また2列目以降の数字にもそれぞれ意味があるらしく、列を下るにつれその人の人生の晩年に近づいていくようだ。きっと銀座の先生は霊視に加え、数字を読み解きながらその人の人生を占うのだろう。
「生年月日で運命を占うのは星の運行的な要素でわかるにしても、この一列目の左の数字って昭和の年号じゃないですか、それってそういうところだけ妙に日本的で笑えますよねえ」
と里美さん(仮名)。
うーん、確かにそうだ。盲点だった。そんなの今まで全然気がつかなかったぞ。里美さんはおっとりとした天然ボケキャラだが、なんとも鋭い視点の持ち主である。
「数字と言えば、私の友だちが全部0って出て、先生もそんな珍しい数字が全部そろうことなんてないって言われたって言ってたけど」
私は泰子(仮名)の話を持ち出す。
「でも美央さんのお友だちがいくら珍しい数字の持ち主だって言ったって、元が生年月日から算出してるんだったら、ふつうに考えて同じ日に生まれた人だったら全員すべて0って出るだろうし、その生年月日の人じゃなくても組み合わせによっては十分0がすべてそろうってこともありえるじゃない」
莉奈ちゃん(仮名)ママこと佑子(仮名)がたたみかける。確かにそのとおりだ。さすが佑子さんはSEの仕事をしているだけあって理数的な発想をする。
「けど銀座の先生しか見えない、私たちにはとうていわからないものがあるんだろうね。私、診てもらう日がとっても楽しみよ」
そう佑子さんはにっこりと微笑んだ。
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