2009年4月19日日曜日

泰子(仮名)の場合②

泰子(仮名)は私のママ友の中で一番熱心なお受験ママで、娘の幼稚園受験にせっせと励んでいた。
 地方出身者の私は幼稚園受験だとか小学校受験だとかそういったものにずーっと無縁でいて、東京のどこの幼稚園や学校が人気があるのだとかむつかしいのだとかまったく無頓着で無知だ。
 3年保育のときにも私立国立を受けていた泰子(仮名)の受験話をあれこれ聞いていて、ずいぶん前の話だけど「音羽お受験殺人事件」を思い出してしまった。
 あの事件があった当時は独身でましてや子供がいる人なんて周りにあまりいなかったこともあって、まったく別世界の冗談みたいな話だと思ってたが、泰子や泰子の周りのお受験ママたちの話を聞くと、まったくありえない話ではないと思えてしまう。
 結局去年は残念ながら真美ちゃん(仮名)は希望したところがどこも受からず、近所の私立幼稚園に通うことになった。
 それですっかり泰子(仮名)の幼稚園の受験は終わったものだと思い込んでいたが、ところがどっこい、泰子いわく2年目のリベンジがあるのだという。
 確かに幼稚園は3年保育だとは限らず2年保育を選択する親もいる。そこで泰子は2年保育での再受験を試みることにしたのだ。
 私立の安くない入学金や授業料を払い、制服など全部揃えて、またわざわざ違うところへ通わせるなんて、なんだか大学受験における仮面浪人のような気がしないでもないが、泰子は本気だった。
 そして今年は2年目保育の受験の年でもあったのだ。

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