる可能性がなさそうな学校まで受験を勧めるのだろうか? やっぱり受験したら受かったのにも関わらず、真に受けてトライもしないでみすみすチャンスを棒に振ってしまったといった例が今までにもあったのかしらん。そういうものの予防線のために「とりあえず全部受けろ」と言うのかしらん。
「彼はお姉ちゃんと違って環境に大きく左右されるタイプなので、周りに流されちゃうんですよね。だから公立は向かないんです。それより周りがみんな勉強しているような環境にいたほうがいいんですよね。そういう環境を整えてあげないといけないタイプなんです。まあ度胸はあって本番には強いタイプなので抽選が通ればいいですよね。けど本番に強いのはお姉ちゃんもいっしょですけどね(←じゃあなんでT大附属T小の試験に落ちるんだよっ!)」
「お姉ちゃんのときは塾とか行かなくてもいいって言われてたんですけど、この子は塾とか行ったほうがいいですか?」
「それは絶対です。4月になったら通い始めたほうがいいです」
「え? マジですかぁ?」
「う~ん。じゃあ夏からでもいいです(←なんだよ。それ。ゴネれば塾に入る時期がずれてもいいのか?)」
「一応、パパが家で勉強を見てるんですけど、それだけじゃだめですか?(←再度ゴネてみる。ってなんのためだよ!?)」
「あ、パパが勉強をみてるんですか。ママがみるよりそっちのほうがいいですね。けど塾は行ったほうがいいです。この子は家庭学習だけだと無理です。夏までに入らなければ単発の講習とか模擬試験は受けたほうがいいです」
そうですかあ~。塾通いが必要なんですね。と言われてもやはり抽選が通らなければ塾通いは無駄ではないかと、ついつい思ってしまう私。
「とにかく運動に力を入れてあげてください。サッカーなんかとってもいいですよ。運動は絶対にさせてください」
ということで息子に関する占いは終わった。
過去2回は天才だの、世界で活躍するだの、将来大成するだの輝かしい未来をさんざん予言されていた息子だったが、今回はその手の話はいっさいなかった。
「神童、二十歳になったら普通の人」
という有名な言い回しがあるが、過去2回の先生の占い結果でうちの息子はこの逆を行くものだと思い込んでいたが、どうやらそれもなさそうだ。
「ぼんやりくん。二十歳になってもぼんやりくん」
そんな言葉がふと脳裏に思い浮かび、やめてくれよっと自分に突っ込む私である。
0 件のコメント:
コメントを投稿